理数教育(SSH)

SSH生徒研究成果発表会(令和元年7月)
本校は文部科学省からSSH(スーパーサイエンスハイスクール)の指定を受けており、国際社会でリーダーとして活躍できる科学的人材の育成を目指した教育活動を行っています。
SSHの取り組み
第4期SSH事業概要
本校は平成18年よりスーパーサイエンスハイスクール事業(SSH)の指定を受け、様々な教育活動を行ってきました。
第4期は第1期~第3期における実践をさらに充実・発展させるべく、大学や企業・研究施設等との連携を一層強め、以下の研究開発を行います。
研究開発課題
- 「小石川リサーチラーニング」による、世界の科学技術を牽引する人材の育成
これらのプログラムを通して、国際社会でリーダーとして活躍できる科学的人材の育成を目指しています。また、本校で実践したプログラムの有効性を検証し、人材育成のモデル構築とその発信に努めます。
第4期の概要

活動の記録
研究開発実施報告書
小石川SSHだより
年2回、SSHだよりを発行しています。過去のバックナンバーはこちらをご覧ください。
6年間を貫く課題研究
小石川フィロソフィー

中高一貫教育校の特徴を活かし、1・2年で課題研究の基礎的スキルを学び、3・4年でプレ課題研究や発信力の向上に取り組み、5年で課題研究を深め、6年で各自で取り組んだ課題研究のまとめを行っています。
- ・詳細については、小石川フィロソフィーを参照してください。
教科外での活動
オープンラボ

物理・化学・生物・地学・数学・情報の分野において、生徒が自主的な研究活動を継続的に行うことができる場を提供しています。放課後や休日に実験室を開放しており、生徒は自らの課題研究に取り組むことができます。
理数系部活動・同好会
物理研究会、化学研究会、生物研究会、天文研究会、数学研究会、パソコン研究会があり、全校生徒の約25%が所属しており、活発に活動しています。
生徒が作成したポスター
理数系コンテスト近年の受賞
理科や数学に対する興味・関心の向上により、国内外の理数系コンテストへ積極的に参加しています。
全国大会
- ○日本学生科学賞全国審査
科学技術政策担当大臣賞(R03)
学校賞(H29)
旭化成賞(R01)
入選1等(H30、R02)
入選2等(R01)
入選3等(R03、H29) - ○SSH全国生徒研究発表会
審査委員長賞(H30)
文部科学大臣賞(R01)
ポスター賞(R03)
生徒投票賞(R04) - ○日本生物学オリンピック
金賞(R01)
銀賞(R02、R03)
銅賞(R03) - ○化学グランプリ
金賞(R02)
支部奨励賞(R01、R03)
日本化学会長賞、大賞(R04)
銅賞(R04) - ○物理チャレンジ
第2チャレンジ銀賞(R01)
第1チャレンジ実験優秀賞(R01)
奨励賞(R02) - ○数学オリンピック
優秀賞(R01、R03) - ○日本情報オリンピック
敢闘賞(R03) - ○日本情報オリンピック女性部門
優秀賞(R03) - ○アプリ甲子園2020開発部門
準優勝(R02) - ○U-22プログラミング・コンテスト
経済産業大臣賞(H29) - ○未踏ジュニア2020
スーパークリエータ認定(R02) - ○未踏IT人材発掘・育成事業
スーパークリエータ認定(H30) - ○つくばScience Edge
金賞(R03)、銀賞(R03)
高度な理数系カリキュラム
理科教育
前期課程(1~3年生)から、物理・化学・生物・地学の専門の教員がそれぞれ授業を担当し、発展的な内容を取り入れながら授業を行っています。特に前期課程では、7割以上の授業において実験や観察を取り入れた授業を行っています。
数学教育
1年生から代数と幾何の2 つの分野に分けて学び、2年間で中学校の基礎的な内容を終わらせます。単に早めに学習するというのではなく発展的な内容を積極的に取り入れ、6年間を通して系統的に学習を進めていきます。
授業は全学年で習熟度別授業を取り入れ、個々の生徒に応じた学習を少人数で行っています。
様々な教科と数学科の教員がティームティーチング形式で連携授業を行うことで、それぞれの教科に特有のテーマに対して、数学の視点を取り入れて学びを深める探究的な授業を行っています。
小石川セミナー

生徒が知的好奇心や学習意欲を高め、豊かな教養と高い志を持つことをねらいとして、日本や世界における第一線の学術研究者による講演会を年数回行っています。科学の先端研究に触れることで、科学の興味を広げるとともに、自分の将来像を描く貴重な機会となっています。
科学的思考力をもったグローバルリーダーの育成
海外派遣研修

夏休みを利用し、海外の大学で理数系に関する講義・実習に参加するプログラムです。「小石川フィロソフィー」等で取り組んだ課題研究を英語で発表し、現地の大学教授とディスカッションする機会があるなど、主体的に取組む場面を数多く設定しています。
※令和3年度はオンラインによる海外研修を実施しました。
化学、物理・天文、コンピューターサイエンス、生命科学に関する授業を受講しました。また、代表生徒が取り組んだ課題研究を英語で発表し、カーディフ大学教員とそれぞれの研究に関するディスカッションを行いました。
※令和4年度は、1日目と2日目はオンラインでカーディフ大学教員による講義と、自分たちの課題研究の発表をいずれも英語で行いました。また、3日目は現地で研修を受けた卒業生と現在オックスフォード大学で学んでいる卒業生の話を伺いました。
プレゼンテーションワークショップ

生徒が課題研究の成果を英語で発信できることをねらいとして、外国人講師によるプレゼンテーションワークショップを実施しています。5年生全員がAbstract(概要)と海外修学旅行で発表するポスターの作成におけるアドバイスを受けています。原稿を添削してもらうのではなく、研究に関する知識がない聞き手にも理解してもらえるような表現や伝え方を身に付け、英語での発信力向上に役立っています。
国際科学オリンピック等への挑戦

希望する生徒が、国際科学オリンピックの予選となる物理・化学・生物・地学・数学・情報の国内予選に挑戦し、毎年全国大会出場を果たしています。
- 国際物理オリンピック(2015年銅メダル)
- 国際地学オリンピック(2017年金メダル)
- 国際化学オリンピック(2021年銅メダル)
- 国際生物学オリンピック(2022年)
- ヨーロッパ女子情報オリンピック(2022年銅メダル)
- ロボカップジュニア世界大会
サッカー部門(2019年総合2位、2018年総合5位)
レスキュー部門(2017年総合3位)
【国際大会報告】
さくらサイエンス・ハイスクールプログラム
2019年11月には、ブラジル、中国、コロンビア、インド、キルギスタン、タジキスタンからの75人が来校し、小グループに分かれて本校4年生と小石川フィロソフィーや教科の授業、ランチなど学校生活を体験しました。
大学との連携や接続
東京農工大学との高大連携・共同研究
本校生徒が行った研究を発展させることを目指し、2018年4月に国立大学法人東京農工大学と高大連携・共同研究協定書を締結しました。
連携協定の締結により、小石川フィロソフィーの授業やオープンラボ、部活動等で課題研究を行った本校生徒が、大学の最新研究施設を利用し、より高いレベルの研究に取り組む機会を得るだけでなく、大学の研究組織と共同研究を行うことができるようになりました。
小石川フィロソフィーなど課題研究における連携
課題発見のヒントを得るためや、課題研究に取り組む中で出てきた疑問を解決するために、大学との連携を深めています。大学の先生から研究についてのお話をうかがったり、生徒自らが研究者を探してアドバイスをいただいたりしています。東京大学グローバルサイエンスキャンパスに参加し、さらに高度な研究を行っている生徒もいます。
近年連携を行った大学・企業
- お茶の水女子大学
- 筑波大学
- 東京外国語大学
- 東北大学
- 大林組
- MathWorks
- 神田外語大学
- 東京都立大学
- 東京学芸大学
- 早稲田大学
- SECOM
- 慶應義塾大学
- 東京大学
- 東京工業大学
- Cardiff University(英国)
- 旭化成
- 中央大学
- 東京医科歯科大学
- 東京農工大学
- 花王
- JAMSS(有人宇宙システム)
お茶の水女子大学との高大連携・生命科学講習

お茶の水女子大学との連携事業として、生命科学への興味と関心をより一層深めてもらうことをねらいとして年2回程度実施しています。中高生には高度な内容も含まれていますが、参加した生徒たちの進路を考えるきっかけにもなっています。
サイエンスカフェ

大学や企業、研究所などと連携して年間10回以上開催している「サイエンスカフェ」は科学分野で活躍しているグローバル人材と触れ合う自由参加型の講座です。
また、科学分野で活躍する卒業生や在校生が自身の体験を発表し、またそれを聞くことで生徒にとって科学に関する興味・関心がひろがり、大きな刺激となっています。
- ・令和3年度サイエンスカフェ
- ・令和元年度サイエンスカフェ
- ・平成30年度、令和元年度の詳細はこちらをご覧ください。
大学研究室訪問
本校卒業生の大学教授にご自身の研究室を公開していただき、自らがその分野に対する方向性をどう定め、いかに努力してきたかを生徒にお話しいただくなど、生徒自らが将来像を描く貴重な機会となっています。
教員の指導力の向上
本校では、SSH事業は全教職員が関わっており、組織的に教員の指導力向上に取り組んでいます。
校内研修会をはじめ、課題研究の指導に関する会議を随時開催しています。また、教科融合・横断授業の実施や先進校視察などを通して、常に指導方法の研究に取り組んでいます。このような取り組みを通して、SSH事業の効果を校内全体に波及させるよう、工夫しています。