校章

東京都立富士森高等学校

ふりがな Language

133本目:満開の桜が出迎える、第72回入学式

2025/04/08

 今日は入学式です。いつものように西八王子駅を下りて北口のベンチを見ると、ベンチ下にいつものゴミはないのですが、財布かカード入れのようなもの(以下「カード入れ」)があることに気づきました。気になったのですが、少し離れたところに男性が座っていたので、その人のものではないかと想像しました。

 250408ゴミ

 いつものように首からネームプレートを下げて、ゴミを入れる袋を2枚用意して、いざ富士森に向けて歩き出そうとしたのですが、どうにもそのカード入れが気になって仕方ありません。なぜなら一見して新品とわかる、使用感のないカード入れだったからです。そのため落としたことに気づいた持ち主はきっと悲しいだろうなぁと想像してしまい、どうにも見て見ぬふりをしてスルーすることにためらいがあったのです。そこで私は勇気を奮って座っていた男性に「これはあなたのものですか」と声をかけました。するとその男性は「違います。私も気にはなっていたのですが、触ってもいません」と答えました。そこで私はカード入れを手に取ってその足ですぐ目の前にある交番に届けました。交番の警察官にまずは富士森の校長であるとネームプレートを示しながら名乗った後に、ベンチを指さしながら状況を説明して、カード入れを渡しました。単に拾ったものを届けたかっただけなので、拾得物の権利を放棄して、そのまま交番を後にしました。無事に持ち主の手元に戻るといいなぁと想像しています。西八王子駅前の交番に落とし物を届けるのはこれが初めてではありませんが、その時々の届けた物がその後どうなったのかわからないことに気づきました。忘れ去られて悲しい思いをした「ジェシー」やそれが恨みに変わってしまった「ロッツォ」のようにならなければいいなぁと「トイ・ストーリー」好きの私はつい想像してしまいます。

 交番に届けたことで気分がすっきりしたからでしょうか、いつもより歩くペースが速いことに気づきました。その上出勤する途中で、会うと必ず挨拶を交わす小学校への送迎の親子3家庭全部に会うことができ、挨拶をしたことでさらに気分がよくなりました。よく考えると同じ日のうちに3家庭全部と言葉を交わすのは初めてだったと思います。

 そして東横山橋の上に差し掛かると、見事に満開の桜が目に飛び込んできました。しかも花弁が落ちていません。朝の出勤の道中だけで最高の気分になることができました。

 250408校舎  250408桜1

 250408桜2 250408桜3

 出勤してすぐに、まだ静かな1年生の教室を見て回りました。どこの教室も担任の先生それぞれの思いで丁寧に作り上げられています。新入生を迎える担任の先生方それぞれの想いを想像すると、校長としてありがたい気持ちでいっぱいになりました。

 250408クラス1 250408クラス2

 250408クラス3 250408クラス4

 250408クラス5 250408クラス6

 正門にも出てみました。保護者の方と一緒に正門を通った後、新入生は教室へ、保護者は式場へと向かう先が分かれますが、新入生の表情に緊張の中にも「笑み」が多いことに気づきました。今年度の新入生は例年よりも「入りたい」という意思を強く持っている生徒が多いのではないかと想像しました。せっかく正門に立ったのに、うっかりおはようカウンターを持って出るのを忘れてしまったのは残念でした。

 入学式そのものはほぼ予定通りで無事に終了することができました。終わった後の式場の片付けもいつものように体育館部活と吹奏楽部の生徒たちがやってくれます。吹奏楽部には新入生の入退場の曲の演奏と、式の中での「校歌紹介」での歌唱で毎年協力してもらっています。これも富士森ならではの伝統です。緊張した面持ちでこの演奏で迎え入れてもらった吹奏楽部員はその後卒業式と入学式で各2回演奏して、最後は卒業式で後輩たちの演奏で送り出してもらう。想像しただけでもとても素敵な伝統だと思います。吹奏楽部員はきっとそのことに気づいてくれているんだと思います。それが証拠に、この時ばかりは顧問の先生の日頃の言葉「フォーマルの場に日常を持ち込んではいけない」がしっかり自分たちの判断として徹底できているように見えます。これについては一年前の入学式の時から私は気づいていましたよ。「やるべき時にはしっかりやる」ということですね。富士森のこういうところをもっと知ってほしいなぁと思います。写真は式場の片付けの様子です。

 250408片づけ

 入学式終了後、私は校長室で来賓対応がありましたが、来賓の皆様をお見送りするために職員玄関に行ったところ、目の前のスペースで保護者の皆さんが新入生の「出待ち」をしている状態でした。ホームルーム終了予定時刻等の周知が徹底されていなかったようでしたね。何人かの保護者の方に尋ねられました。一旦校長室に戻って時程を確認した後、1年生各クラスを回って状況を確認してから、再度保護者の皆さんが「出待ち」しているスペースに行って、教室の様子を交えて説明しました。よく劇場やテレビのスタジオ収録の時にある「前説」のような感じになってしまいました。

 自分が保護者の立場だったらと想像してみても、ホームルーム終了時刻等の見通しを教えてほしいと思います。また正門の看板前で記念写真を撮影したい方々が外の歩道に列を作ってしまったこと等、今回は改善すべき点にいくつか気づきました、申し訳ありませんでした。次回の改善につなげたいと思います。

 250408正門 250408式後

 正門前の歩道は一般の方も通ります。また道路を横断して河川敷に向かう方の安全確保と車の往来についても交通整理が必要だということに気づきました。そのため私は相変わらずモーニングを着たまま卒業式に引き続き「交通整理」をしていました。しかしそのおかげでたくさんの保護者の方に声をかけていただけましたし、新入生やその保護者の方とも何人か一緒に写真に収まることになりました。これはこれで楽しい時間でした。そして正門に立っている間に、朝はなかった「桜吹雪」が舞っていることに気づきました。

 さぁ、明日から本格的にふじもりメンバーとしての日常が始まります。まずは明日午前中にクラス集合写真の撮影とオリエンテーションです。写真撮影は桜の木をバックに撮影する予定ですので、なんとか天気と桜がもってくれればいいなと想像しています。

 では、また明日。最後の写真はお互いに心を込めて交わした「校長式辞」と「新入生宣誓」です。校長式辞は次回のブログでアップしようと思います。

 担任の先生方は皆さんと会うことを一日千秋の思いで待っていました。一日でも早く富士森の日常に慣れてくださいね。

 250408式辞