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2024/08/02 学習活動・探究活動
京都大学生存圏研究所を訪問!
8月1日、本校の生徒8名で、京都大学生存圏研究所の矢野 浩之 特任教授 全面協力の下、宇治キャンパスにてセルロースナノファイバーの現状と将来展望について学び、研究室を訪問いたしました。
前半は、セルロースナノファイバーの製造と利用を軸に、矢野特任教授に講義していただきました。
日本では毎年人工林が増えているのに、二酸化炭素の吸収量が減少していることを考察させてもらったり、ポリエチレンの構造と伸びきり鎖状結晶の違いについて丁寧に説明していただいたりしました。
また、セルロースナノファイバーを実際に触らせてもらい、その硬さを実感したり、乗用車への利用や食品、シューズへの利用について、動画や実物を使って生徒たちに五感を使わせながらの講義をしていただきました。
講義の最後には、
- 自身の研究に興味があり、面白いと思えることが最も大切である。
- 好きなことに対して人は敏感になることができ、イマジネーションからイメージトレーニングを繰り返すことができる。
- そこから新たな創造が生まれてイノベーションを起こすことができる。
といった、最先端の研究をされている矢野特任教授だからこそ、生徒たちの胸に刺さる助言をいただき、研究者の卵としての本校生徒たちの研究心に火がついたようでした。
後半は、NCV(Nano Cellulose Vehicle)プロジェクトで作成されたセルロースナノファイバーの乗用車を見学させてもらったり、研究室を訪問させてもらったりしました。
最後に、日本の古い寺社の木材(京都、奈良を中心に)や法隆寺五重塔の心柱の円盤を展示した”材鑑調査室”を見学させてもらいました。
ここでは、歴史的な建造物と物理、化学、生物、地学に関する知識と考え方が融合した研究が行われていました。
文系・理系に偏ることなく、文理を融合させた幅広い知識や考え方が高校段階でも必要であることを生徒たちは実感していました。
本校の生徒たちは、日々、理数探究や課題研究の時間で各々の研究をしていますが、世界最先端の技術に触れると共に、そこで活躍される研究者と議論を交わすことで、研究に対する姿勢や考え方が大きく変わる一日となりました。
改めて、矢野 浩之特任教授や関係の先生方、ならびに京都大学広報委員会の皆様に御礼申し上げます。