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東京都立立川国際中等教育学校

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2022/07/28 タチコクギャラリー

7月20日(水) 第1学期終業式 校長講話

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 1学期の終業式に当たり、皆さんに伝えたいことを3点お話しします。1点目は、新型コロナウイルス感染症拡大阻止についてです。

 新型コロナウイルス感染症の流行は、現在、第7波に入っており、19日に厚生労働相が記者会見で、「病床が逼迫する事態が見込まれれば、行動制限を含む実効性の高い強力な措置を講じることになる。」と述べました。コロナウイルスは、現在、オミクロン株の派生型「BA・5」への置き換わりが進んでいて、全国の感染は厳しい状況が続いています。この「BA・5」の感染力は、従来株の1.2倍ほどで、感染力が強く、急速に感染が広がっています。東京都の状況を見てみます。東京都の19日の感染者数は、1万1018人で、都内の感染確認が1万人を超えるのは8日連続です。直近7日間を平均した1日当たりの新規感染者数は、1万1462人で、これは前の週と比較すると

180.6%増です。19日までの感染者数における、皆さんと同じ10代の男女比は、

男性55%、女性45%となっています。

 なぜ、このようなデータを縷々お話ししたかというと、本校でもこの傾向と類似した状況があるからです。BA・5は、感染力が強く、誰でもかかる恐れがあります。だからこそ、ここでもう一度、これまで立国が慎重に誠実に取り組んできたことに立ち返り、全員で守ってほしいと思っています。時節柄、熱中症対策として、マスクを外すことが許容される場面があります。しかし、マスクを外す際、必ずセットになっているのは、「しゃべらない」ということです。例えば、登下校時、友人と歩いていて、周囲に人がいないことから、熱中症防止の観点からマスクを取ったとします。その時、つい、隣の友人と話をしながら歩いていたとしたらどうなるでしょうか。マスクをせずに、近距離で人と話せば、飛沫が拡散します。マスクを常時着用の時には、発生しないことです。

 今一度、私たち立国の一人一人が、基本的な事項を確認し、忠実に守るということに立ち返ることが重要です。熱中症のリスクがあるためにマスクを外している時は絶対にしゃべらない、小まめに手指消毒を行う、自習室や自習コーナーの机・椅子など、皆が共有する場所は使用前と使用後にアルコール消毒をするなど、これまで立国生がしっかりと取り組んできたことを守ってください。

 明日から、夏季休業で、皆さんが様々なことに挑戦し、成長できる大切な期間が始まります。この期間を有意義に過ごせるよう、何としても拡大を防ぎたいと思います。みなさんの意識と賢明な行動が大切です。

 2点目は、夏季休業中の「挑戦」についてです。

 昨日、フィギュアスケートの羽生結弦選手が記者会見を開き、競技会からの引退を表明しました。一部の報道では、大きく「引退」という文字が踊りましたが、羽生選手は、「寂しさは全然ないです。希望に満ち溢れたものだなって自分の中では思っている。」と述べ、競技会という場について、「いろいろ考えたときに、ここのステージにいつまでもいる必要ないかなって思った。」「理想としているフィギュアスケートというかたちを追い求めるのは競技会じゃなくてもできる。」と説明しました。羽生選手にとって、競技会からの引退は、「退く」ということではなく、新たな次のステージへ挑戦することであり、自分の理想を追求するために挑戦し続けることは、これまでと何ら変わらないことを示していました。また、羽生選手は「僕にとって羽生結弦という存在は常に重荷」「自分自身も完璧でいたいと願い、もっともっといい羽生結弦でいたいと思ってしまう。」とも述べています。これは、オリンピックの金メダリストである羽生選手だけでなく、誰もが、自分をどう乗り超えるかという共通した思いであり、誰もがもっている自負心、プライドだと思います。だからこそ、自分自身の成長を求め、自分を超える挑戦をするのだと思います。夏季休業は、そのために使える時間です。自分の夢や理想のために、自分自身の成長のために、そのために必要な勉強のために時間が使えるのは、今しかありません。贅沢な時間です。特に6年生の皆さんは、「これまでで一番勉強した。」と自分の心に言える夏休みを過ごしてください。現役生は最後まで力が伸びるものですが、そのための「知の体力」は、この夏休みに付けることが大切です。

 立国生の魅力はたくさんありますが、その一つに、学ぶことの価値や意義を知っているということがあります。そして、そのことを立国生は大切にしています。それは、皆さんの授業での取組を見て感じました。立国生は、大きく成長できる力をもっている、今のあなた自身を超えていく力をもっています。

 1年生から5年生までの皆さんは、6年生というよきロールモデルがいることを意識して、その6年生に追い付き、そして、超えていくという気概を大切にしてください。年月を経て6年生になるという発想から、6年後の目指すべき自分を具体的に思い描き、そこから俯瞰して今のあなたを見てください。そうすれば、今、あなたがするべきことが見えてくるはずです。6年一貫教育校には、6年後のよきロールモデルが同じ校舎で、皆さんが見えるすぐそばにいるというアドバンテージがあります。6年後のあるべき姿から今の自分を見て、何をなすべきかを考えてください。

 

  ※3点目は、HRで担任から配布された資料について、その目的や意図等の説明のため省略