123本目:気づきの森の避難訓練
2025/03/11
今日は2011年に東日本大震災が起きた日ですね。あの時既にこの世に生を受けているとはいえ、14年前のことですので、現在のふじもりメンバーのほとんどが記憶していないだろうということは容易に想像できます。このブログをお読みくださっている大人の方々はあの時、どこで、何をしていましたか。もちろん私はあの時のことを覚えています。あの夜は生徒と一緒に当時勤務していた学校に泊まりました。またテレビに映し出されるリアルタイムのむき出しの映像の一つ一つに衝撃を受けていました。岩手県の海岸沿いに住む私のいとこの家の近くにも津波が押し寄せ、近所の見たことのある漁協の駐車場で津波被害が出る映像を見た時には居ても立っても居られない気持ちになりました。しかし交通手段だけでなく、通信手段もなかなか確立せずに安否を確かめるのに数日かかったもどかしかった記憶があります。あの震災でたくさんの気づきがありました。
あの時を実感として記憶している私たち大人と違って、ふじもりメンバーたちはその分しっかりとして、疑似体験しておく必要がありますね。
特に2年生ふじもりメンバーは11月の修学旅行で宮城県と岩手県での震災学習に取り組んだはずですよね。これはその時の画像です。何が伝えたいか想像できますか。
この写真は三陸鉄道の震災学習のための貸し切り電車に乗り込む時の盛駅での様子の写真です。盛駅は岩手県の何市にあるか2年生ふじもりメンバーの皆さんは覚えていますか。そうです。大船渡市です。あの当時、大船渡市はプロ野球の佐々木朗希投手のことで盛り上がっていましたが、今はどうでしょう。つい数日前まで大規模な山火事が起き、大きな被害が出ている様子が報道されていました。やっと避難解除されたところです。山火事が起きた場所は複数個所に上るとのことですが、調べてみると、ちょうどこの電車の後ろの山並みも山火事が起きた場所の一つのようです。
釜石までの車中から見ることができたきれいな山並みや人が住む集落にも焼失した場所があるようです。皆さんはニュースから気づき、その様子を想像することができていましたか。修学旅行で見たこの景色がどうなったか想像すると胸が苦しくなります。
また富士森の吹奏楽部は10年以上宮城県名取市閖上地区への被災地訪問をしています。そう考えると、3年生がいない今、半分以上のふじもりメンバーが災害について、想像ではなく直接学んできているということになります。
当然今日の避難訓練も他校とは違う富士森ならではの真剣に取り組む避難訓練になっていて当然と考えます。はたして「文武不岐の富士森」「やる時にはしっかり取り組む富士森」の本領発揮となったでしょうか。
訓練開始前はグラウンドでは体育の授業が始まったところでしたが、緊急地震速報が鳴ったところで、グラウンドでもまずは地震に備えました。
その後、火災が発生したという想定で、授業担当者の引率でふじもりメンバーが続々とグラウンドに避難してきます。校地が広いので3方向からグラウンドに避難してきます。
現在1・2年生の在籍人数は670名です。もちろん欠席者がいることは想像できていますが、この人数規模の避難にかかった時間が、今日は避難開始を指示してから8分35秒とのことでした。この時間を「慌てずに・安全に・確実に」さらに縮めるための想像が一人一人に必要ですよね。
その後、行方不明者の捜索訓練が完了して最終人員報告完了までで10分59秒だったと報告を受けています。捜索訓練のために走っていく先生方を見て何か気づきませんでしたか。必ずしも先生方だけが捜索や救助活動をして、自分たちがずっと待機していればいいわけではないことにぜひ気づいてください。先生がいない、あるいは先生がけがをしてしまった場合も想像しておく必要がありますね。
最後にこの写真を見てください。避難訓練の最後に副校長が講評をしているところです。
今回はより本番に近い形をということで、意図的にハンディタイプの拡声器を使いましたが、ちゃんと講評を聴き取れましたか。実際の場面ではこの状態で様々な指示が出る可能性があります。おそらく周囲には消防や警察や防災のサイレンが鳴り響き、より一層聴き取りづらい可能性が高いことも想像しなければなりません。そのことに気づいたら、皆さんはどうしますか。しっかり想像して、次の避難訓練に反映させてくださいね。
今日は気づきの多い避難訓練になりました。
①今朝はまたどんよりとした曇り空でした。今日のおはようカウンターは155回でした。