校章

東京都立西高等学校

卒業生紹介

令和6年3月卒業

安井悠太

東京大学理科Ⅰ類在学中

 西高には、先輩方により培われ脈々と受け継がれてきた2つの土壌があると思います。1つ目は、各個人、集団のやりたいことを尊重する土壌です。私は、多くの部活やサークル、行事委員会で活動する中で、大人という補助輪無しで集団を一つの方向にまとめる難しさを痛感しながらも、仲間と協力して計画立案から実行までを行うことの達成感を皆で分かち合うことができました。特に生徒主体型の西高の行事は、生徒自身によりその時々の生徒の意見を最大限尊重して運営される結果、充実感と強固な学校全体のつながりを与える、という点でそのような土壌の典型例と言えるでしょう。また、多様な部活、サークルが混在している西高では、仲間さえ見つけることができれば容易に新しい団体を立ち上げることができます。部活、サークルも同様に生徒主体の活動であるため、6つの団体をかけ持っていた私には、自分たちで考案した企画を楽しんだ数多くの思い出があります。2つ目は、勉学にとことん打ち込むことを可能にする土壌です。まず、西高には各教科に豊富な知識と熱量を持った先生方がいらっしゃいます。授業では、生徒の関心を引き理解を助けるための興味深い小話を交えながら、教科書に載っていない高度な内容も時折扱われます。そのため私は授業に引き込まれて時間が経つのを忘れる、ということがよくありました。
特に長年指導経験を積んだ古参の先生が多いことが特徴で、経験に裏打ちされた、塾を利用せずとも大学入試に対応できる力を養えるよう構成された授業は受験期の支えでした。
以上2つの土壌について言及してきましたが、これらは「土壌」なのであって、高校生活に花を咲かせるためには、「生徒の自主性」がもう1つの不可欠な要素となります。自主性、と1口に言っても、多くの人にとって自分一人で最初の一歩を踏み出すことは歩み続けることよりもはるかに難しいものです。しかし、西高には、やりたいことを共有し、地に足つけて最後までやり抜く気概のある仲間がいます。振り返ると、私の高校生活の中で、一見自ら実行し成し遂げように思えることのほとんどは周りの素晴らしい仲間のおかげであると思います。皆さんも西高に入学し、伝統という土壌の上で、志を共にする仲間と共に自主的に生活し、多方面での努力を結実させる高校生活を送ってみませんか。

令和6年3月卒業

吹山結月

京都大学文学部在学中

 西高は勉強以外のことも全力で楽しめる高校です。私も西高3年間を振り返ると、机と向き合っていた時間よりも、仲間と一緒に行事や部活に奔走していた時間のほうが鮮明に思い出されます。
私は記念祭実行委員の幹部を3年間務め、3年生ではダンス部として運動会の応援団女団長を務めました。西高の行事は生徒が主体的に作り上げていくものなので、ときには勉強時間が確保できないほどしくなることもありますが、その大変さを上回る充実感と達成感があります。まっさらな状態から案を出し合い夢を膨らませ、その実現のために自分にできることを探して走り回り、行事を作り上げたという経験は私の中で大きな自となり、その後の進路選択や受験勉強にも諦めず挑戦し続ける強い精神力が身につきました。

 また西高では様々な価値観を持った人との出会いがあり、多くの刺激を受けられます。私は中学生の頃は 1人で行動する=ぼっちという考えがあり周りの目を気にして行動することが多かったので、自分の好きなことを追求して一人一人が自分の力で輝いている西高生を見て、目から鱗が落ちた気持ちでした。そんな個性豊かな人たちが集まって、自分の色を保ちながらも互いに共鳴し、尊敬しあい、時には意見を戦わせて成長していくのが西高校です。

 自分にはないものをたくさん持っている仲間と過ごす毎日は新しい出会いに溢れていて、楽しくてたまりませんでした。また私が行事を全力で楽しみながら受験を頑張れた理由の一つに先生方のサポートがあります。西高の授業はどれも先生方が趣向を凝らして作ってくださったもので、勉強へのモチベーションが上がるだけでなく、大学でもっと学びたいと思える分野との出会いもありました。1.2年生では講演会などを通して私たち生徒の進路選択の可能性を広げ、3年生では真摯に一人一人に向き合って私たちの決めた道を全力で応援してくださいました。私も受験直前までほぼ毎日先生に添削を頼み、たまに雑談をしたりして気分転換ができたことで最後まで健康に受験を乗り越えられました。

 西高には人との出会いと、やりたいことができる環境があります。この環境をどれだけ活かせるかは自分次第です。今みなさんが胸に抱いている希望に溢れた高校生活のイメージを持ち続け、ぜひ充実した西高生活を送ってください。