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東京都立小石川中等教育学校

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2024/03/18 SSH

令和5年度 第3回小石川セミナー

3月18日(月)に、東京大学総合研究博物館の遠藤秀紀様をお招きし、第3回小石川セミナーを実施しました。

「動物学者、地球を歩き、人に会う」をテーマにご講演頂きました。

『広い地球には「命」といろいろな付き合い方をしている人がいる』というお話から始まり、歴史や過去は実験して再現できないので動物の死体(考古学であれば化石)を研究するというアプローチが必要であり、死体は「進化の歴史書」である、という内容で、パンダやクジラの骨を題材にしたお話が進みました。
また、養鶏を例にとって、家畜に対する考え方や飼育方法の各国の比較から、日本人の鶏に対する扱いや意識の課題を浮かび上がらせるようなお話もありました。「命」との付き合い方の、各国・地域ごとの多様さから、自分たちの暮らしを見つめなおす機会を与えて頂きました。
お話の最後には、「死」や「死体」や「殺す」ことから隔離された現代社会、理科の動物実験に対する残酷だという批判、家畜を屠り毛皮を作る仕事に対する人々の価値観(差別意識)、見たくないものを汚いものとしてしまう、潔癖症社会について考えることを生徒に投げかけていました。
講演の後、生徒からの熱心な質問に、遠藤先生からは「答えにはなっていないが、私の気持ちをお話しします」と、教員の立場でも非常に考えさせられるお答えを頂きました。小石川セミナー05_03