255本目:今日は卒業式の校長式辞を掲載します
2026/03/09
なんとなく土曜日の卒業式の余韻が覚めない朝でした。正門に立っていても3年生ふじもりメンバーはもう通らないんだなぁと想像すると、少し寂しい気持ちになります。
今日の午後は講師にフリーランス国際協力師の原貫太氏をお招きして、1・2年ふじもりメンバー全員を対象に進路講演会が開催されました。なかなか興味深い講演で、ふじもりメンバーも聴き入っていましたが、その様子は整理して次回お伝えしたいと思います。
さて、今日は予告通り土曜日に行われた卒業式の校長式辞を掲載したいと思います。実は実際に話すときにちょっとだけ言い方を変えましたが、基本的にはこのまま話しました。それではどうぞ。
久しく水の流れを見ることのなかった目の前の南浅川にもいつもの潤いが戻りました。毎年訪れる「富士森の春」が確実に近づいています。その「春」が今日は卒業生の旅立ちを祝ってくれています。本日この良き日に、東京都議会議員滝田やすひこ様代理青井夕美様をはじめとして多くの御来賓の方々に御臨席を賜り、多くの卒業生保護者等御家族の皆様に御来場いただき東京都立富士森高等学校第72回卒業式を挙行できますことは、校長としてこの上ない喜びです。
ただいま卒業証書を授与しました353名の卒業生の皆さん、改めまして卒業おめでとうございます。富士森高等学校の教職員一同、心から皆さんの卒業をお祝い申し上げます。
卒業生の皆さん、皆さんが入学した頃のことを覚えていますか。皆さんは私より1年早く富士森に入学したいわば「先輩」です。当時はどうでしたか。新型コロナウイルス感染症にともなう様々な制約から解放され「新しい日常」に移行する過渡期に、例年より1学級多い9学級で皆さんの高校生活が始まりました。その中にあっても皆さんは、「自分たちの手で行事を作り上げ、後輩に託したい」という富士森の伝統的な想いを受け継ぎ、特に今年度は最上級生として精一杯この学校を引っ張ってくれたと私の目には映っています。
卒業アルバムを手に取って見てみると、様々な行事に奮闘努力する皆さんの様子、そしてそれを支える先生方の努力が随所に写っていることからも「行事が大好きな学年」ということが想像できます。
体育祭や文化祭では実行委員会の中心となり、また学年行事等も行事係を中心にして、生徒主体で自分たちのやりたいことを実現可能にしていく姿はとても頼もしく映りましたし、素直に応援したい気持ちになりました。これはどの先生方も一緒だったと思います。特に五月末に予定していた体育祭が雨のために順延する等、予期しないことが起きた時に、先生たちと協力して問題を解決する努力を惜しまない皆さんの姿に、とても感心したことはしっかり記憶しています。「さすがに文武不岐の富士森だな」と気づかされました。
また皆さんと一緒に行った修学旅行は、私にとってもとても思い出深い行事になっています。岩手県陸前高田市や宮城県南三陸町、そして三陸鉄道での東日本大震災の震災学習に取り組んだ後、一路北海道に移動し、函館山の夜景を見て、翌日には札幌へ移動するという3泊4日の行程には、そのスケールの大きさとともに先生方の「何を学んでほしいか」という思いがいっぱいに詰まっていることに気づいていますよね。
これらのエピソードはその時の写真と一緒に、私が参加したたくさんの中学校の説明会で、富士森の誇りとして話をしました。どの中学校でも感心して聞いてくれていました。またその姿は後を引き継ぐ現在の2年生・1年生の心の中に大切な気づきを与えてくれていると想像しています。そのことに私は校長としてとても感謝しています。今年度入学した1年生の中には、学校説明会等を通じて、生徒主体で取り組んでいる本校の行事や部活動に魅力を感じて入学を希望した生徒がいます。きっと昨年度も今年度と同様に生徒会や部活動を中心にオープンキャンパスや学校説明会で、当時2年生だった皆さんが積極的に発信してくれたことに魅力を感じた受検生が多かったであろうことは容易に想像できます。これも皆さんを誇りに思えるところですし、校長して感謝しています。どうもありがとうございました。
さて、保護者等御家族の皆様。お子様の御卒業まことにおめでとうございます。
保護者の皆様のお喜びもひとしおのことと拝察いたします。昨年度私が校長に着任して以来、事あるごとに「保護者と学校との連携」についてお願いしてまいりました。御協力いただきありがとうございました。感謝申し上げます。 令和5年4月に古閑前校長の時にお預かりして以来、ともに成長を見守り続けてきたお子様を卒業生として本日保護者の皆様にお返しいたします。「新しい日常」の中での教育活動ではありましたが、それぞれが自分の進路を見つけ、卒業後の未来を切り拓くことができ、現時点で合格発表待ち等の未定者がおりますが、多くの卒業生が自分の進むべき道を決めることができました。それぞれの生徒が自分の進路を見極め、進むべき道を切り拓くことができ、これ程嬉しいことはありません。
最後に2つ話をします。
今日この会場を設営するにあたり、例年とは違うことがあることに気づくことができますか。今回は卒業生の規模が9学級ということで本校の椅子だけでは足りないために、長房小学校にお願いして、椅子を100脚お借りしています。快く御貸しくださった、長房小学校川村校長先生、ありがとうございました。長房小学校でお借りした椅子は、硬式野球部の1・2年生が本校まで運んでくれました。目に見えない形かも知れませんが、地域や後輩たちが皆さんの卒業を祝ってくれているんだということをぜひ知っておいてください。
最後の話です。卒業生の皆さん、今年度の1学期始業式で初めて皆さんに会った時、私が何を話したか覚えていますか。「来年の今頃、どこで何をしているか想像してごらん」という話です。卒業を迎える今はどうですか。想像した通りの道を進むことになっていますか。必ずしも想像した通りにはなっていないかも知れません。しかしその時その時で真剣に向き合って切り拓いた結果が今この時のはずです。始業式の時にはさらにこうも言いました。「5年後、10年後の自分を想像してごらん」。これから皆さんはSociety5.0さらには「ヴーカ」と言われる社会で生き抜いていくことを求められます。変化が大きくかつ曖昧という特徴を持つその時代は、気づいたことについて、自分で調べ、自分で整理し、自分で想像し、自分で判断するということがとても重要です。そしてその結果に対して、自分で責任を取ることになります。本校で身に付けたスキルを活用し、進学先や就職先で早く新しい環境に慣れ、自身の個性を生かしながら頑張って欲しいと思います。
これから富士森高校(ふじもり)は皆さんにとっての「灯台」になります。船は灯台があるおかげで自分の位置を確認することができ、迷わずに進むことができます。皆さんもこれからの人生で時として迷うことがあるでしょう。また落ち込んでしまうこともあるでしょう。そんな時はどうぞ本校を訪ねてきてください。その時また一緒に考えましょう。今回の卒業証書の最後の番号は22626番です。つまり22626名の同窓生という心強い仲間がいるということです。
さあ卒業生の皆さん。中学生の時に「入りたい」学校として希望して入学した東京都立富士森高等学校という港からの船出の時です。日ごろから皆さんに伝えていた「看板を背負う」を「プライドを持つ」に進化させて、「入ってよかった」と振り返れるようにしっかり前を見て進んでいってください。卒業生の皆さんの船出が幸多からんことと本校で学んだことを活かし、皆さんが新しい社会で自分の希望を叶えながら活躍することを祈念して式辞の結びといたします。
令和8年3月7日
東京都立富士森高等学校長 中村 弘志
①今朝は西の空一面にどんよりと雲が垂れ込めていました。おはようカウンターは187回でした。

②冒頭に書いた通り、もう3年ふじもりメンバーには会えないものだと思っていたのですが、今日3年ダンス部ふじもりメンバーが校長室のドアをノックしてくれました。15日(日)に開催されるダンス部定期公演「GO ON 18」の入場券を持ってきてくれました。今から楽しみにしています。
