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2022/10/14 学習活動・探究活動
創造理数科企画 「海の物理入門」
令和4年10月8日(金)に国立極地研究所・国際北極環境研究センター・特任研究員の丹羽淑博先生をお招きして、「海の物理入門」というテーマで講演していただきました。
地球規模の現象について、その現象を過去の観測データから未来を予測するということから、数値シミュレーションが活用されていることを学びました。実際にワークショップでは数値シミュレーションを自分たちのコンピューターを用いて行い、その結果から波の速度を調べたり、水槽に水を入れ、水深の違いによる津波の速さの変化を演示実験により調べたりして、津波という自然現象を、科学的な視点で考え、学ぶことができました。
また、北極圏の氷の様子などを観測したデータを見て、そこから読み取れることを意見として、出すという活動を行いました。たくさんの意見を出していく中で、氷河の大きさについて考えている生徒や、海面の氷(流氷)の動きについて着目している生徒など、さまざまな意見の中で、自分の気づかなかった観点で物事を考える大切さを学びました。
今回のワークショップでは、これまでに学習した知識のほかに、これから高校・大学の物理で学ぶ、法則や現象を使って、地球規模の自然のメカニズムを解析するといった、体験をすることができ、難しい中でも、活発に活動ができたと思います。
【生徒の感想より】
- 新しい手法で問題に取り組むという研究方法が参考になった。難しい内容だったが実験やExcelで視覚的に要旨を掴めた。
- 数値シミュレーションで用いられている、過去と現在から未来の値を予測する仕組みがとても画期的だったことが印象に残った。水槽の波や、北極圏の氷河の観察など、身の周りに研究の対象が多い物理学ならではの興味関心が出来たが、それらの研究も既存の物理公式を用いている。今日紹介された公式で理解できる物は今の所少なかったが、日々の勉強で学習をしていく事が大切であり、その後に研究にも生きる事がよく分かった。
- 課題研究につながる話が多くて自分の研究に活かそうと思いました。最後の資料の読み取りは少しの資料から多くの情報が手に入ることがわかりました。
- 津波の予測は、地震の多い日本では重要なことで、その基盤に触れられたことは有意義でした。未来を予測するのはとても楽しそうでした!
- 全然知らない単位が出てきてから、難しくてよくわからなかったので、日常学習の重要性を感じました。津波の威力も計算によって求められる言うことを知っておどろきました。波の実験がとても面白かったです。
- グラフをみたり実演したりして、必要なデータさえあつまればコンピューターで再現が可能で、そこから分析ができることが分かった。個人個人がなんでもいいからとりあえずたくさん意見を出すことから、想像以上に新たな意見や面白い意見がでたのを体験して、ブレーンストーミングが大切であることも分かって面白かった。
- 実験と理論だけでなく、数値シミュレーションを合わせて考えることでより深い研究につながることが分かった。また、北極の氷河のビデオと北極点の地図を見て気づいたことを挙げていく活動を通して、偏見なくデータを見ることの大切さと、なんでも良いので気づいたことをそのままにしておかないで、自分なりに答えを見つけようとしてみることの大切さを理解できた。