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2025/03/06 学校生活・行事等
令和6年度東京都立篠崎高等学校第46回卒業式を挙行いたした。
3月4日(火)に本校体育館にて、令和6年度東京都立篠崎高等学校第46回卒業式を挙行いたした。
卒業生 入場 担任の先生を先頭に卒業生が入場します。
少し緊張した感じで卒業生が入場してきました。
卒業生による 校歌斉唱
卒業証書授与 各クラスの生徒呼名の後に、クラス代表の生徒が校長より卒業証書が授与されました。
代表生徒は緊張しながらも、卒業証書の授与の所作を丁寧にしていました。
代表生徒の卒業証書の授与の所作にあわせて、クラスの全員が一礼をしています。
校長式辞(主な概要)
卒業証書を授与しました243名の皆さん、ご卒業おめでとうございます。心よりお祝い申し上げます。
皆さんは長く、辛いコロナ禍の状況の中でも、笑顔を絶やさず現実を受け止め、「仲間と一緒に協力すること自体を楽しみ、様々なチャレンジを最後まで続ける力」を身に付けてきました。
篠崎高校の生徒の良さは仲間思いで仲間のためには、労を惜しまず、相手の立場に立って一緒に悩み、物事の解決策を一緒に考え、その実践を楽しんでしまえることだと思っています。
皆さんは「篠崎高校の卒業生」という「伝統のタスキ」を受け取ることになりました。「伝統のタスキ」、そうです、駅伝と一緒です。このタスキは、受け取った以上、自分の活躍する分野で、「篠崎プライド」「篠崎ブランド」を発揮することが大切となってきます。「篠崎プライド」とは、「篠崎高校を卒業した」という自尊心です。篠崎ブランドとは、篠崎高校を卒業した皆さんの頑張りになります。篠崎高校卒業という「篠崎ブランド」は既に一万二千人を超える卒業生と令和8年度に創立50周年を迎えるという伝統が、皆さんを支えてくれています。どうかその「篠崎プライド」と「篠崎ブランド」に磨きをかけて、それぞれの進路での活躍を祈念しています。
そこで、篠崎高校卒業という「篠崎プライド」をさらに高めるスキルについてお話しします。
篠高の「し」 「信頼される人」になることです。
「信頼される人」になるためには、「時間と約束を必ず守ること」「聴き上手になること」「発言と行動を一致させること」が大切です。
篠高の「の」 「NOと言える勇気を持つことです」篠高の生徒は、人にものを頼まれると「NO」と断ることができない人が多いような気がします。「いい人と思われたい欲求だけで、「NO」ということができない自分からは卒業するようにしましょう。
篠高の「こ」 「事の本質は何かを見抜く力を養うこと」です。事の本質とは本当に一番大切なことは何かを考えることです。
物事を進める時、言われたことだけをやるのではなく、この取り組みで一番大切なことは、何かを自分で自分に説明する習慣を身につけましょう。また、本当に一番大切なことはこういうことですよねと確認することで、事の本質を見抜く力が身に付いていきます。
篠高の「う」
ウキウキ・ワクワクすることのできる自分を作っていくことです。自分のやるべきことに対して、あんな風にできるかな、それともこんな風にやったらもっと面白くなりそうだなとか・・・自分をウキウキ・ワクワクさせると、何事にも前向きに取り組むことができ、その姿は周囲の人々を勇気付けることに繋がります。そう簡単にウキウキ・ワクワクできないよと思う人がいると思います。そんな人はこれを片付けけたら、おいしいものを食べにいこう。今週中にあれをやり遂げて、週末には友達と一緒にでかけようというウキウキ・ワクワクでいいのです。ウキウキ・ワクワクする自分を作って、先の読めない社会の中でも明るく心豊かによりよく生きる自分をつくっていってください。
「し」、「の」、「こ」、「う」の言葉で、卒業生に皆さんに校長の思いをお伝えしました。もう一つ、皆さんにお願いがあります。それは、素直に感謝の気持ちを伝えることのできる人になってほしいということです。誰に卒業の感謝の気持ちを伝えるのか・・・・私は、照れや恥ずかしさもあると思いますが、是非、保護者や家族のみんな、そして担任の先生や部活動の顧問の先生に、今日、私は篠崎高校を無事に卒業することできました。本当にありがとうございましたと自分の言葉でしっかりと伝えてほしいと思っています。そうすることが自分で篠崎高校を卒業したという宣言と感謝の気持ちを持ち続けて生きていく大きな一歩になると思うからです。是非、実践してみてください。
最後になりましたが、保護者の皆様方には、この3年間、新型コロナウイルス感染症等の対応をはじめ、ご家庭におかれましても様々なご苦労があったことと思います。そんな中、お子さまのご指導、本校の教育に対する多大なるご協力、ご支援をいただきましたことにつきまして、心より御礼申しあげます。本当にありがとうございました。
卒業生の皆さんの前途に幸多からんことを心よりお祈りして、式辞といたします。
令和7年3月4日
東京都立篠崎高等学校 校長 長野 泰明
在校生送辞(全文) 在校生代表 稲葉 康月 さん
春の光が優しく降り注ぐこの佳き日に、ご卒業される皆さん、誠におめでとうございます。今日の輝かしい旅立ちを、心からお祝い申し上げます。
今、皆さんの胸には、どのような想いが浮かんでいるでしょうか。たくさんの仲間や、支えてくださった先生方との出会い、勉強や、部活動、学校行事、仲間と喜びを分かち合い、ともに涙した日々。
私の先輩との初めての思い出は、入学して間もない放課後のことでした。自動販売機の前で、何を買おうか悩んでいた私に、二人の先輩が「これ、おいしいよ!」と声をかけてくださいました。まだ学校に慣れず、友達も少なかった私にとって、その何気ないやさしさが、胸にとても温かく感じられたのを覚えています。
高校で初めて、学年の垣根を越えて、三学年が一丸となる瞬間を味わった体育祭。円陣を組んで士気を高め合い、競技中は全力で応援し合いました。終了後には先輩方と一緒に写真を撮ったり、談笑したり。とても楽しく、今でもまるで昨日のことのように感じられます。
篠高祭では、工夫に富んだ様々な企画や誰をも引き込む紹介動画、各部や有志によるパフォーマンスなどの舞台発表。どれをとっても、本番に向けて重ねてきた努力が伝わり、胸が熱くなりました。
部活動では、先輩方と良い関係を築けたことに感謝しています。私が所属した卓球部では、先輩方が皆優しくフレンドリーで、いつも楽しく充実した時間を過ごせました。大会では、共にチームを組んで全力でプレーし、全力で応援しました。皆で力を合わせて良い結果を残せたときの達成感は、今でも忘れられません。きっと、どの部活動でも、このような良い思い出が、たくさんあるのではないかと思われます。
先輩方は、よく私たちに温かい言葉をかけてくださいました。生徒会役員選挙のときも、普段の学校生活でも。少し不安で自信を失っていたとき、先輩方の声は、私たちの大きな心の支えとなりました。
思い出は尽きません。流れる時間の中で、常に私たちを導き、よき手本となってくださいました。多くを学ばせていただき、かけがえのない財産を得ました。これからは私たちがこの篠崎高校を背負って立ちます。先輩方に恥じぬよう、いっそう発展させていく所存です。
さて、皆さんはこれから新たな道を歩み始めます。その道はお一人お一人に相応しい、輝かしいものになることと信じています。先の見えないこの社会で、ふと立ち止まったり、迷ったりすることがあるかもしれません。そのようなときは、この篠崎高校で出会った友人、先生方、私たちのことを思い出してください。先輩方の背中をそっと押してくれるものと信じています。そして、自分だけの道を力強く歩み、切り開いていってください。最後に、皆さまのこれからのご活躍とご健康を心よりお祈り申し上げます。以上を持ちまして、送辞とさせていただきます。
令和七年三月四日
在校生代表 稲葉 康月
卒業生答辞(全文) 卒業生代表 山田 裕香 さん
教室の窓から見える風景にも春の気配を感じる季節となりました。
今日で、通学路にある桜の木やハナミズキの木、バス停を見るのも最後となります。
本日は私達243名のために心温まる式を挙行して下さり、卒業生を代表し、心より感謝申し上げます。
そして、三年間私達の可能性を伸ばし続けてくださった教職員の皆様、十八年間誰よりも私達の成長を喜び、見守ってくださった保護者の皆様、
また、お忙しい中、私達のために本日ご臨席頂きました皆様に、重ねて、御礼申し上げます。
三年前の入学式。私達は真新しい制服に袖を通し、これからの高校生活に期待と少しの不安を抱き、緊張した面持ちでこの体育館の席に座っていました。
私達は中学校二年生から高校一年生までの三年間、新型コロナウイルスの影響を強く受けた学年です。世界では新型コロナウイルスの感染防止のため、
マスクの着用が当たり前であり、高校生活は、先生や友人の目元しか見えず、表情が分からない状況でのスタートでした。自席で前を向いて食べた昼食。
何をするにも必要だったアルコール消毒。制限の多い毎日でした。
一年生の六月、マスクの着用の中行われた初めての体育祭。予定されていた競技も天候の悪化で中止となりました。最後の写真撮影で、皆の笑顔を見ることができたときは、とても嬉しく、今でも印象に残っています。
九月の文化祭での飲食の販売禁止などは、私達が想像していた高校の文化祭とは、大きく違う景色でした。
二年生からは多くの行事を経験することが出来ました。横浜への遠足、体育祭、文化祭。何より、中学生の頃には多くの人が体験できなかった修学旅行。
修学旅行では、まず広島を訪問しました。戦争体験者から直接お話を伺い、これからの生き方について考えさせられました。次の向かった大阪では、
ユニバーサル・スタジオ・ジャパンで、友人とのかけがえのない時間を過ごし、楽しい思い出の一つとなりました。新型コロナウイルスによって、
なかなか希望の持つことが難しかった私達にとって、一番星のように心に刻まれる3泊4日でした。
そして、高校三年生、卒業の年。受験までの長いようで短い時間は沢山の先生方に相談、面接練習、小論文の添削などさまざまなご指導を頂き、
本当にお世話になりました。卒業後の進路に向け自分と沢山向き合った年でもありました。卒業が近づくにつれ周りから「合格した!」という声が
聞こえてくるたびに焦りや不安の気持ちが芽生えたことを覚えています。
受験が終わり、「合格」という文字を見た時、幸せと共に、努力した甲斐があったと思えました。何より、家族や先生方が自分の事のように喜んでくださったことが本当に嬉しかったです。
そして、今日は高校生活最後の行事である卒業式、今までで一番早く感じた三年間にピリオドを打ちます。
私は幼い頃から続けてきた和太鼓を高校生活でも継続し、厳しい練習にも諦めずに仲間と共に乗り越え、最終的に優勝・全国大会出場という結果を残すことができました。
ここで学んだ努力の大切さを次世代の子供達に伝えたいと思います。
また、私は生物基礎の授業中、先生がおっしゃった「授業を通じて、命の尊さを学んで欲しい。人がこんなに複雑にできていることに感動すると思う。」という言葉が忘れられず、高校教師を目指すことにしました。将来教壇に立った時には「命の尊さ」を伝えられる大人の一人になりたいと思います。
私達は地球規模で見ると、一人一人は細胞のように小さな存在かもしれません。
細胞のような私達は周りから影響を受けるだけではなく周りにも影響を与えることができる存在です。たった一つの細胞でも大きな影響を与えることができるのですから、243名であれば、想像の出来ない程の影響力となるでしょう。
私達は篠崎高校を卒業したあと、視野を広げ、物事を決め付けず、素晴らしい影響を社会にもたらし、新たな社会を担う人になります。この先、それぞれの道に進んでいきますが、まだまだ成長する私達をこれからも見守り、応援してくださると幸いです。
在校生の皆さん、これまで私達が刻んできた篠崎高校の歴史の一ページの続きを、これから皆さんがどのように綴っていくのか楽しみです。
最後に、私達が誇る母校篠崎高等学校の益々のご発展と、ご臨席頂いている全ての皆様のご健勝とご多幸を祈念して卒業生代表の答辞とさせて頂きます。
令和七年 三月四日
東京都立篠崎高等学校
卒業生代表 山田 裕香
卒業生退場
篠崎高校を卒業したという「篠崎プライド」を胸に、卒業生がそれぞれの進路に向かって、新たな一歩を踏みだしていきました。