36本目:終業式校長講話 「想像」してそして「気づいて」ください 自分が「富士森の看板を背負っている」ということに
2024/07/19
今日はとうとう終業式でしたね。1限に大掃除をして、2限から体育館でふじもりメンバー全員が一堂に会して終業式とその後に表彰式を行いました。考えてみれば、始業式の時はまだ1年生が入学する前だったので、一堂に会して式典を行うのは、今回が初めてだったんだと気づきました。終業式終了後には富士森恒例の「富士森MVP」と各部活動の表彰を行いました。
「富士森MVP」は当該学期に学習を含めた様々な場面で頑張った生徒を各学年担任団が推薦する本校独自のものです。1学期は1学年2名、2学年3名、3学年2名の合計7名を表彰しました。また部活動は陸上部・水泳部・硬式テニス部・ソフトテニス部・空手道部に賞状を代読して表彰しました。こんなにたくさんの生徒の表彰があるとは想像していませんでした。今回は普段より多かったとのことです。時間はかかりましたが、「以下同文」のような省略は一切せずに一枚一枚代読しました。なぜなら舞台に上がっての表彰はそう何度もあるものではないと貴重な経験になると想像できるからです。
前回の予告通り、今回は終業式での校長講話の原稿を掲載します。もちろん完全にこの通りに話したわけではありません。その場の様子を見て、いくつかアドリブを入れましたが、話した内容は概ね準備した原稿通りです。それでは、どうぞ。
「想像」してそして「気づいて」ください 自分が「富士森の看板を背負っている」ということに
皆さんこんにちは。校長の中村です。
今日も暑い中での終業式ですので、校長講話はできるだけ短くしたいと思います。この後にも大切な話が続きますからね。
私が富士森に着任してから3ヶ月、皆さんにいくつかのキーワードを強調して話してきました。皆さんは気づいてくれていますか?ちょっと想像してみてください。
一つ目は「想像」です。全ての根源をこの言葉に集約して皆さんに求めてきました。さまざまな場面で「想像」することを求めてきましたし、今後も求めていきます。
二つ目は「気づき」です。2・3年生の皆さんには始業式で、「想像」と「気づき」とどちらが先か、という話をしたので、覚えていてくれる人がいるかも知れません。これはケースバイケースなので、どちらが絶対的な正解だということはないと私は思っています。ただ「想像」と「気づき」を基に「何をするべきか」「どうすればいいか」を考えていくという知的な行為は人間だからこそできるのではないかと考えています。少なくともその判断はAIにもできません。なぜだかわかりますか、想像してみてください。なぜならAIの行う判断は人間が予め「想像」や「気づき」を経てプログラムしたものなので、AIものが判断しているとは言い難いからです。
とは言え、想像したり、気づいたりするという行為を誰もができているとも限りません。なぜなら想像したり、気づいたりするためには目の前にある課題やものにしっかり向き合っている必要があるからです。
たとえば、1年生の皆さん。皆さんは昨日の学年集会で来年度の選択科目の説明を受けましたよね。ほんの少し立ち会っただけですが、先生方は皆さんに対して、自分のためにしっかり考えなければいけないことに気づいて、自分の将来のことをしっかり想像してほしいと伝えていたと思います。説明会のあの時間にしっかり向き合っていた人たちはそのことに気づいたと思います。皆さんが入学する前日の始業式で、初対面の2・3年生の先輩たちに「一年後の自分」と「十年後の自分」を想像するように話しました。1年生の皆さんは、このタイミングでぜひ「一年後の自分」そして「卒業後の自分」を想像してみてください。
2年生の皆さんは、この夏休み期間中にいよいよ探究活動のフィールドワークが始まることと思います。フィールドワークは「想像」と「気づき」の宝庫です。1学期に立てた計画が計画通りに進み、2学期のしっかりとしたまとめにつなげられるかをしっかり想像して有意義な時間にしてください。
3年生の皆さん、皆さんの中には部活動の引退を経験した人がたくさんいることと思います。最後までしっかり取り組んだからこそ味わえる感覚は、振り返ってみれば一生残る大切なものになります。心から「お疲れ様」の気持ちを伝えたいです。これからは1学期の成績を基に、いよいよ具体的な進路をイメージした時期にシフトチェンジしていくことになります。「卒業後の自分」「五年・十年後の自分」をしっかり想像して、周囲に流されるのではなく、自分のための自分の道を切り拓いていくために、悔いのない充実した夏休みにしてください。
最後に全体に対して注意喚起したいことがあります。富士森は夏の制服の着用については、部ごとのポロシャツの着用を認めていますよね。またバッグ等、お揃いで持っているものも他校に比べて多いように感じています。その一つ一つが「富士森の看板」です。登下校や遠征等学校の内外を問わず、様々な場面で制服や身だしなみを含めたその立ち居振る舞いを見られているということを自覚してください。
この後、先生方から諸注意があると思いますが、くれぐれも「富士森の看板を背負っていること」を忘れないでください。
多くの大人は今までの人生を振り返った時に、高校時代の「振り返りと修正」の大切さを知っています。先生たちの中にだって、気づいた時には修正がかけられないほど手遅れで後悔したことがある人もいると思います。だからこそ先生たちは、今なら間に合うことについてアドバイスをします。先月まで来ていた君たちの先輩である教育実習生たちも実習最後の振り返りの時に「在学中は気づかなかったけれど、先生方がこんなに生徒のことを考えて動いているんだということに今更ながら気づいた」という話をしてくれました。
必要な人には担任をはじめとした先生方から呼び出しあると思います。呼び出しにはきちんと応じてしっかり耳を傾けてください。特に3年生は進路活動の正念場になっていきます。誰一人手を抜いて合格を勝ち取ることができる人はいません。繰り返して言います。先生たちのアドバイスに真剣に耳を傾けて、それをやってみた自分がどうなるかをしっかり想像してください。
2学期に向けて。
あと1週間でパリオリンピックが始まります。「周囲の支えを受けて」「看板を背負い」ながら、自分のあるべき姿を想像して自分を追い込みながら真剣に取り組んだアスリートたちの姿は、きっと私たちに気づきを与えてくれると想像しています。
2学期は富士森祭をはじめとした様々な行事が予定されています。充実したものとなるように準備は怠らないようにしてください。
水難事故等への注意喚起
夏休みの生活については生活指導部から「夏季休業日をよりよく過ごすために」が配付されていますので、必ず目を通すようにしてください。またここには書かれていない内容として「水難事故」を起こさないように河川や海での活動には最新の注意を払ってください。特に注意喚起をしておきます。
SOSの出し方についての注意喚起
先生たちは皆さんが覚悟をもって自分の道をまっすぐ見て進めるようにと願っています。しかし想像すればするほど不安な気持ちになるのは皆さんの年齢ではごく当たり前のことです。そういう時は大人に相談してください。もちろん学校でも構いませんし、外部の専門機関でも構いません。「夏季休業日をよりよく過ごすために」の裏面の一番最後にも相談機関のQRコードが記載されているので、必要に応じて活用してください。
最後になりますが、学習面でも2学期の授業に対する準備を怠らないように、また1学期にやり残した事はこの夏休み中にしっかり押さえておくようにしてください。各種夏季講習に申し込んだ人は休まずにきちんと参加してください。また指名されての個別指導等には必ず参加するように。もし不都合が生じた場合には必ず担任あるいは担当教員に連絡をとることも忘れないようにしてください。
それでは2学期始業式で元気に会いましょう。
①今朝は上空の雲が心なしか夏の雲に見えました。今日も暑くなりそうです。今日のおはようカウンターは182回でした。
②放課後の生徒玄関前では「#だから都立高」の撮影をしていましたね。今年から富士森も参加することになっていて、公開に向けて着々と準備が進んでいます。
③また放課後には、講師に大塚製薬グループの大塚ウエルネスベンディング株式会社、國井雄一課長補佐をお迎えして、運動部の部長・マネージャーを対象にした、熱中症対策の講習会を行いました。熱中症が起こる仕組みや、予防策、また起こしてしまった場合の対応策等、パワーポイント資料を使ってお話しいただきました。質疑応答の時間には生徒達からも質問が出るあたり、夏休みの活動に向けてたくさんの気づきのある充実した時間になったんだなと想像しました。國井様ありがとうございました。