校章

東京都立農芸高等学校

卒業生紹介

前迫 晃一の写真

食品科学科 2002年度 平成14年度卒業

前迫 晃一
石川酒造株式会社 製造部長杜氏(日本酒醸造責任者)(酒造技能士一級、発酵科・職業訓練指導員、ものづくりマイスター+DX(酒造)(日本第1号)

 中学生の皆さんへ、私の話が少しでも進路選択の助けになればと思います。

 私は現在、石川酒造(日本酒の商品名:多満自慢・・・たまじまん)という日本酒作りの会社で、製造部門のトップとして働いています。

 日本酒とは、お米を使って、微生物の助けを借りて作る、アルコールの飲み物です。秋に、お米が収穫されてからそのお米を使って、日本酒造りが始まります。その後、次の年の桜が咲く頃には新しいお酒が完成します。このように、1年に1回のペースで、日本酒は造られています。

 この仕事は目に見えない微生物を使って、ものを作るというのが不思議な感覚であり、面白いところです。微生物は日々いろいろな姿を見せてくれますので、毎日楽しく働いています。

 農芸高校を選んだ理由は、本当はパティシエになりたかったのでここを選びました。しかも、中学生の頃の私は、うっかりしていて、食品を教える専門高校ならどこでも、調理師やパティシエになれるものだと勘違いしていました。勘違いのまま、農芸高校の食品科学科を受験し、入学しました。

 最初は、勘違いしていたことが入学してすぐにわかり、ショックを受けましたが、他校へ行くのはあきらめつつ、そのまま通学し始め、卒業後にパティシエの専門学校にでも行けばいいや、と考えを切り替えました。そして、何かの役に立つだろうと思いつつ、通学し続けました。

 その後、農芸高校2年生のときに、発酵(微生物を活用した食品)の授業をうけて、雷に打たれるような衝撃を受けました。砂糖水の中にスーパーでも売っているドライイーストを、ただ溶かしただけの水が、授業の終わり頃(40分前後)にはアルコール水へ変化し、しかも「君たちは飲んではいけないよ」と言われました。そして、目に見えない生き物の、物質を変化させる力に驚いたのと同時にわくわくする気持ちが生まれました。それがスゴく私にとって衝撃的な出来事となりました。そこからは、もう、パティシエのことは忘れ、微生物にのめり込んでしまいました。その後は、味噌やワインの醸造に関する製造実習も経験し、満喫した3年間となりました。

 中学生へのアドバイスとしては、自分の楽しいなという思いを突き詰めて、やりたいとことをひたすら頑張ってください。その気持ちを叶えられるのが農芸高校の食品科学科だと思います。

2022年度 園芸科学科卒業

栃木県農業大学校 農業生産学部 農業総合学科作物野菜専攻 2年

  • あなたにとって「農芸高校」を一言で言い表すと?
    出会い
  • 高校時代のことを教えてください。(どのように高校で過ごしていましたか)
    メリハリをしっかりして、楽しく友達と毎日笑って過ごしていました!
  • 進路の決め方、進路活動で苦労したことを教えてください。
    進路の決め方は自分のやりたい事ができる所。苦労した点は、オープンキャンパスで兵庫や栃木に行ったこと!
  • 農芸高校で学んで良かったと思うことは何ですか。
    農業!手に職をつける事で、地方に行ってもその知識が役に立っているので!
  • 今の自分のことを教えてください。(どのようなことに取り組んでいて今後の夢は何か)
    就活に取り組んでいます!今後の夢は、農業の道から離れ葬祭関係の仕事につく事です!
  • 志望校選択で悩んでいる中学生に伝えたい農芸高校の良さは何ですか。
    人と食の大切さを学べる学校です。農芸で学んだことは、地方に行っても役に立ちます。将来的に農業に就きたい人はおすすめです!

2022年度 園芸科学科卒業

日本獣医生命科学大学 応用生命科学部 動物科学科 2年

  • あなたにとって「農芸高校」を一言で言い表すと?
  • 高校時代のことを教えてください。(どのように高校で過ごしていましたか)
    都立で唯一とされる馬術部に所属していたため、部活動中心の生活をしていました。
    毎日朝早くから馬の世話をしたあとに1時間目から実習があることも多く、忙しいと感じましたが、勉強も怠らず常に上位を取れるよう努力していました。
  • 進路の決め方、進路活動で苦労したことを教えてください。
    高校を決める前から動物の栄養学について研究できる大学に進学すると決めていたため、大学選びで苦労はしませんでしたが、その大学へ進学するための推薦をもらうために内申点をキープすることは苦労しました。
  • 農芸高校で学んで良かったと思うことは何ですか。
    農業をすることの苦労もそうですが、馬術部で馬と毎日過ごし、命を預かるという責任感を学んだ3年間だったと感じます。言葉が通じないからこそ常に馬に寄り添って馬からよく学ぼうと思い、部活動に取り組んでいました。この経験は現在だけでなく今後も私に大きく影響すると考えています。
  • 今の自分のことを教えてください。(どのようなことに取り組んでいて今後の夢は何か)
    現在は牛や鶏、豚など家畜動物に関して研究できる大学で、動物栄養学などを学んでいます。今後は国家公務員資格や家畜人工授精師、飼料製造管理者など、様々な資格の取得を目標とし、研究に励もうと考えています。
  • 志望校選択で悩んでいる中学生に伝えたい農芸高校の良さは何ですか。
    農業を実際に体験して学べることです。野菜や花に関する知識を身につけたり、自分が興味を持ったことを研究できる課題研究に取り組んだりなど、普通科ではなく園芸科学科だからこそできる経験が多くありました。もし志望校で悩んでいるのなら、ぜひ一度農芸高校に足を運んでみてください。受験勉強応援しています。

2022年度 緑地環境科卒業

宮内庁 管理部 庭園科

  • あなたにとって「農芸高校」を一言で言い表すと?
    学びと経験
  • 高校時代のことを教えてください。(どのように高校で過ごしていましたか)
    勉強と部活や専門科の実習などの両立を心掛けて過ごしました。
  • 進路の決め方、進路活動で苦労したことを教えてください。
    進路の勉強を始めるタイミングと職業を選択することに苦労しました。
  • 農芸高校で学んで良かったと思うことは何ですか。
    普通科では学べない実習の授業があったことです。
  • 今の自分のことを教えてください。(どのようなことに取り組んでいて今後の夢は何か)
    公務員として働いています。自然に関わるお仕事ですが、今後はより多くの技術や知識を身につけ自分のものにしていきたいと思います。
  • 志望校選択で悩んでいる中学生に伝えたい農芸高校の良さは何ですか。
    自然に触れる機会が多く、たくさんの事に挑戦する機会があることです。