113本目:校長は別に、落ちているものをなんでも拾うわけではありませんが
2025/02/18
今朝も西八王子駅のいつものベンチには「ヌードル星人」が出没したようです。メーカーは一緒でしたが、今日は食べているものが違いますね。御丁寧にお箸が一緒に落ちていることはいつもと一緒です。朝から残念な気持ちになります。
ここのところ「落とし物」に縁があるようです。
先週の水曜日のことです。出勤途中、八王子駅から中央線に乗って目の前の空いている座席に座ったところ、すぐ脇の座席にiPhoneがあることに気づきました。さて皆さんならどうしますか。想像してみてください。私はまず、「誰かスマホ忘れてるよ~」とホームに向かって声を上げながらドアから身を出してみました。しかし気づかないのかはたまた自分だと思っていないのか、誰からも反応がありません。発車のメロディーが流れ始めたので、あきらめて座席に戻りました。次にやった行動は西八王子駅で降りたところで車両番号等を確認です。そのまま改札で駅員さんに車両番号と座席の位置等の情報を伝えてiPhoneを預けました。
全ての行動の根拠は「もし自分が落としたことに気づいたら気が気じゃないので、少しでも早く手元に戻るようにしてあげたかった」に尽きます。
八王子駅(もちろんその手前の駅で下車したかも知れません)で気づいたら、まずは駅員さんに相談すると思います。相談を受けた駅員さんはおそらく終点である高尾駅に連絡を取り、高尾駅の駅員あるいは乗務員が到着した電車の中を探すでしょう。その前に西八王子駅で届ければ、いち早く高尾駅に連絡がいって、iPhoneの所在確認ができ、場合によっては落とし主が西八王子駅に向かうことができるだろうと想像しました。またそのままiPhoneを持ち去ってしまうような不心得者の手に渡ることも防げるのではないかとも想像しました。その後無事に持ち主の元にiPhoneが戻ったかは不明です。戻ってくれていればいいなと想像しています。
同じ日にはこんなこともありました。
いつものようにゴミを拾いながら長房団地入口交差点を渡ったところで、こんなものがあることに気づきました。
もし持ち主にとって大事なもので、持ち主がなくしたことに気づいて探していたら見つけやすいようにと工夫した人の気持ちが伝わってきませんか。ただ残念ながら、今日の時点でまだガードレールに寂しそうにぶら下がっています。
こういう光景を見ると、私はある映画のことを思い出して勝手に切なくなってしまいます。その映画は「トイストーリー2」です。この映画の中に登場するカウガール人形のジェシーがソファーの下に忘れられて、最後はヤードセールに出されてしまう回想シーンがあります。私はジェシーについつい感情移入してしまい、とても切ない気持ちになったものでした。今でも思い出すと切なくなります。早く持ち主が見つけてくれればいいなと毎日通るたびに思っています。
最後にもう一つ、これは昨日の話です。
近所のコンビニエンスストアから学校に定期の落とし物の連絡がありました。定期には名前や年齢等の個人情報がたくさん記載されていることに皆さんも気づいていると思います。その情報からお店の方はふじもりメンバーが落としたものではないかと想像して、電話をかけてきてくださいました。電話での個人情報のやり取りは慎重を期す必要があるので、電話を受けた教員は一旦電話を切ってから確認をしてくれたようです。富士森には該当の生徒がいないことと定期を落とした生徒もいないことが確認できた状態で、出張後に出勤した私に報告がありました。
前述のiPhoneと同じで、少しでも早く手元に戻る状態にしたいという判断基準で、私は近所にある八王子桑志高校に電話をして、校長先生に直接事情を説明しました。個人情報ではあるので、直接面識のある校長同士で話をするのが適切と考えました。校長先生も事情を理解して、すぐに調べてくれました。もし八王子桑志高校の生徒であれば、下校までに定期が手元に戻るので無事に帰宅できるからです。残念ながら八王子桑志高校にも該当する生徒はいないようでした。八王子桑志高校の先生方にも情報を共有してもらうようにお願いした上で、次に私はいただいた連絡先に電話をしました。間違いなくコンビニエンスストアに電話がかかりましたので、富士森の校長であることを名乗って、富士森と八王子桑志高校には該当者がいないことを伝えました。
今朝出勤する時に当該のコンビニエンスストアに寄ってみました。まずは親切に連絡してくださったお礼を伝えるとともにその後どうなったかが気になったからです。電話をいただいた方に直接お目にかかることができました。残念ながらまだ持ち主が現れないで預かったままの状態とのことでした。お店の方はこうなればできるだけ早く西八王子駅と駅前の交番に相談に行こうと思うとのことでしたので、私もそれをお勧めしました。なぜなら富士森と八王子桑志高校に該当の生徒がいないということは西八王子駅で下車する学生ではない可能性が高いからです。ここから後は持ち主が駅か警察に申し出てくれることで少しでも早く手元に戻るようにしてあげるしかありませんからね。
昨日の一連の対応は絶対的な正解ではないかも知れません。結果的にはもっと早く持ち主の手元に戻る可能性の高い方法があったかも知れません。でも「良かれ」と想像した善意の行動であることは明らかです。
西八王子界隈には残念な「ヌードル星人」も出没しますが、善意にあふれた方がいらっしゃることがわかり、今日はちょっと気持ちがほっこりしています。
今は定期が持ち主の元に無事に戻っていることを想像しています。
①今朝は山並みの方角に少し雲が多いですね。今日のおはようカウンターは155回でした。
②月曜日の朝は正門に立てませんでしたのでもしかしたら月曜日からかも知れませんが、朝の吹奏楽部の「F-STOMP」の練習が始まっています。5月の定期演奏会に向けて、1年生に先輩たちが教えているようです。富士森に着任してまだ何もわからない頃に前任校と同じようにまずは正門に立とうと思って緊張していた頃のことを思い出すと、必ずそのシーンのBGMには「F-STOMP」が鳴っています。もうじき一年経つんだなぁと改めて気づきました。私の教員人生の中であと何回この音を聞くことができるんだろうかとちょっと感傷的に想像してしまいました。この写真の奥、生徒玄関前で練習が始まっています。