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2026/01/14 お知らせ

ベニバナを通した学習のまとめ(3年選択生物)

 昨年(2024年)の修学旅行で、山形県米沢市立上郷小学校の当時の6年生からベニバナの種をいただき、それを生物の授業を通して次のように取り組みました。

 

1.ベニバナの栽培

2.栽培の様子をまとめたポスター作成

3.栽培したベニバナを用いての紅花染め

4.紅花染めの様子をまとめたポスター作成

 

1.ベニバナの栽培

 いただいた種を4月15日に蒔き、4月22日には芽を出し、6月17日に最初の花を咲かせました。6月20日から花弁の収穫を始め、種が実って8月4日に刈り取りました。しっかりと乾燥をさせ、9月2日に種を取りました。

 花が咲いた様子などは、以前の記事をご覧ください。

250620071536508~2.JPG250620122103575~2.JPG

2.栽培の様子をまとめたポスター作成

 4月から栽培の記録をポスターへまとめ、生物室前へ掲示ました。

 授業ということで、計量等も行いました。

・播種した種子 22粒 1.02g(0.046g/粒)

・発芽した種子 17粒

・発芽率 77.3%

・できたつぼみの数 25個

・収穫した花弁の乾燥重量 1.45g

・収穫した種子 266粒 8.62g(0.032g/粒)

250708134834240.JPG収穫した時より、乾燥した花弁の紅色がはっきりしています。

250902143452878.JPG種子の数をもらさずに数えました!

250902143607584.JPG肥料が少なかったのでしょうか。種子の1粒当たりの重量が軽くなっています。

ベニバナ栽培ポスター

3.栽培したベニバナを用いての紅花染め

 10月には採取したベニバナの花弁を用い、紅花染めを行いました。

 紅花染めは、ベニバナ(紅花)の名前の漢字が示すように、一般的には紅色に染めます。しかし、ベニバナの花弁には紅色の色素だけでなく黄色の色素も含まれ、4月から大切に育ててきたベニバナを無駄にしないため、それぞれの色素を使い、染めてみることにしました。

 収穫できた花弁の量だけではやや少ないこともあり、ベニバナの花弁を買い足しましたが、色素の抽出から染色までの工程を全て授業で行いました。その際、絹と綿のハンカチを用意し、染まり具合の違いも見ました。

 色素の抽出は、まず黄色の色素から行います。花弁を水切りネットへ入れ、水の中で何度も何度も揉み出し、黄色の色素の抽出を行います。紅花に含まれる黄色の色素の量には、本当に驚かされます。その後、炭酸カリウムを用いて塩基性にした水溶液で紅色の色素を抽出しましたが、黄色の色素量との違いに驚き、紅花染めが高価だということを実感しました。そして搾りかすは、2つの色素を抽出し、本当に『搾りかす』となっていることに気付きます。

251021145923614.JPG黄色の色素の抽出 251022092839017.JPG紅色の色素の抽出

 そして抽出液をろ過をした後、輪ゴムを用いて絞った絹と綿のハンカチを染色します。黄色の色素については、カリウムミョウバンを用いて媒染して染色をしました。紅色の色素については、クエン酸を用いて中和させて染色をしました。

251028132740780.JPG黄色の色素で染色 251028134059733.JPG紅色の色素で染色

251029093726079.JPG

左上:絹 黄色と紅色 右上:綿 紅色

左下:絹 黄色    右下:絹 黄色と紅色

 

4.紅花染めの様子をまとめたポスター作成

 染色の記録をポスターへまとめ、生物室前へ掲示ました。併せて、染色した綿の布も飾りました。

 黄色については絹はよく染まりますが、綿は染色の工程を繰り返してもほとんど染まらず、布の違いを感じました。

 紅色については絹も綿も染まりますが、発色の違いを感じました。今回の染色を通し、先人達は染色の科学的な背景が無い中で紅花染めを確立していったことに驚きました。

紅花染めポスター

 

最後に…

 修学旅行先での偶然の出会いを、このような学びへとつなげることができました。

 担当した理科の教員としても貴重な体験をさせていただき、その出会いに感謝するとともに、受講した生徒もまたとない経験ができたと思います。

 本当にありがとうございました。

ベニバナポスター公開用生物室前に、ポスターと紅花染めの布を掲示しました。