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東京都立小石川中等教育学校

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2020/11/28 教科の学習

5年生アンネの隠れ家バーチャル見学

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令和2年11月9 日、アンネの隠れ家バーチャル見学を実施しました。

5年生の海外修学旅行が中止となり、代替案としてHISの畠澤様、澤村様にバーチャルツアーを企画していただきました。事前学習として、英語の授業内でホロコーストに関する英文を読みました。

バーチャル見学当日は、HISアムステルダム支店の畠澤様より、当時のオランダの情勢やホロコーストなどの歴史的背景を説明していただき、アンネが潜伏していた隠れ家と平和だった頃のアンネの家、そしてユダヤ人が移送された列車の内部をバーチャル見学でご案内していただきました。

生徒達は、史実を学ぶ重要性だけでなく、一人の市民の人生から戦争と平和について考える重要性も理解したようです。

 

以下、生徒の感想です。

◆私は小学校のころ、図書室にあったマンガで書かれた歴史人物の伝記としてアンネ・フランクを読んだことがありました。
小中学生向けの簡単なものだったので、今回のお話では知らなかったこともたくさん知ることができました。

実際の写真やバーチャル映像などは、普段なら見ることができないため、とても貴重な経験になりました。
戦争が与えた影響、奪ったものを改めて感じました。何の罪もない人たちがつらい思いをさせられることは今後あってはならないと思います。

今回の講演を聴いて、アンネの日記を読んでみようと思いました。
私と近い年齢のアンネが普通の少女として生きることが制限された中で、何をして、どう考えたのか、もっと知りたいと思いました。貴重なご講演、朝早くから本当にありがとうございました。

 

◆アンネの伝記を初めて読んだときから、ホロコーストの残虐さや標的にされたユダヤ人の方々に思いを馳せるのはつらいと思ってきました。

今回久しぶりにこのトピックにふれて、ナチスの犯した罪の大きさと、二度と繰り返さないという世界全体の認識の重要性を感じました。

私は1年ほど前まで「小石川フィロソフィー」の授業でドイツ人のホロコースト観についてのリサーチをしていたので、いろいろな立場からこの史実を見ることに、とても意義を感じています。また、人間のグレーな部分が悲劇を生んだ、という畠澤さんの言葉が本当に心にささりました。

全てに善悪をつけなくとも、明らかな過ちには周囲に流されずにいられる人間になりたいです。ありがとうございました。

 

◆私と年齢が近く、ジャーナリストになるという夢も一緒であるアンネがどれだけ苦しい生活を強いられていたのかと想像すると胸がつまる。

今回、アンネが隠れ家に住む以前は、どんな風に楽しく幸せに普通に暮らしていたかを知って、アンネの苦しみは強制収容所で亡くなったことだけではないのだと痛感した。
幼馴染と一緒に学校に通えなくなったこと、星マークをつけることを強いられたこと、乗り物に乗れなくなったこと、隠れて自分がいることを知られないように生活し続けること、これら全てがアンネや他のユダヤ人の人々の人格や尊厳、存在を否定する酷い行為だ。アンネの日記を読んだり、今回のようにアンネの家を訪れたりすることで、ホロコーストを単なる歴史上の事実としてではなく、現実味や感情を含めて、奥の深い出来事として捉えられると思う。

今日図書館でアンネの日記を借りたので、もう一度アンネの気持ちを想像しながらゆっくり読んでみようと思います。