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2024/01/29 中学生
卒業研究最終発表会
1月23日(火)5,6限に中学校3年生の卒業研究最終発表会を行いました。クラス代表2名ずつ、計6名の発表です。例年、この発表会は2年生も参観しています。今回は、2年生はもちろんのこと、2年後を見通して1年生も、発表の一部をギャラリーから参観しました。
代表発表者のテーマは以下の通りです。
①江戸川区の小松菜販売の戦略としてハンバーガーを活用するメリットとは
②災害時にペットと共生するにはどうすれば良いか
③HIPHOPとJ-POPの違いから考えるHIPHOPミュージックがより紅白歌合戦に出場する方法とは
④オノマトペは日本漫画にどのように貢献できるか
⑤浅草から学ぶ石原中心会(=墨田区内の商店街)の活性化方法とは
⑥としまえんを超える遊園地を作るにはどうすればいいか
3年生の皆さんは2学期末に卒業論文を提出しました。その後、冬休み中にパワーポイントスライドの作成、発表準備をし、3学期が始まってすぐに班内発表、クラス内発表を行いました。代表発表者の皆さんは、さらに放課後のリハーサルを経て発表に改良を加え、最終発表会に臨みました。当日はそれぞれが自分の研究の独自性を存分にアピールし、研究の動機や意義を明らかにしながらしっかりと語ってくれました。
発表後、慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科特任教授の横田浩一様よりご講評頂きました。横田先生はそれぞれのテーマや今後の深め方についてコメントしてくださいました。また、2、3年生全体に向けて、「探究学習と将来」についてお話しくださいました。横田先生は、鶏の解体ショーによって「食べ残しゼロ」を目指す活動をされている方を例に挙げました。(探究学習や研究においては)「自分の体験をもとにした動機がとても大切です。そういう『ネタ』は将来の『アクション』になる。(自分の研究や探究学習の経験が)将来の自分の職業にもつながることがあると知っておいてほしい」とお話しされました。このことは、3年生にとっては高校の探究を、2年生にとっては2月末から始まる卒業研究のテーマを考えるための大きなヒントになりました。
両国附属中学校の生徒は日々、宿題やこなすべき課題に追われています。高校入試はありませんが、学校生活に余裕があるとは言えません。その中であえて時間のかかる探究学習に取り組む価値とは何でしょうか。それは、「数値では測れない『学力』を育むこと、またはその存在に気づくこと」だと思います。自分の興味・関心や社会課題から問いを見出し、その解決方法を、自分のもてる全ての知識を動員して探る。別々の場所から取り出した情報を独自の視点で結び付け、新たな考えを生み出す。そういった総合的な学力が生きていくうえでは必要です。学業においては数値で比較されることの多い生徒たちですが、実はその「数値だけ」に意味があるわけではない、と気づくことも大切です。日々の努力で得た知識を鍵とし、どの扉が開くか試してみること。これが探究です。扉は自分で行動してみない限り見つからず、開くこともありません。たとえ扉が開かなかったとしても、「この鍵でこの扉は開かなかった」と知ることは、自分の確かな経験や知恵となります。そしてその経験や知恵は他人に負けたり、奪われたりすることはありません。数値で比較されることの多い「進学校」の生徒ほど、探究学習を通して、適切に「困り」を経験すべきだと思います。研究部としてはこれからも、より探究学習を充実させられるよう、指導法を「研究」していきます。
卒研に苦しむ3年生を支えてくださったすべての皆さま、ありがとうございました。(研究部)