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2026/01/27 校長室だより

校長室だより「言葉を学ぶということ」令和8年1月27日

 年が明け、いよいよ「受験」シーズンとなりました。本校生徒も、各自の希望進路に向け、自らを高め続け、挑戦しています。また、本校でも「推薦に基づく選抜」が実施され、多くの中学生の皆さんが受検に来てくれました。令和8年度入学者選抜では、72名の募集に対し139名の応募があり、倍率は1.93倍となりました。
 自分の進路を決めるに当たり、自分の興味・関心や得意なこと、将来の夢など、いろいろなことを考えたと思います。考え抜いたうえで本校を選んでもらえたことを嬉しく思います。

 本校は「総合学科」という学科で、「普通教育及び専門教育を選択履修を旨として総合的に施す学科」、つまり、国語や数学などの普通教科と家庭、情報、体育、美術などの専門教科を自分で選んで学ぶ学科です。生徒が自ら学ぶ内容を決めて学びます。どの高等学校でも必ず学ばなければならない「必履修科目」と、総合学科で原則履修する「産業社会と人間」(本校では「キャリアデザイン」)以外は、基本的に生徒が自由に選択します。
 ですが、本校では、「必履修科目」以外でも、必ず全員に学んでもらう科目を設定しています。それは、国語と外国語(英語)です。国語は1年次で学ぶ「現代の国語」(2単位)と「言語文化」(2単位)、英語は、1年次で学ぶ「英語コミュニケーションI」(3単位)のみが「必履修科目」ですが、本校では、それらに加え、1年次の英語「論理・表現I」、2年次・3年次の「論理国語」、2年次の「英語コミュニケーションII」、3年次の「英語コミュニケーションIII」を必ず学ぶ科目(学校必履修科目)としています。

 国語と外国語が何を目指しているのか、法令(高等学校学習指導要領)では、次のように定めれています。

 「我が国の言語文化の担い手としての自覚」や「外国語の背景にある文化に対する理解」などの記述から、その言葉を使えればよいというだけではない、ということが分かると思います。国際理解教育を推進する本校としては、これらの力をより一層身に付けて社会で活躍してほしいと願っています。

言語の研究

 学校で学ぶ言語は、既に誰か(先生など)がその言語を知っていて、それを教えてもらっています。しかし、誰も知らない言語を理解しようとしたら、どのようにするでしょうか。身振り手振りで「あれは何だ」と聞き続けて、語彙を増やすのが第一歩でしょう。
 しかし、教えてもらったものをどのように解釈するかが問題になります。
ガヴァガイ
 草原にうさぎがいました。ウサギのことを何というのか現地の人に聞こうと思って、ウサギを指さしたところ、現地の人は「ガヴァガイ」と答えました。このとき、「ガヴァガイ」とは、

など、どれを意味するのでしょうか。このままではどの意味なのか特定することはできません。どのようにして知らない言葉を学んでいけばよいのでしょうか。

 同じようなことが、赤ちゃんが言葉を学んでいく過程でも見られます。

 例えば、赤ちゃんのお母さんが、自分の指さして「おかあさん」と発声しても、赤ちゃんにとっては、それが「お母さん」なのか、「人間」なのか、「女性」なのか、「顔」なのか、「鼻」なのか分かりません。さらに言えば、「おかあさん」という音を聞いても、それが「おかあさん」「お・かあさん」「おか・あさん」「おか・あ・さん」と、どれがひとまとまりの言葉なのか分かりません。

「英語のシャワー」と赤ちゃんの言語習得

 英語の学習法として「英語のシャワー」というものがあります。意味が分からなくてもいいからとにかく英語を聞き続けるというものです。この学習法に対しては賛否どちらの意見も聞きますが、ここでは、赤ちゃんが言葉を聞いているという状況で考えてみましょう。
 どこで生まれた赤ちゃんも、親やまわりの人が話す言葉を聞いて育ちます。例えば、次のような音(声)を聞いたとき、赤ちゃんにはどのように聞こえるのでしょうか。

ツピロゴラブビダクパゴチゴラブパゴチビダクツピロビダクゴラブツピロ
(針生悦子「赤ちゃんはことばをどう学ぶのか」より)

 意味のない音の羅列ですが、何回も聞いていると、繰り返し出てくるひとまとまりのもの(「ツピロ」「ゴラブ」「ビダク」「パゴチ」)があることに気づきます。このようにして、徐々に「単語」の存在を把握します。なので、日本語の「蚊」のような1音の単語は単語として認識するのが難しく、小さい子どもは「蚊に刺された」を「かにさされた」「かにさされた」などとよく言い、「蚊に」「蚊が」にように頻繁に連続する音でひとまとまりの単語ととらえてしまいます。

 英語のシャワーも、より効率がいい学習法があるかもしれませんが、聞いているうちに単語が聞き取りやすくなるようになるかもしれませんし、たとえば「arriveとatって、よくセットで聞くなあ」というように、熟語の理解が深まるかもしれません。

漫画とゲームで言語研究に触れる

 ここで、ことばの研究につながる漫画とゲームを紹介します。楽しみながら学んでみてください。