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東京都立小石川中等教育学校

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2020/10/10 その他

5年生バーチャル工場見学

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令和2年9月28日、株式会社アレッポの石鹸 太田昌興様をお招きし、「三大陸周遊ツアー第一の旅 1000年の時を越えて〜バーチャル工場見学 アレッポ石鹸工場〜」を実施しました。

事前学習としてCNNニュースでシリアについて学び、大学の入試問題で移民政策について考えました。

講演では、平和だった頃のシリア、ハイパーインフレ、難民、石鹸の歴史などの太田様よりお話をしていただいた後、爆撃後のアレッポをバーチャルで市街散策、そしてバーチャルで石鹸工場を見学しました。

5年生の海外修学旅行が中止となってしまいましたが、直接的な体験ができない時こそ自分の想像力を鍛える時期だと捉え、私達11期生は世界への関心を深化させていきます。
(5年英語担当)

シリア写真2.jpg

以下、生徒の感想です。

◆ 今回のご講演では太田さんからシリアとアレッポの石鹸についてお話しいただきました。バーチャルツアーなどを通して、普段なかなか体験できないことを体験することができました。


シリアについては英語の授業などで学ぶこともありましたが、実際の街や人々の様子を教えていただくのは初めてでした。

シリア内戦が勃発したのは8年前のことで、私がシリアという国を知った時からずっと内戦のイメージばかり持っていました。

しかし、太田さんのお話の中で、内戦前のシリアはとても平和な国で、人々もとても優しく親切だということを聞いて、シリア内戦について考えさせられました。

爆撃の被害は大きく、アレッポの石鹸の工場も被害を受けた建物のひとつでしたが、シリアの人々は自分たちの手で家や工場などの建物を建て直しているということが特に印象的で、戦争に抗えないことのやるせなさを感じました。

アレッポの石鹸には1000年もの伝統があるゆえに、内戦によって受け継いできたものを失わせたくないと強く感じました。


海外修学旅行の代わりに先生が準備してくださった企画ですが、実際に現地に訪れたかのような経験ができました。最後に、シリアが平和を1日でも早く取り戻せることを願いたいです。

◆ 今回の講演を聞いて考えたことが3つあります。


1つ目は文化についてです。

アレッポの石鹸という1000年以上も昔に作られたものが世代を超えて脈々と受け継がれて今こうして自分たちの手元にあるのだなと思うと非常に感慨深いなと思いました。

近年、日本では伝統工芸品などの後継者が不足しているという話をよく耳にしますがこのアレッポの石鹸のように途絶えることなく受け継がれていって欲しいというふうに思いました。またそれを受け継ぐ世代として自分たちはなにができるのかということも考えなければいけないなと思いました。


2つ目は外国についての認識についてです。

この講演を聞くまではシリアといえば紛争、内戦といった争いのイメージ一色でした。しかし、講演を聞いて争いという面以外の普段の生活や文化を知ることができました。

自分は狭い視野の中でしか外国のことを知らないのだなとあらためて感じました。


3つ目は平和の尊さについてです。

実際に爆弾が落とされる映像や空爆の跡地を見て戦争や紛争がどれほどの命やそこに住んでいた人の生活や文化を破壊してしまうのかということを知りました。

日本に住んでいると戦争や紛争などはどこか他人事と感じてしまいがちですか、日本人として世界の平和のためになにができるのかということを考え、行動に移していかなくてはいけないなと思いました。


最後になりましたが、大変貴重なお話をしてくださった太田昌興さん、本当にありがとうございました。