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東京都立立川国際中等教育学校

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2023/03/14 タチコクギャラリー

本校の生徒が国際ボランティア留学をしました(その3)

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 令和4年7月31日(日)から8月13日(土)まで、本校5年生の福本彩花(ふくもと さやか)さんがアフリカ大陸にあるタンザニア連合共和国へ国際ボランティア留学に行った時のお話です。

 タンザニア連合共和国のタンザニアの人は、とても優しく 大らかな 人が多いそうです。街を歩いていると、すれ違う人々が 手を振ってくれたり、声を掛けてくれた りした そうです。そんなマサイの人は、「時間」にも とても大らかなのです 。
 ある日、福本さんは、host f amily のお母さんから「迎えは、お昼頃に来る。」と伝えられ たので、 ゆっくりと朝食を食べようと 思っていたそうなのですが、その後、 host family のお母さんから突然「迎えの車が来ているから急いで準備して 。」と伝えられたそうです。福本さんはゆっくりでいいと思っていたのでビックリして 時計を確認したら、まだ10時にもなっていなかったようです。

 また、別の日に、街のレストランで食事をした際にピザを 注文したそうです。注文は店員さんにしっかり伝わったので福本さんはピザが運ばれてくるのを楽しみに 待っていたのですが、 注文したピザが提供されるまでに1時間くらいかかったそうです。 日本では考えられませんがタンザニアは日本ほど問題にはならないそうです。

 福本さんは、これらの体験から「大らか」の意味を考えさせられたようで、人間関係にも「大らかさ」は大切なのではないかと強く感じたそうです。留学後に様々な場面で 、「 周りの人にもいろんなことがあるし、 自分の意見以外にも様々な意見があるのだ。」と思えるようになったそうです。福本さんはこんな心境になれたことで「日々の生活が楽になった 。」と話してくれました。こんな大らかな タンザニアの人たちですが 、福本さんは、マサイスクールの先生に教育環境の深刻さについて 教えてもらったことがこの留学で最も印象に残ったと話してくれました 。福本さんがボランティア活動をしたマサイスクールの児童は、経済的な困窮から1週間同じ洋服を着て登校していたり 、児童がマサイスクールへ徒歩で1時間かけて登校していたりする環境や、 昼食に小麦粉を砂糖と水で混ぜた飲み物を1日1回飲んで済ましている児童がいることを 目の当たりにしました。そこで、福本さんは教育環境にも何か問題点があるかと考えましたが、先生は、福本さんに「マサイの教育は十分にできている。」と話をしてくれたそうです。福本さんは、先生の言葉に驚きを隠せなかったそうです。また、先生は、「教育よりも食糧や文房具などの物資が不足している 。」 ことを強く訴えていました。先生は、「誰かが食糧を寄付してくれたら、その食糧を児童のお母さんにあげて、児童に料理を食べさせてあげたい 。」とも話しをし てくれたそうです。福本さんは、マサイと自分が住んでいる日本を比べた時に、自分が日々感じていることについて心の中で言葉では表し難い感情が 沸き上がってきたそうです。

 福本さんは、今回、 国際ボランティア留学に参加したことで、「楽しかった 」というだけでなく、その国の実生活を垣間見て、自身の見聞を広め価値観を見つめ直すことができた貴重な体験だったことと 、何か自分でできることがあるのではないかと考えるきっかけになったと伝えてくれました。 将来、福本さんは何らかの形で教育に係る仕事がしたいとの夢 がある そうです。このインタビューで見せた表情は、今までの明るく笑顔で体験談を話してくれた表情と一変して、グローバルな視点で教育とは何かを考えて、と自身の将来を模索しているようでした。そんな福本さんが話してくれた国際ボランティア留学で得たグローバルな視点や問題提起する力に頼もしさを感じるインタビューでした。