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2024/12/16 イベント
多摩丘陵・多摩ニュータウン巡検(フィールドワーク)を実施しました!!
2024年12月15日(月)、社会科・理科の企画として、「多摩丘陵・多摩ニュータウン巡検(フィールドワーク)」を実施し、有志の前期生・後期生が参加しました。
地域社会の自然科学的事象と人文・社会科学的事象について多面的・多角的に考察するきっかけとすることを目的として、地理・地学担当の教員を中心に案内を行いました。
8:45に京王相模原線南大沢駅(八王子市)に集合し、周辺の地形やまちのつくりを見ながら歩きました。
新住宅市街地開発事業によって開発され、その時期が異なる南大沢・松木・別所地区を見学しました。
また、かつて谷戸(丘陵地の細い谷)だった場所は、土地区画整備事業によって開発・整備されたり、長池公園としてかつての農業用のため池と里山が残されていたりと、景観が異なっていることを確認しました。
多摩ニュータウンの南側を東西に通る南多摩尾根幹線道路(尾根幹)のあたりまで歩き、多摩市に入ると、ワンストップショッピングができるロードサイド型の商業施設があったり、情報通信や金融関係の会社のデータセンターが立地していたりと、東京郊外ならではの景観を見ることができました。
多摩川水系と鶴見川水系の尾根を越え、町田市に入ると、それまでの多摩ニュータウンの範囲を出て、丘陵地の雑木林と畑が広がる地域に入りました。
雑木林の尾根道では、雑木林が人のもとで管理され、二次遷移が進んだ二次林であることを学び、道端の地蔵尊の「明和」の年号から江戸時代から人が行き来していたことを発見しました。
小山田地区の農家の暮らしや町の様子を見つつ、小山田緑地と奈良ばい谷戸を見学しました。
水田や畑、広葉樹中心の雑木林、炭焼き小屋、堆肥枠、母屋・納屋・蔵のある農家など、里山の環境を生かした多摩丘陵の谷戸の景観が住民や市民の手によって維持されていることを確認しました。
多摩ニュータウン地区に戻ると、住宅地の中にある、落合・鶴牧地区の近隣センターを見学し、社会情勢の変化による商業の変化について考えました。遊歩道と橋によって歩行者の歩行空間が車道と交わらないようになっている歩車分離について学び、多摩センターに向かいました。
多摩センターでは、パルテノン多摩ミュージアムに伺い、学芸員の方がご案内してくださりながら、多摩ニュータウンのある地域の歴史と現状や課題を学びました。
多摩ニュータウンの地域には古代から人が住み歴史と文化があることや、ニュータウン計画によって元の住民が生活の仕方を変える必要が生まれたこと、一気に人口が増えることで公共サービスが行き届かなくなる懸念があったことなど、東京郊外地域について考えるうえで大切な視点を教えてくださいました。
大変勉強になりました。学芸員さん、ありがとうございました!
その後、ミュージアムで、巡検の振り返りを行い、解散しました。
多摩丘陵の中でも、人口増加に対応してニュータウン建設が進んだ地域と、昔からの里山・谷戸が残された地域を歩き見比べることで、都市の構造や自然と人間の関係性、多面的・多角的に地域についいて考えるきっかけになっていれば幸いです。
参加者の皆さん、お疲れさまでした!
《参加生徒の振り返り・感想》
- 自然のことやニュータウンの歴史などが学べて良かったです。
- 今まで「ニュータウン」と聞いて、新しい街ぐらいしか思い浮かばなかったか、今回の巡検でニュータウンがどんなものかを知った。また、授業で知った尾根を実際に体験することができた。
- 長い距離を歩いて、とても疲れたが、多摩ニュータウンというものがとても身近に感じられるようになった。これからもたくさんの巡検に参加して、地形と人々の生活のつながりについての思考を深めていきたい。
- 学芸員さんのお話まで聞けて、歴史などを細かく知ることができて身近な地域で学べることがたくさんあり、楽しかった。
- 同じニュータウンでも地区によって開発された年代が異なり、住民の層も多様だと学んだ。歩車分離の道路を整備したり農家が商業を始めたりと開発や住民の工夫があることがおもしろいと思った。