小石川フィロソフィー
小石川フィロソフィーは、6年間を通した課題研究の授業です。1年生から6年生まで、それぞれ週1~4時間行い、以下の3つの力を育成することを目標にしています。
中高一貫教育校の特徴を活かし、1・2年で課題研究の基礎的スキルを学び、 3・4年でプレ課題研究や発信力の向上に取り組み、5年で課題研究を深め、6年では各自で取り組んだ課題研究のまとめを行っています。
【各学年における取り組み】
- 小石川フィロソフィーⅠ 言語スキル(1年)
- 小石川フィロソフィーⅡ 数量スキル(2年)
- 小石川フィロソフィーⅢ プレ課題研究(3年)
- 小石川フィロソフィーⅣ 論理的探究スキル(4年)
- 小石川フィロソフィーⅤ 課題研究(5年)
- 小石川フィロソフィーⅥ 成果の発信(6年)
課題研究の資料閲覧
5年生の教室付近に過去の課題研究の成果を自由に閲覧できるオープンスペース『SSHコーナー』を設置しています。
生徒が課題の設定や研究方法を考えるときなどに活用しています。
課題研究における大学との連携
課題発見のヒントを得るためや、課題研究に取り組む中で出てきた疑問を解決するために、大学との連携を深めています。
大学の先生から研究についてのお話しを伺ったり、生徒自らが研究者を探してアドバイスをいただいたりしています。
- 連携を行った大学やオンラインを活用した大学との連携についての詳細は理数教育(SSH)「大学との連携や接続」を参照してください。
ルーブリック
小石川フィロソフィーにおいて、個人で課題研究を行っている学年では年2回自己評価を行っています。
- ルーブリックはこちらをご覧ください。
小石川フィロソフィーⅠ週1.4時間
小石川フィロソフィーⅠでは、様々な言語活動に取り組んでいます。
この授業で学ぶ言語スキルは、課題研究や他の科目の学びを支えるものであり、あらゆる学習の効果を高めます。
【主な内容】
- 1 小石川フィロソフィーガイダンス
- 2 ビブリオバトル
- 3 新聞について学ぶ
- 4 説明する技術
- 5 聞き取る力&書く力
- 6 読み取る力
- 7 意見を深める
- 8 発想して整理する
- 9 スピーチ(テーマ設定、調査、考察、まとめ、発表)
言語能力の向上を目的としているテキストで、説明する技術や聞き取る力、読み取るカの 育成とともに、ディベートやスピーチ、音声言語トレーニングの方法など発信力が高まるよう構成されています。
【生徒の研究成果】
POP作成、新聞づくり、ミニ論文作成、スピーチ(5分)
小石川フィロソフィーⅡ週1時間
小石川フィロソフィーⅡでは、数値の扱い方やデータを収集・分析する方法、結果を効果的に表現する方法などを学びます。
【主な内容】
- 1 PPDACサイクルの考え方
- 2 記述統計学:資料の整理、データの分析
- 3 科学レポートの書き方
- 4 PPDACサイクルの実践編
- 5 統計グラフコンクールの作品を作成
- 6 確率論の基礎
- 7 推測統計学Ⅰ:推定
- 8 推測統計学Ⅱ:確率分布
- 9 推測統計学Ⅲ:検定(統計的仮説検定)
小石川フィロソフィ―Ⅱ共通テキスト
統計スキルの向上を目的としているテキストで、中学校段階で学ぶ統計分野の内容を網羅しています。また、高校段階で学習する内容(正規分布など)も、中学生でもわかる形で記述しています。
統計分野で利用する一連の考え方(PPDACサイクル)について、具体例に沿って理解できるようになっており、統計ポスターの作成方法も記載しています。
00_表紙(194KB)
01_はじめに(474KB)
02_記述統計学(5.37MB)
03_科学レポート(5.37MB)
04_グラフコンクール(1.87MB)
05_確率論の基礎(1.06MB)
06_推測統計学(1.81MB)
07_振り返り&自己評価(1.81MB)
08_索引&正規分布表(146kB)
グループで統計グラフポスターを作成し、1年生も参加して校内発表会を行います。
【生徒の研究成果】
科学レポート、統計グラフポスター
小石川フィロソフィーⅢ週1時間
小石川フィロソフィーⅢでは9つのReserch Learning
Room(RL-Room)に分かれ、研究方法を学ぶとともに、個人またはグループで課題研究に取り組みます。研究テーマ(課題)を設定し、計画をたてて研究を進めていきます。
3月には1、2年生も参加して活動の成果を校内で発表します。
【小石川フィロソフィ―ⅢのRL-Room】(令和6年度例)
- 近代文学研究(夏目漱石研究)
- 「平家物語」研究
- 三大宗教とその周辺
- 「世界・日本・社会」
~国際比較データから見えてくるもの~ - 数学研究
- 自然科学・探究活動の基礎
- 体育・スポーツ
- SDGs 研究とリサーチ(ディベート)
- Let’s Try English Drama!
東京都SSH指定校合同発表会やマスフォーラムなど校外での発表を行う講座や、校外における施設見学を行う講座や、オンラインで国際交流を行う講座もあります。
小石川フィロソフィーⅣ週4時間
小石川フィロソフィ―Ⅳは教育課程上「理数探究基礎」「情報Ⅰ」「人間と社会」に位置づけられます。数学と理科の教員が共同で授業を行う「理数探究基礎」により、論理的に探究するスキルを伸ばすとともに、「情報Ⅰ」「人間と社会」と連携し、様々な課題を深く分析するスキルを伸ばします。
理数探究基礎(週1時間)
-
(R5実践例)
- ・研究倫理
- ・研究の計画と実践
- ・統計 R言語
- ・数値解析ソフト MATLAB
- ・共通講座
情報Ⅰ(週2時間)
-
(R5実践例)
- ・科学の甲子園の問題の紹介と演習
- ・有効桁数
- ・エクセルで確率の問題を解く
- ・指数関数で増えると大変
- ・偏差値、近似曲線、相関係数
- ・迷路脱出プログラム
- ・ロボットを動かす
- ・Big Dataの分析
- ・エクセルで自動化プログラム
- ・10進BASICでプログラム
- ・HTMLでWebページ作成
人間と社会(週1時間)
-
(R5実践例)
- ・社会体験活動
- ・自然と人間の関わり
- ・学ぶことの意義
小石川フィロソフィーⅤ週2時間
小石川フィロソフィーⅤでは、5年生が14のRL-Roomに分かれ、各自が研究テーマを設定して週2時間の課題研究に1年間継続して取り組みます。
小石川フィロソフィーⅤ 各RL-Roomの説明【小石川フィロソフィーⅤのRL-Room】(令和6年度例)
- メディアリテラシー
- 物語研究(ナラトロジー:narratology)
- 映画のすすめ ~映画が語りかけるもの~
- 哲学逍遥
- 数学研究
- 空飛ぶ物理一座
- 化学分野の研究
- となりの生物探究
- 地学研究
- スポーツ・保健体育
- 音楽表現
- 美術に関する研究
- 言語・言語教育比較研究
- World Literature
東京都SSH指定校合同発表会をはじめ、各種コンテスト等でも発表を行っています。
【生徒の研究成果】
要旨(A4版1枚)、個人ポスター
2月には、シンガポール修学旅行中に現地の交流校にて研究交流を行います。発表に向けては校内で外国人講師の先生の個別指導(プレゼンテーションワークショップ)を受けます。
英語での発表とディスカッションを通して、研究を一層深めるとともに発信力を養います。
【生徒の研究成果】
個人ポスター
小石川フィロソフィーⅥ週1時間
小石川フィロソフィーⅥは、6年間の小石川における探究活動の集大成です。5年生までに取り組んできた研究成果を論文にまとめ、その内容に一層磨きをかけるとともに、学校内外に向けて発信を行います。
【令和5年度の発表テーマ】
- 1. ベストセラーの題名にみる戦後の日本社会の変化
- 2. 画像解析を用いて間違い探しを解く
- 3. 運動と主観的幸福度の相関関係
- 4. 印象に残るロゴデザインのつくりかた
- 5. 聴覚的クロノスタシス現象と心理的時間感覚の測定に関する諸考察
- 6. Structural Causes of Armed Conflicts and Prevention System
- 7. 砂山の斜面の傾斜角は何によって決まるのか
- 8. ナガミヒナゲシのアレロパシー作用が土壌に与える影響
- 9. 成城三丁目緑地における崖線湧水について
- 10. 炎光光度法を用いたエアロゾル粒子の濃度測定と可視化手法の開発
- 11. 北海道アイヌと琉球民族
- 12. 少年ジャンプ ヒット史と海外展開
【令和4年度の発表テーマ】
- 1-1. フェイクニュース拡散の数理モデル化
- 1-2. 新聞の現状と今後について
- 2. 「ヒトラー」再登場を現行ドイツ法は防げるのか
~映画「帰ってきたヒトラー」から考察する - 3. 倍音の違いを分析する
- 4. 男女間における声質の違いの探究
- 5. 油彩画の変色とその改良法についての考察
- 6. プラナリアのオペラント条件付けによる記憶形成
- 7. 放散虫化石による地層年代の特定
- 8. 東京2020オリンピック~コロナ禍による経済への影響~
- 9. カノンコードの分析及びそれを用いた作曲、ケルト風の編曲
- 10. Basic Income & Japanese society
【生徒の研究成果】
個人論文