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東京都立両国高等学校・附属中学校

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2022/05/20 中学生

総合的な学習の時間「志学」(中学3年生)

午前中の校外学習で各ツアーに参加した後の午後のワークショップでは、リディラバの菅野さんを講師としてお招きして「課題設定力」を身につける目的のグループ活動を行いました。冒頭の説明では「なぜ課題設定は難しいのか?」との問いに対して、私たちが「課題を与えられることに慣れているから」との指摘があり、「課題とは与えられるものでなく自分で考えることが大事」と教わりました。また、「課題」とは何か、「課題」をどのように特定していくのかなど1つ1つ体感しながら進行しました。

始めに、模造紙と付箋を使って、体験したテーマ(ロボット・林業・ゴミ問題)の10年後の「理想」と「現実」を関係者ごとに対比してまとめました。次に、理想の実現に向けて解決しなければならない「課題」(それを良い方向へ変化させる)を考え、そのためにすべきこと(to do)と実現の「難しさ」を考えて、「解決策」を個人で思案し、グループでディスカッションを行いました。「解決策」を見出す過程でさらに「課題」を発見するなど、解決策・課題の「深掘り」を繰り返すことで理想の実現に近づくことを実感できました。

講師のリディラバの菅野さんからは、「理想」と「現状」の2つの差(ギャップ)が「課題(問題点や解決すべき点)」になるということを教わり、生徒からは、『事実(現状)→理想→問題点→解決策』というようにステップを踏むプロセスをわかりやすく学べたことは、自分たちの課題研究をする上で参考になったとの声が多くありました。

【生徒の気づき・感想】

・社会問題は、大きくて手がつけられないような問題でも、小さい問題の集まりだと認識して、小さい問題を1つずつ解決していくという流れに納得した。

・社会問題を解決していこうと聞くと、やはりどこか遠く、自分の力では、どうしようもない問題だと捉えてしまいがちだが、(ごみ問題解決の)ピリカのように、明確な目標を一歩一歩着実に決め、解決していくというサイクルをきちんと完遂していると分かったので、自分としてもできることをしっかりやりたい。

・ツアーに参加し課題解決を目指したことで、未来に自分たちができることが少し明確になった。

・これまでは、課題を始めに考え、それを解決していくという方法で課題解決を行っていましたが、「現状」や「理想」を先に考えることで、より明確に課題を見つけられると思う。

 

ワークショップのまとめとして、菅野さんから「課題は、理想と現状のギャップ!つまり、理想がないと課題も生まれないので自分なりの理想を持とう!」という話がありました。今回の授業を通じて、単に課題設定や問題解決の手法が、定期考査(「自律自修」)、卒業研究、社会・ビジネスなど様々な場面で活かせることを学べただけでなく、生徒一人一人が大きな“夢”を抱き、そこへつながる“理想”“志”を持って生きていくことが自己の成長・自己実現には欠かせないことに、生徒も教員も改めて気づかされました。ありがとうございました。

 

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