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東京都立両国高等学校・附属中学校

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2025/02/19 高校生

「都立高校生等の海外派遣研修」成果報告会

2月16日(日)東京都教職員研修センターで海外派遣研修の成果報告会が行われました。昨年の11月にオリパラシティコース(フランス)に派遣された4名が発表を行いました。

午前の分科会では瑞穂農芸高等学校(UAE)、成瀬高等学校(フランス)、六郷工科高等学校(フィンランド)と同じ発表会場になりました。

瑞穂農芸高校はUAEの米の自給率の低さに注目しました。「自給率が低い原因はサギ科の鳥が少ないこと?日本も気候変動で同様のことが起きるのでは」という仮説を立て、生態系サービスに焦点を当てて現地で観察を行ったそうです。成瀬高校はジェンダーやバリアフリーについての研究でした。フランスではあまり物理的なバリアフリーは進んでいないが、その分、言動や精神的バリアフリーが浸透している、という興味深い説明がありました。六郷工科高校は、節電をテーマとし、テクノロジーの必要性について問題提起しました。また、現地の高校には学んだことに対する出番が数多くあり、学びへのモチベーションが非常に高いこと、自由度が高いのに生徒にしっかりと自律心があることなどを発表しました。両国高校はフランスと日本の教育制度の違いに注目しました。特に外国語の習得に焦点を当て、第二(第三)言語をどのように学ぶのが良いのかを分析し、理想的な授業を提案しました。

参加した4名は、他校の専門性を生かした独自の着眼点、高い分析力と表現力を目の当たりにしました。他校の発表にただ感心するのではなく、新たな問いを探しながら発表を聞き、実際に質問をすることで応えました。互いに刺激を受けて学び合える、素晴らしい分科会となりました。

午後の全体会では上智大学言語教育研究センター長、藤田保様のご講演「Beyond the Boundary グローバルな社会で生きていくために」を聞きました。グローバルな社会で生きるために必要な知識や、開発、国際協力を行ううえで大切な感覚について教えていただきました。藤田様はカンボジアに長期滞在されたご経験があり、シェムリアップやアンコールワットなど、両国高校にご縁のある場所のお話もありました。「知る、共感する、考える、で止まらず『行動する』ことが大切」「グローバル人材に必要なのはフラットに色々な人と付き合える心もち、オープンマインド」「Trial & Error 30代前半までの失敗は失敗ではない。『人生の糧』」などの印象的なお言葉がありました。

今回の参加者4名をはじめ、両国高校には「行動」し、自ら学ぶことができる生徒がたくさんいます。藤田様のお話にあった「先進国の価値観を押し付けて開発して『あげる』のではなく、現地の人々に何が本当に必要か考えるべき」という感覚も、実際にカンボジアスタディツアーに参加した両国生たちは誰かに教わることなく、自身の心で感じて帰ってきました。

一歩踏み出して行動する勇気、欲しいチャンスを手にするための学力、チャンスそのものの存在に気づくアンテナ…たくさんの大切なことに気付かされた一日でした。

0219海外