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2023/09/01 多摩高LIFE

令和5年度第二学期始業式 校長先生の講話

二学期始業式で全校生徒に向けて、校長から以下のような講話がありました。

 皆さんおはようございます。長い夏休みが終わり、今日から2学期が始まります。この夏季休業中、3年生は進路活動のため学校に登校し、各自の進路実現のため、それぞれの進路の実現のため、学習に励んだり、面接練習に参加したりと、取り組んでいる姿がありました。ここまで、皆さんには、私から自分のなりたい姿をできる限り具体的にイメージしてくださいという話をしてきました。高等学校を卒業した後、どのようになっていたいかという理想の姿を、頭の中でイメージして、それをゴールとして、どのようにすればそのゴールに近づけるかを考えながら、高校生活を送ってください。という話をしてきました。今日は、2学期のスタートにあたり、「自分を信じる」ということをお伝えしたいと思います。

 池江璃花子さんという水泳選手についてご存じの人も多いと思います。3歳で水泳を始め、高校1年で出場したリオオリンピックでは日本人選手最多の7種目への出場を果たし、100mバタフライでは5位入賞をするなど活躍した選手です。2017年日本選手権では女子史上初となる5冠、翌年のアジア大会では史上初となる6冠を達成し大会最優秀選手(MVP)に選出された。一方で2019年2月体調不良により遠征先から帰国、白血病と診断され入院による治療を余儀なくされました。そして、2021年の日本選手権では復帰し、見事東京オリンピックの出場を果たしました。

池江さんの闘病中の言葉です。「思っていたより、数十倍、数百倍、数千倍しんどいです。三日間以上ご飯も食べれてない日が続いています。でも負けたくない。」「不安要素をひとつずつ消していくには、本当に初心に戻って練習しないとダメだと考えて取り組んでいます。」「結果が出なくてとても苦しい時期でしたが、あまり深く悩まないようにして練習をしました。がむしゃらに練習していたら、いつの間にか記録も伸びるようになっていました。」「東京五輪までは伸びると思いますし、「やってきたぞ」と自信を持てるぐらいの練習をやっていけるかの問題なので、あとは気持ち次第。」(以上https://soul-brighten.com/ikee-rikako/9月1日閲覧)

復活を信じ、立ち上がり、あきらめず、飾らず、できることを誠実に重ねた飾りのない、率直なそして自分を信じ続けた言葉です。

皆さん、1学期自分のなりたい姿に近づくためにどうしていけばよいかということを考えて自分としっかり向き合うことができたでしょうか。3年生の皆さんは、ゴールを目前に、着実に近づいているという実感を持てている人が多いかもしれません。また、もしかしたらゴールにたどり着けるか不安を抱えている人もいるかもしれません。1,2年生はまだゴールが決められず、迷っているあるいは、ゴールがまだまだ先にあると思い、スタートできていない人もいるかも知れません。今学校の評価は、「知識・技能」「思考力・判断力・表現力等」「主体的に学習に取り組む態度」この3つが挙げられています。残念ながら、1学期の各教科の評価で、振るわなかった人が少なくありませんでした。単に知っていることや技能を見ているのではなく、三分の一は学ぼうとする態度を見ています。知識や技能が振るわなくても学ぼうとする態度があり、それが授業中や課題などで評価されれば低い評価にはならないという評価の仕組みになっています。途中で何かにつまづいて分からなくなってしまったとしても、粘り強くレポートに取り組むあるいは授業中に前向きに取り組むという姿勢を見せてください。授業で担当の先生は皆さんの学びに向かう態度を引き出すために、発問や授業中のワークシート、課題を投げかけているかと思います。それをしっかり受け止めて、諦めてしまうのではなく、自分を信じて、2学期のこのスタートに初心に戻り取り組んでください。池江璃花子さんのように、有名か、無名かは関係ありません。脚光を浴びるかどうかも関係ありません。一人一人はかけがえのない存在です。どうか自分を信じて、自分を大事にして2学期を過ごしてください。