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2025/04/17 お知らせ
飛鳥高校の植物
飛鳥の植物 Vol.3
アメリカデイゴ(カイコウズ;海紅豆)まめ科デイゴ属
Erythrina crista-galli
飛鳥高校の敷地内にある約100種類の樹木の中で、最も鮮やかで派手な色合いで目立つ花といえばこれが挙げられます。
アメリカデイゴは、梅雨の蒸し暑さが気になるころに深紅の変わった形の大きな花を一斉に咲かせ、あたりの景観を一変させるまめ科の樹木です。本校では正面玄関の右側に一株、グランドの周囲に数株あります。枝先に一斉に開花した後は、秋まで一枝ごとに息長く開花を続けます。
ブラジルあたりの原産で、アルゼンチン、ウルグアイ両国の国花になっています。暖かい地域に多く植栽され、「島唄」にうたわれるデイゴはこの仲間です。
成長力が旺盛であらゆる方向に枝が出るので、大胆に剪定しても力強く萌芽して毎年復活します。まるで鍛えられて逞しく成長する、飛鳥高校の生徒のようです。
飛鳥の植物 Vol.2
本校の千谷先生が飛鳥の植物について紹介してくださいました。
今回は第2弾。
スギ(杉)すぎ科スギ属 Cryptomeria japonica
スギは、青森県から鹿児島県屋久島に分布している日本特産の常緑針葉樹です。各地に樹齢数百年、時には数千年を超える大木があり、屋久島の縄文杉や〇〇の大杉のように命名されて親しまれています。スギという名の語源は、真っ直ぐ育つ「直木(すぐき)」であるという説があります。
建築材として重要で、全国に植林されています。秋田杉、京都の北山杉、吉野杉、高知の簗瀬杉などは名産として名高く、東京多摩地区の青梅林業も、都市近郊のスギ材の生産で発展したものです。
近年の林業の衰退によって管理の行き届かなくなった植林地が増加していて、その弊害が問題となっています。植林地では根が深く育たないために、異常気象による強風や集中豪雨による倒木や土砂崩れによる被害が発生したり、林床の生態系の多様性が乏しいことが指摘されています。スギの花粉は数百キロ離れた町に飛来し、毎年春先に多くの人々を悩ませる原因となっています。
大気汚染に強くなく、東京23区内ではほとんど姿が見られなくなりました。杉並区には、スギは一本もないと言われます。約100年前に明治神宮が造営された時も、当時は石炭を燃料とする汽車が煙を吐きながら山手線を走行していたため、原宿駅に近いあたりにはスギは植栽されませんでした。
本校では東側の外構に一本だけ育っています。樹幹が少し傷んでいますが元気なので、飛鳥の千年杉と呼ばれるように末永く、逞しく育ってほしいものですね。
↓↓左が花粉を放出する雄花、右は球果いわばスギぼっくりです。
~飛鳥の植物~
本校正門に向かって右側に堂々と聳えて、一種南洋風異国情緒を漂わせているソテツ。国際理解教育を進める本校の、シンボルツリーともいえる常緑樹である。このように立派に生育したものは近隣ではあまり見られず、他校にはない見事な正門付近の景観を呈している。
九州南部から南西諸島、台湾、中国南部に分布するが、耐寒性があり貧栄養地でもよく育つので、観賞用に多く植栽されている。裸子植物で、イチョウとともに樹木の中では最も原始的な仲間の一種とされる。中生代から形態があまり変わっていないため、「生きた化石」とも呼ばれる。受粉から結実の過程で、花粉が精子を発生させるという性質がある。
葉のつき方やその形がヤシに似ているので英語名でSago palm(サゴヤシ)と呼ばれるが、ヤシの仲間ではない。幹の中途から萌芽するので、ある程度育ってから切除したものを苗として繁殖して、観葉植物に使える。ソテツマダラシジミというシジミチョウの食草となり、葉が食害されることがある。
また、本校にはたくさんの植物が植栽されており、本校の魅力の一つでもある。