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東京都立小石川中等教育学校

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2020/02/11 国際理解

第4学年 JIM-NET(日本イラク医療支援ネットワーク)イラクSkype中継実施

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2020123日、27日に「平和な世界を目指してー医療支援について考える」と題して、イラクとSkype中継を実施しました。


中村哲氏の医療支援に関する大学入試問題を解いた後、JIM-NET(日本イラク医療支援ネットワーク)の牧野さん、斉藤さんにご協力いただき、現地スタッフのクルド系イラク人バルザンさん、クルド系シリア人のリームさんに英語で質問をしました。
イラクでの医療支援活動だけではなく、中東の情勢についても質問することができました。


今回のSkype中継で、ニュースや政治的な観点だけではなく、1人ひとりとの対話が大事だということを学ぶことができました.。こういった活動を通して、私達は、自分の夢を描くことに留まらず、日本や世界に貢献するために、志を立てることができる生徒の育成を目指しています。

以下、生徒の感想です.

〇 今回の講演で私が特に感銘を受けたのは、「果たして日本は本当に先進国なのか?」という、牧野さんの問いかけです。牧野さんによると、イラクの人々の家族間の結束というのは素晴らしいものがあるそうです。実際、お話を伺ったイラクのお二人は、一番大切なのは家族だ、と口を揃えて仰っていました。確かに日本は豊かで平和な国かもしれません、しかし家族という視点から見るとどうでしょうか。その絆は近年薄くなってきているように私は感じます。日本は先進国と言えるのか、何か大切なものを失ってしまってはいないか...とても考えさせられる問いだなとハッとさせられました。また、私達は、国に対して持つイメージをそこに住む人々に対するものと繋げがちですが、偏見や差別をなくすためにも、その二つのイメージはきちんと区別して理解すべきところだということも改めて強く感じました。
 最後に、このような機会を設けてくださった牧野さん、斉藤さん、イラクのリーム、バルザン、本当にありがとうございました。(4年平城さん)

〇 私は今回のイラクの方とのskypeを通して、考えさせられたことが二つあります。
 一つ目は自分が世界の情勢について、本当に断片的なものしか理解していないということです。私はイラクの方とお話しする前まではアメリカとの緊張状態で市民の人々もつらい思いをされているのではないかと考えていました。ですがイラクの方は確かに危険な状態ではあるとも言っていましたがみんないい人で幸せに暮らしていると言っていました。中東の国といわれるとどこか攻撃的な印象がありますが、実際にインタビューに答えていただいたバルザンさんとリームさんも本当にやさしく終始笑顔のたえない方でその国の印象とその国に住んでいる人との間に大きな差があるように感じました。私たちは普段、テレビや新聞、ラジオなどから情報を得ていますが、そこで知れるものとは事実のほんの一部でしかないのでしょう。その国のこと、世界のことを真に理解するには受け身な姿勢ではなく、このskypeのような積極的な態度で向き合っていかなければいけないなと思いました。 
 二つ目は、支援についてです。発展途上国と呼ばれる国が本当に求めている支援とはいったいなんでしょうか。今回その話題について特に挙げられていたキーワードは「教育」でした。教育というものは一時的なものではなく、確立されればその国にとっての持続的な財産になります。発展途上国が求めているものとは自立できる力なのではないかと思いました。これからは生活面での支援だけでなく、文化的な面からの支援というのもより重要視されるべきだなと思いました。それに関して私たち学生にできることは少ないとは思いますが、募金やボランティアなどを通して少しでも力になれればなと思いました。
 最後になりましたが多忙な中このような機会を作っていただいた、バルザンさん、リームさん、牧野さん、斉藤さん本当にありがとうございました。(4年中島さん)