園芸高校の教育財産

2020/04/14

明治41年、日本初の園芸専門の教育機関として設立され、全国で初めて「園芸」という名を冠にした高校なだけに、いろいろ貴重な教育財産があります。



<イチョウ並木>


正門から本館までのイチョウ並木は大正元年(1912年)頃植えられたもので、樹齢は100年を超えます。
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<お手植えの松>


大正10年(1921年)1120日、特別大演習御講評のために昭和天皇(当時は皇太子)が御台臨になり、松のお手植えをなされました。
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<三代将軍の五葉松>


盆栽場には徳川三代将軍遺愛(いあい)の五葉松が置かれています。園芸植物好きで知られる徳川家光公が愛したと伝えられるこの五葉松(ごようまつ)は、江戸城内で育てられ明治維新までに城外に移されていたものを、明治41年創立された本校で資料、 教材とするために、明治44年に東京府が小山田家から買い入れ、本校に培養管理を委託して現在に至ります。
歴史的に極めて貴重な盆栽として平成113月(社)日本盆栽協会より貴重盆栽に登録されました。


ちなみに、この盆栽場にて栽培管理されてます。
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<日本梨新品種育成の記念碑>


故菊地秋雄博士が園芸高校在職中、大正4年(1915年)、日本ナシの新品種「菊水」、「八雲」を育成し、昭和2年(1927年)に発表しました。教え子達により、菊地博士の功績をたたえて記念碑が建てられています。果樹は玉川果樹園で栽培しています。 現在栽培されている「幸水」は、「菊水」と「早生幸蔵」、「豊水」は「菊水」と「八雲」、「新水」は「菊水」と「君塚早生」との交配からそれぞれ育成されました。

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100年のハナミズキ>


1912
年、当時の東京市長尾崎行雄氏から3,000本のサクラがワシントンに送られ、その返礼として1915年、タフトアメリカ大統領から送られてきた40本のハナミズキのうちの1本です。 アメリカに送ったサクラの苗木づくりを任された熊谷八十三(くまがいやそぞう)が、本校初代校長であったことから、ここに植樹されました。
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本のうち現存するハナミズキは本校の1本のみで、2015410日に100年祭が実施されました。またこれに合わせ、日本郵便とアメリカ郵政庁から記念切手が同時発売されました。

※本来、ハナミズキの寿命は80年ぐらいといわれています。本校のハナミズキは100年を超えているので、超老木といえます。毎年5月ごろ開花するのですが、この写真のように満開に咲かせると、養分を開花に奪われすぎて、枯死する確率が増します。よって、蕾の時期にできるだけその蕾を積んで、樹勢の維持に努めています。ですので、5月の開花時期にもし見学で訪れた時には、花数が少なくても、「今年も頑張って長生きしてね」と、あたたかく見守っていてください。


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<日米友好 スターライト ハナミズキ>

2015年4月10日「ハナミズキ百年祭」記念式典がおこなわれました。
キャロライン・ケネディ駐日米大使が臨席して、日米友好の記念樹「ハナミズキ 'スターライト'」を御手植えされました。

スターライト→ヤマボウシとナタリーハナミズキの種間交雑品種で、花は白色。開花期は4月下旬から5月中旬。秋に蘇生開花しやすい。枝は太く樹形は直立性で病虫害抵抗性は高い。

 開花はじめは直径約5cmの上品な薄緑色、その後、約8㎝前後の大きさになり、清楚な白色となります。

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<西洋庭園_イギリス自然風>


イチョウ並木の左右に12000m2の広さがあります。正門を入って左側はイギリス自然風景式を基調としています。昭和25年(1950年)に創立40周年記念事業の一環として設けられました。
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<西洋庭園_フランス沈底風>


イチョウ並木の左右に12000m2の広さがあります。正門を入って右側(図書館の前)に沈底式庭園はフランス整形式を基調としています。昭和25年(1950年)に創立40周年記念事業の一環として設けられました。  沈底式庭園の噴水並びに池は、昭和44年(1969年)に完成しました。
ちなみに、奥に見える建物は、図書館です。
(
図書室ではなく、独立した建物なので、「図書館」です)
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<バラ園>


 昭和63年(1988)年)、創立80周年の記念事業として設けられました。広さ1300m2あり、バラの品種の歴史を系統的に学べる日本で唯一のバラ園です。原種・古代バラが約88168株、現代バラが約120425株植えられています。
 昭和83月卒業の、バラ育種家として世界的に有名な鈴木省三(すずき せいぞう)氏より寄贈されました。

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<水琴窟>


水琴窟(すいきんくつ)は日本庭園の装飾の一つで、蹲踞(つくばい)や縁先の水鉢(みずばち)から溢れ出た水を利用する音響装置です。
水鉢近くの地中に「底に穴をを開けた瓶(かめ)」を伏せて埋め、空洞を作ります。その空洞の中の水面に水鉢から溢れ出た水が穴(空洞の頂上部)を通じて落ちると水音が瓶中に反響し、地上に聞こえます。
※蹲踞(つくばい):茶事の時客人が席入りする前に手を洗うためのもので、手水鉢(ちょうずばち)を中心として、前石、手燭石、湯桶石などを配置した一組をいいます。手水鉢(水鉢(みずばち)とも。)の前につくばって手や口を清めることからその名がつきました。
※縁先(えんさき):縁側の庭寄りの端。また、縁側のすぐ前をいいます。
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100年の庭>


平成19(2008)、創立100周年記念事業の一環として、同級生と生徒の協働により、記念庭園「ももとせ」が作庭されました。インターロッキングで舗装した広場型ガーデンと、ウエットなヒーリングガーデンの二つの庭からなっています。
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15日の記念式典の陽に、日本に3本しかない「ファーストレディ」というサクラの木が植樹されました。
広場に敷かれたタイルの裏には生徒達の思いを込めた言葉が書き込まれています。

中庭の東側には、講堂や4階建ての本校舎の高さ並かそれ以上の樹高の樹木
(
アカマツ、シナサワグルミ、ユリノキなど)がそびえ立ってます。
このようなものすごい大きさの樹木が中庭に生えている学校って、なかなか珍しいと思います。

ちなみに、この講堂は冷暖房完備で落ち着いたたたずまいです。
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<本校の校庭>

全面、芝生でおおわれています。
ちなみに、左手は体育館、画面中央奥には武道場が見えます。

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