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2025/06/05 お知らせ
第12回高校生直木賞・全国大会に出場しました
<<高校生直木賞>>
高校生直木賞とは、全国の高校生たちが集まって議論を戦わせ、直近一年間の直木賞の候補作から「今年の1作」を選ぶ試みです。
第12回を迎える今回は史上最多の47校が参加し、5/18(日)に文藝春秋社で行われた全国大会では、地方予選で本校とともに選ばれた慶應義塾湘南藤沢中等部・高等部、自修館中等教育学校他、12校が集まりました。
会場では3冊に絞られた候補作について議論が交わされました。本校では、感染症の世界的な流行の中で起こり得る犯罪をテーマにした『ツミデミック』を推薦しました。議論は、「そもそも高校生直木賞とは」から展開し、読書になじみのない生徒に薦められる作品がいいのか、読後に何か得られる作品がいいのか、大人になってからまた思い起こせる作品がいいのか、各校、様々な観点から主張をぶつけ合いました。
4時間近い討論を経て、第12回高校生直木賞は『虚の伽藍』(月村了衛)に決まりました!
選考会終了後は、月村了衛さんへの電話インタビューや、文芸評論家の三宅香帆と参加生徒による座談会、参加者同士の懇談会が行われ、本好き同士、なごやかな時間を過ごしました。
<参加生徒による感想>
僕たちの学校は昨年度と今年度を含めて2回しか高校生直木賞へ参加したことがありませんが、今回幸運にも初めて全国大会への参加が決まりました。
高校生直木賞での読書は、これまでの読書とは大きく異なるものでした。普段なら、僕が嫌いな本は「つまらない本だ」と評価してしまえば終わりですが、今回は他人が納得できるように論理を生み出す必要があります。
本に限らず、人の好みはまったく異なるので、自分の意見を形にするには、自分の感覚を僕なりの言葉で表現しなければいけませんでした。
高校生直木賞は、読書を通じて自分の好みや価値観を深く考える機会になったと思います。
大会の中では「『高校生直木賞」とは何か」という問いに何度も直面しました。ある人は「我々が読んでいて一番面白かったものを選ぶべきだ!」と言い、またある人は「文学的要素やこれを選ぶことの影響を深く考えるべきだ!」と主張します。
このような主張に当然正解はなく、作品の良し悪しの基準も同じで、人によって本の印象が180度変わるということを強く実感しました。
僕はあまり本、それも最近の物を、読む人間でもなく、他人との議論も大の苦手でした。そんな僕にとっても、この高校生直木賞での経験は、静かながら、刺激にあふれた得難いものだったと思います。
(6年生徒)
公式サイトには、参加校の紹介や過去に参加した生徒の声が掲載されています。
<候補作>
- 月村了衛『虚の伽藍』
- 一穂ミチ『ツミデミック』
- 麻布競馬場『令和元年の人生ゲーム』