ニュース
2026/01/05 日々農産
マレーシア海外派遣研修(3日目) ー旅が未来の自分を変えるー
朝のクアラルンプールは、少し蒸し暑いのに、どこか心の温度とちょうど重なるような不思議な空気がある。
3日目。この街の匂いやざわめきが、もう“知らない場所”ではなくなってきた。

元気に朝食もしっかりとって今日の見学先に向かって出発した。
ロードサイドはパームヤシのプランテーションを目にする時間が長い。
パームヤシ、ココヤシ、汽水域のヤシなどを見てきたが、だんだん見分けがついてくる。
今日は水田を見ることもできた。

■ Camaroe Berhad(エビ養殖・加工企業)

そのひとつひとつに、命が育まれる音のような微かな波が揺れている。

この養殖場では、持続可能な水産養殖を実現するため、水質の安定化に役立つプロバイオティクスの研究を進めているということだ。乳酸菌・酵母・バチルス菌など、「水環境で働ける善玉菌」を池に加え、これにより薬剤使用を抑え、環境負荷を減らしながらエビそのものの健康を守る取り組みが進んでいるという。


それが、今年のエビ養殖についての探究を通じて生徒たちがつかみ取った“核心”であったと言える。

ただ育てるのではなく、その先の形、価値、届け方まで考える仕事がある。それを生徒たちは世界規模で理解することができた。このように非常に有意義な学びの場を設けることができたのは、御協力いただいた国内外の企業の皆様のおかげです。心より感謝申し上げます。
■ 筑波大学マレーシア校(学際サイエンス・デザイン専門学群)
午後に訪れたキャンパスは、マレーシアのあたたかな風が吹き抜け、キラキラと輝いている。
理系・文系どちらでもない学際サイエンス・デザイン専門学群。いや、課題解決のためにはどちらの要素も必要とするのがこの学群であり、各分野のエキスパートの先生方がそろっている充実した教育環境である。
「学問とは課題を解決するためのものであり、この学校では、学問のための学問はしない」、学群長の辻村真貴教授は生徒たちに力強く語ってくださった。もはや正解のある問題を解ければ良いという時代ではない。課題解決のための正解を導き出す学びをする場所。生徒たちの中で大学のイメージが大きく変わったように見えた。

1年生の講義を見学させていただいた。
研究室を見学させていただいた山田洋一教授は、本校のホームページを見てくださっており、農産高校史上初の今回のマレーシア海外派遣に参加している今回の7人の挑戦について、新しいことに挑戦しようとしている同校の方針と非常に親和性が高いとほめて頂いた。
目の前のミクロの世界が、一気に広がっていくような瞬間——。
その体験を通して、生徒たちはきっと、学問がもつ面白さや、まだ見ぬ可能性に胸を高鳴らせたはずである。
■ セントラルマーケットにて
だんだん日が沈み、街の色が夕焼けに溶けていく。
その景色の中でふと、今日出会った人たちの言葉が頭に浮かんでいる。

「やりたいことは、環境を越えていく」
「挑戦すると、見える景色が変わる」
ここに来るまでは、“海外”はぼんやりとした遠い世界だったと思う。
でも今は、“自分もいつか、こういう場所で”という気持ちが自然と湧いているのではないだろうか。
セントラルマーケットで記念撮影

生徒たちにとって、この旅の目的はただの“見学”ではなく、“未来の可能性に気づくこと”と実感できた日となったはずだ。
文責・副校長 金子