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2022/12/14 学習活動・探究活動
創造理数科企画 「画像認識とWebビッグデータ」講演会
令和4年12月7日(水)午後、電気通信大学 Ⅰ類 メディア情報学プログラム 柳井 啓司 教授 にお越しいただき、Web上の大量画像データを活用する画像認識を中心とした人工知能(AI)の研究についてご講演いただきました。
冒頭、大量のラーメンの画像が表示され、ディープラーニングによるモバイル食事画像認識技術など、興味深い活用事例が紹介されました。
2015年計算機による画像認識能力はついに人間を上回り、画像内容を言語で記述することが可能になったといわれ、今までの手法では難しかったことが、ディープラーニングで可能になったということが、実例などとともに紹介されました。ディープラーニングの仕組みや深層学習の方法、学習の考え方などについて、一般的な説明より一歩踏み込んだ内容をわかりやすく説明していただきました。学習画像の準備は人手で行うこと、学習に1週間以上かかることなどに驚く生徒も多数いました。
大学での学習・研究の様子だけでなく、研究室の様子なども紹介され、特に情報系の進学を考えている生徒にとって、これから何に重点を置いて学ぶべきかを考えるきっかけになったと思います。特に、ディープラーニング関係はPythonを用いてプログラミングするとのことで、授業で学ぶだけでなく、さらに学ぶ必要を感じたと思います。
【生徒の感想より】
- 論文は英語で記述するが、AIの発達により高度化した自動翻訳を使うと、場合によっては自分で書くよりも質の良い文章になる。このような機会では自動翻訳などコンピュータの技術を生かしつつも、人とのコミュニケーションでは会話力が必要となるため、英語の勉強というのはいつの時代になっても大切なことだと思った。また、今後コンピュータの性能が人間を圧倒するようになっていく中で、人間として持てる良さやスキルは何かを考えていくことが大切だと考えた。
- AI が日々行っている、人間が到底行えない膨大な量の深層学習のお陰で、短期間のうちに著しい発展を遂げられている、このことを本質的にとらえることができました。まもなく人の手の制御をかわせるようになるであろう AI と共存していく中で、果たしてわれわれ人間は、人間らしさを保っていけるのだろうか・・・。誰にも予想できない未知の状況にかすかな不安を抱く一方で、今後の進展に対する期待もありそうです。とても価値ある 2時間になりました。
- 情報工学を大学で研究するとき、”実験”というのはプログラムを作成して実行、検証、改善などをすることであり、その際にはプログラミングのスキルが重要であるとおっしゃっていた。このことを受けて、今現在学習しているPythonなどのプログラミングの大切さを改めて感じた。
- AIがカロリーを計算してくれたり、文字を入れると画像を作成してくれる技術の研究の過程を紹介していただいて、そこが一番印象に残った。以前から自分で興味を持っていた、シンギュラリティー、Xdayについての話も聞けて良かった。
- AIという単語自体はよく聞くようになったけどさまざまな分野で使われているので詳しい使われ方は知らなかったので人間が手作業でビッグデータを集めなければいけないということは初めて知り驚きました。
- 画像処理は身近になってきているので、とても充実した講演だったし、理解しやすかった。また、AIの学習に時間がかかるというのが意外だった。
- 基本計算と記憶しか出来ない機械も、膨大な量のデータと適切な解析方法さえあれば人間を超える分析・判別能力を発揮することができると分かった。難しいということは分かっているが、どのように画像データを分析、分類しているのかが知りたいと思った。 実際に使っている所の実演も見てみたかった。
- 今回の講演会では実際の映像を交えながら、講義をしていただきとても理解がしやすい内容でした。特に無人レジのお話は技術を生活の中でよりよく生かす例としてとても印象に残りました。電気通信大学のことに関しても多くのことを知ることができ、とても貴重な時間でした。
- 自分も人工知能を少し扱ってきたので画像識別時のアノテーションやバウンディングボックスなどのトリミングの大変さが懐かしく感じられました。
- 実用例を動画や画像で見られたので、分かりやすかったです。また、チャットを使った質問ができるのが、疑問に思ったことをすぐに、解決できるのでよかったです。今回の内容ではAIを使ったレジに1番興味を持ちました。データをたくさん与えることで瞬時に判断できる技術はすごいなと思いました。研究を進めていく上でもデータ量が大切だと、学びました。
- 情報系に弱く、今回の講義が理解できるか不安だったが、とても面白かった。ラーメンやコンビニなど例が分かりやすく、とても興味深いものだった。今まで、情報系を進路として考えたことはなかったが、選択肢の一つとしての幅が広がった。研究において、英語が必要であることなど、課題研究に活かせること知れて良かった。