校章

東京都立立川国際中等教育学校

ニュース

2020/12/19 タチコクギャラリー

12月14日(月)前期課程朝礼 校長講話

「皆さんは定期考査前の学習で多くの知識を身につけたと思います。そこで得た知識は大切です。しかし、与えられた知識は借りものです。頭の動きによる思考は自力によるものです。知識と思考は別物です。知識という土台の上に、知的活動である思考があります。以前に『グライダー能力と飛行機能力』についてお話しました。『エンジンを積んで自分の頭で考え、自力で飛びまわれる飛行機型の人間こそ、これからの時代に必要です。』とお話ししました。知識というエンジンを積んで、自力の頭で考え自力で飛行することが大切です。これからは、そのような学力が求められます。新しい学習指導要領では『探究』が導入されます。大学入試もこのことに基づいて改革が進んでいます。
3年生の総合的な学習の時間の『EdTech』の取り組みは、各自が興味・関心のある事柄について、自分で仮説を立て、データに基づいて検証し、考察するというものでした。生徒の皆さんの発表の中には『これは凄い。』と唸らせるものもありました。日常の課題から、思考する習慣を身につけましょう。
さて、ドイツのメンケル首相のコロナ対応の演説(12/9)が有名ですが、それとは別のコロナ対応に関する演説『寄り添う力』の一部を紹介します。
今、私たちの『寄り添う力』が試されているように思います。感染者に、その家族に、病院などで頑張ってくれている医療関係者に、私たちの暮らしを支えてくれている物流や小売りの現場の方々に、お客さんが来なくて困っている地元のお店やレストランに、その他今回のコロナ危機で暮らしも危機に瀕している方々に。3.11(東日本大震災)も大変な危機的状況でしたが、その時は『被災者を支えよう。』という動きがありました。新型コロナウイルス感染症の現状も危機的状況です。誰もが感染する可能性があり、不安で先の見えない中で、疑心暗鬼になったり、自己防衛本能から感染した人を責めたり悪者扱いしたり、という状況もあるようです。
今、私たちに必要なのは、力を合わせて出来るだけ感染の広がりを抑えること、そして不幸にも感染してしまった人々やその家族を支えることではないでしょうか。人を責めたりしていても、感染の広がりを抑える役には立ちません。感染者は好き好んで感染したわけではありません。誰もが感染してもおかしくない状況で、たまたま感染してしまっただけなのです。物理的な距離は取らなければなりませんが、心の距離は縮められるはずです。心は寄り添い、励まし、支えることができるはずです。立国生には『寄り添う力』があると信じています。」