学校からのメッセージ
正門から入って100mのイチョウ並木を歩くと、多くの人が感動して園芸高校に特別な思いを寄せるようになります。都会の中にある学校とは思えないほど、緑に囲まれた教育環境は3年間の学びを送るのに最適な空間です。
農業に関する学習は、「体験・体感」の連続です。新しい発見の感動は、学ぶよろこびと将来に対する目標を明確にしてくれます。本校は農業がもつ多面的な機能を生かし、循環型社会、環境に優しい社会を担うリーダーを育成する学校です。114年の歴史や教育財産が皆さんの学びを支えてくれます。
中学生の皆さん、園芸高校への扉をくぐり、園芸・食品・動物に関する学習に挑戦してみませんか。皆さんの新しい発見を一緒に見つけましょう。
校長あいさつ

東京都立園芸高等学校全日制のホームページをご覧いただき、ありがとうございます。
平成31年4月に第24代校長として着任しました、並川 直人です。令和5年度で5年目となりました。
本校は、明治41(1908)年に「東京府立園芸学校」として開校した農業・園芸の専門高校です。平成30(2018)年には創立110年を迎えました。100年を越える都立高校は10校程度しかありません。そういう意味で本校は115年もの間我が国の農業・園芸教育の中心を担 ってきた学校と言えます。
世田谷区深沢という閑静な住宅街に 9万m2(東京ドームの2.3倍)という広大な校地をもち、その約7割を庭園や圃場が占めています(他にも玉川果樹園、静岡県に伊豆下田農場をもっています)。校内には100年を超える多くの巨樹が育ち、木々を抜ける風や鳥たちのさえずりで満たされていま満たされています。「百年の森」とは良く言ったもので、生徒は百年の巨樹たちに見守られながら日々の学習に励んでいます。その上、園芸科2、食品科1、動物科1の学年4学級、定時制園芸科も1学級という少学級編成です。生徒一人当たりの校地面積は 260m2で、普通教室の広さが約65m2 ですから、何と一人教室4個分の広さがあります。そのくらいゆったりとした学習環境の中で心豊かに学校生活を送ることができます。
樹木財産として正門から本校舎までの続く植樹から110年のイチョウ並木から、昭和天皇お手植えの松(黒松)、皇太子殿下御来校記念の松(赤松)があり、盆栽場には樹齢500年を越える徳川三代将軍家光公ご遺愛の盆栽(五葉松)も鎮座しており学校の繁栄を象徴しています。ハナミズキも有名で我が国に唯一現存する日米友好の証としての百年ハナミズキ(尾崎咢堂とタフト大統領のハナミズキ)、キャロライン・ケネディ米国大使(2015年当時)お手植えのハナミズキ、歌手一青窈さんのハナミズキなどいろいろな品種のハナミズキが校内随所に植えられています。5月にはバラ園の公開日があり、生徒ボランティアの案内もあって 2,000人以上の来校者でにぎわいます。庭園としては噴水のある西洋庭園、サクラ名所の日本庭園、中庭には百年の庭が生徒の憩いの場となっています。さらに昭和天皇・皇后陛下ご来校の記念碑、兎々呂城址の記念碑、日本梨新品種(菊水・八雲)誕生の記念碑等もあり、我が国の園芸文化や歴史を学ぶことができます。
一方で、ハナミズキをご縁としたアメリカ合衆国バージニア州にある公立高校アーリントン・キャリア・センター(Arlington Career Center)やベトナム社会主義共和国ドンタップ省のコミュニティ高等専門学校との海外友好校交流を中心とした東京都教育委員会海外学校間交流推進校に指定されています。また、SDGsの理念を活かした持続可能な農業と環境の両立、農業生産の安全・安心を客観的に証明できる農業生産工程管理(JGAP)による取り組み、スマート農業技術を授業に取り入れ、課題解決型学習の深化を図るための東京都教育委員会TOKYOデジタルリーディングハイスクールに指定され、センシング機器を活用したデータサイエンスに基づく作物栽培など、新しい農業学習にも取り組んでいます。
初代校長の思いを今に引き継ぎ「勤勉、勤労」を校是として、前向きで労をいとわない若者、我が国の農業・園芸文化、食品産業、健康や環境を創造する実践的産業人、「答えのない課題」と向き合う力、変化の激しい時代に「学び続ける」ことのできる人材の育成を目指し、これからも園芸高校生と園芸高校の価値創造を進めてまいります。