卒業生紹介
令和3年3月卒業
近 恵里奈
東京大学文科1類在学中
大学受験を終えた今、一番強く感じていることは、入試制度改革や新型コロナウイルスの流行で「今年の受験生は大変だ」と心配される状況にあっても、私たちが安心して勉強を進めることを可能にしてくださった西高への感謝です。入試制度改革では度々変更がありましたが、西高の授業では、問題の形式に関わらず柔軟に対応できる根本的な学力が十分に養われました。そして、コロナ禍にあっても生徒の学びの場を確保しようと、毎朝の消毒から講習の実施やオンラインでの添削まで、先生方が大変ご尽力してくださいました。困難と思える状況にあっても、生徒の学びのために工夫し、前向きに対応して下さるのが西高の先生方です。
さて、西高では、文系・理系ともに部活動や授業外の講習、プログラムが充実していて、特に2年生までは文系・理系の枠にとらわれず幅広い分野の見識を深める環境が整っています。私自身、文系分野ではディベート部として大会に出場したほか、模擬裁判選手権や “日本の近代を歩く”という企画に参加して、法律や歴史について学びを深めました。理系分野では生物部で研究を行ったほか、三宅島や高尾山での植生観察に参加し、自分の五感を駆使して学びました。私は高校時代、このように幅広く勉強したことで文理とも大好きになって、進路を選択する時は大変迷いましたが、得られた幅広い経験は自分の宝物になっています。
このように西高は、多様な分野を深く学ぶ環境が整っています。しかし、それを積極的に活かせるかは皆さん次第です。ぜひ西高の素晴らしい環境を最大限に生かして、視野を広げていってほしいです。
私は西高で、尊敬する先生方とかけがえのない友達に出会えました。みなさんも西高で、専門分野に大変な情熱をもっていらっしゃる先生方を質問攻めにして多くの知識を吸収してください。時には切磋琢磨し、時には支え合う友達と、濃い時間を過ごしてください。
令和3年3月卒業
高石 柚哉
京都大学工学部在学中
長き世紀の中葉の茨なす歴史の野辺にわれらぞ立つ。歴史というと既に通り去った時代を思い浮かべがちですが、この一文は歴史を未来まで恒久に続く線になぞらえ、そのほんのわずかの断片において時代に翻弄されながらも強い志を持って懸命に生きる私達を描写しているように感じられます。数十年、或いは数百年向こうを望むようなこの文は、西高学友歌の冒頭部です。将来役立つ計画的なキャリア指導を謳う西高が3年間で提供してくれるものは、将来の進路を考える上で本当に多種多様な分野を学ぶことのできるお試し期間だと思います。入学前将来やりたいことがほとんどなかった私は2年時の探求活動において生物と情報の科学で少しかじった色彩について研究し、本を読むうちにたちまち興味が湧いて京大の心理学系の研究室にお願いして話を聞かせてもらい研究の様子を覗かせてもらいました。歴史の授業では江戸から明治以降にかけての財政について深堀りし、オカネが大好きな私は興味をそそられ金融関連の本を読み込んだりしました。また英語の授業で討論した哲学の問題が120選の読書課題にあって読んでみると、1年の現代社会や現代文で習ったことに共通性を感じ図書館で本を漁って自学したこともありました。「草」とかいう言葉が流行っていたときには友達と大草原不可避関数を作ったりしました。こうして様々な学問に触れ将来の選択肢を増やすことができたのは西高の恵まれた環境があったからです。
私の充実した西高生活はこれにとどまりません。私は卓球部に入部し部長として活躍させていただく機会をいただきました。また副委員長として所属した保健委員会ではコロナ渦のなか懸命に感染対策に努めました。その他アメリカ研修で現地の友達をつくったり、記念祭でクラス代表をして劇をしたり、英語ディベートで他校の生徒と交流したりしました。時にはALTの先生にお願いして英会話同好会を立ち上げたこともありました。こんなに西春を謳歌した西高生活でしたが、受験期は意外と勉強がはかどりました。図書館や西高会館の自習室は勉強熱心な人がたくさんいて日々刺激をもらいました。
まだまだこれから高校生活を楽しめる皆さん、挑戦は自分の可能性を広げてくれるものです。そして様々な事に挑戦できる環境が西高には揃っています。ぜひ西高で色々な事にチャレンジしてみてください。西高は面白い学校です。