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2025/03/25 お知らせ
令和6年度修了式
3月25日(火)に、令和6年度修了式が行われました。
校長から、理化学研究所革新知能統合研究センターでAIの研究をしている橋田浩一先生にご来校いただき、
小石川フィロソフィーⅤで授業していただいたPersonaryというAI を活用するアプリについて、以下のような話がありました。
AIが学習するデータの中には、誤りや人間の尊厳を傷つけたり差別を助長したりするものも含まれているため、
生成AIを使って何か作業を行うときには間違った回答が提供されてしまうことがあります。
単純な間違いであれば知識がある人間が正せばよいのですが、差別や人を傷つけることもアウトプットしてしまうことがあり、
そのことに気が付く能力が人間側になかったり、AIの使用者が初めからフェイク情報や誰かを傷つけることが目的で
回答を作成する意図である場合があったりするため、AIの使用やAIからつくり出される情報には十分な注意が必要です。
Personaryでは質問者の聞きたいことを、グラフ文書で示しながら質問者が気がつかなかったことを
それぞれで段階で教えてくれるようなシステムになっています。
グループ学習にも活用できそうなので、小石川の多くの生徒たちに使ってもらうといいと感じました。
さて、AIの急速な発達については、人類の文明が進歩していくことへの期待がある反面、
人間の知能を超えたAIが出現することによって、AIを原因とする人類の滅亡も考えられると警鐘を鳴らす人もいます。
そこで、イスラエルの歴史学者で「サピエンス全史」や「ホモデウス」の筆者である
ユヴァル・ノア・ハラリ氏の最新作である「NEXUS情報の人類史」という本を紹介します。
その中では、ハラリ氏がAIの存在と急速な発達そのものが問題であるのではなく、
AIを使用する人類の側にその危険性を抑えることができる能力がないことを問題視しています。
AIそのものは善も悪もなく、どのように人間が使うかに関わってよくも悪くもなるものです。
シンギュラリティ下では、AIによる危機と変革とが同時に進行していくものなのかもしれません。と書いてあります。
私たちは現在そうした歴史の岐路に立っていて、急激に社会が変わっていく時代の前夜にいるのかもしれません。
答えは私たち自身で試行錯誤していかなければならないと思います。
小石川の生徒たちの中から答えを導き出す人が出現するかもしれないことを期待しています。
皆さんが人類の英知ある人たちの一員となっていくことを心から願います。
と生徒に向けて話しました。
その後、生活指導主任からの話、3学期間における90名への表彰や、長七賞の表彰、
最後に離任式が行われ、離任者1人ひとりから話がありました。