81本目:修学旅行2日目 やり直すことはできないけれど、出直すことはできる
2024/11/14
修学旅行2日目を時系列で報告します。今回の修学旅行は複数のコースに分かれて進むことが多いので、あくまでも私が引率に参加したグループに偏りがちなのは御容赦いただきたいと思います。
朝起きるとオーシャンビューの部屋でまずはきれいな朝焼けのグラデュエーションを堪能しました。
その後にバイキング形式での朝食となりました。既に昨日の段階で、朝食を食べる前に荷づくりを終えておくように指示が出ていたので、朝食後にすんなりバスに荷物を積み込んでから、ホテル前で集合写真を撮影して、いよいよホテルとお別れです。ホテルの従業員の方々が見送ってくださいました。
私が同行した4組の予定は、三陸鉄道をチャーターしての震災学習です。途中で昨日立ち寄った南三陸町の旧防災対策庁舎や震災遺構ブライダルパレス高野会館、チリ共和国から震災の後に送られたモアイ像を車内から見学しました。特に高野嘉一環には壁面に津波到達時の高さが記されていて、その高さにビックリしました。よく見ると壁面に写っています。
三陸鉄道には大船渡市盛(さかり)駅から乗車しました。チャーター便は2両編成で3・4組が分かれて乗り込んで、それぞれの車両に乗り込んだガイドさんの説明を約60分うかがいます。4組の乗車した車両のガイドさんは盛駅の吉田駅長でした。釜石駅までの8駅それぞれの集落とその被害や復興の状況について丁寧にお話しいただきました。津波に飲み込まれた駅舎の話、津波襲来時にトンネル内にいたことで何を逃れた電車の話、海側の土地(浸水地)には家を建てられず復興がなかなか進まないという現実の話、三陸鉄道の線路が第二の防潮堤の役割を果たして集落を救った話、そして復興の話。実際の場所を見ながら説明を受けることで、多くのふじもりメンバーに強い気づきを与えることになったと想像しています。その証拠に終わりの挨拶の時には、代表生徒からしっかりとしたお礼の挨拶ができていましたね。
吉田駅長の話で私が印象に残ったことは「津波避難の三原則」でした。「①想定を信じるな②最善を尽くせ③率先避難者たれ」だそうです。震災以前からそれまでの津波の経験を活かして日頃の避難訓練を徹底していたからこその三原則で、実際に釜石市ではこの三原則のもと、多くの児童生徒が自己判断で命を落とさずに済んだというj事実があり、「釜石の奇跡」と呼ばれているそうです。前回のブログの「てんでんこ」にも通じるものがあることに気づきました。
八王子にしっかり持ち帰りたいと思います。
釜石駅で吉田駅長にお別れをして、バスは昼食場所の遠野を経由して、盛岡駅を目指します。途中紅葉の見ごろの場所を通過しました。昼食はこんな感じでした。右側の汁椀のなかは「ひっつみ汁」というそうです。
各コースに分かれていたふじもりメンバーが盛岡駅で無事全員集合しました。いよいよ新幹線に乗り込んで、今度は函館を目指します。
バスの中ではほぼ8割の生徒が寝ていましたね。やはり盛りだくさんの内容で疲れたんだと想像しています。そんな中、黙々ごと勉強しているふじもりメンバーが二人いたのは想像していなかったので、感心しました。予定通り16時半過ぎに函館北斗駅に到着し今度はバスで夜景スポットで有名な函館山を目指します。
天気は良かったので、夕焼け空を眺めながら期待が膨らみます。ロープウェイで上り、実際に観た夜景はそれは素晴らしいものでした。移動の関係であまり長い時間滞在できませんでしたが、多くのふじもりメンバーが歓声を上げて、思い思いのアングルで写真や動画を撮影していました。
函館山の夜景を堪能した後に、いよいよ今日の宿泊先である湯の川温泉ホテル「花びし」に到着しました。函館山には一気に全員が登ることができませんでしたので、ホテル到着時間にかなり幅がありました。その間に先に到着したクラスは入浴を済ませる等工夫をして、会場こそ2ヶ所に分かれましたが、ほぼ同じタイミングで夕食を摂ることができました。あとは湯の川温泉を堪能して、思い思いの夜を過ごしたことと思います。
ここまで書きましたが、実はこのブログは14日の移動のバスの中で上げています。昨晩教員打合せの後に入浴してブログの編集を始めた夜中の2時までは覚えているのですが、寝落ちしてしまいました。どうやら寄る年波には勝てず、私も疲れていたようです。既にこの時点で、函館朝市の見学も終わって、私の乗っているバスは登別温泉へと向かっている途中です。今日もそれぞれ充実した内容で、札幌で再合流です。
昨年度前任校でほぼ同じ時期の広島・大阪方面の修学旅行に同行しましたが、残念ながら広島で1名、大阪で1名、保護者の方に迎えに来ていただく事態が起きました。幸い現時点ではそこまでの深刻な体調不良者の報告は受けていません。概ねみんな元気です。
今日も元気で充実した一日になるように願っています。
では、また報告します。
①今回のタイトルは初日・2日目と私の乗った3号車の担当ガイドだった次藤さんが話してくれた言葉です。うっすらと方言の混ざったイントネーションで明るくかつ力強く話す「かあちゃん」といった感じの女性で、最後まで生徒達のことを「めんこい、めんこい」と言ってくださっていました。別れ際には「チャグチャグ馬っ子」の歌を披露してくださったのですが、その時には期せずして生徒達から手拍子が起きていました。また「〇〇の奇跡」というけれど今はもう「〇〇の出来事」というべきだと思う。なぜなら「できて当たり前だからだ」という趣旨の話を生徒の乗車待ちの間の私との会話の中でしてくださいました。震災を経験した上で明るく力強く前を向いて生きようとしている東北人の矜持(きょうじ)なんだということに気づきました。明るさと優しさに併せて持っている力強さと矜持、私自身気づくことが多くとても勉強になりました。ありがとうございました。