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2026/01/05 日々農産

マレーシア海外派遣研修(3日目) ー旅が未来の自分を変えるー

朝のクアラルンプールは、少し蒸し暑いのに、どこか心の温度とちょうど重なるような不思議な空気がある。

3日目。この街の匂いやざわめきが、もう“知らない場所”ではなくなってきた。

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元気に朝食もしっかりとって今日の見学先に向かって出発した。

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ロードサイドはパームヤシのプランテーションを目にする時間が長い。

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パームヤシ、ココヤシ、汽水域のヤシなどを見てきたが、だんだん見分けがついてくる。                                                        

今日は水田を見ることもできた。

水田①

 

■ Camaroe Berhad(エビ養殖・加工企業

同社はセランゴール、パハン、トレンガヌの沿岸地に、100を超える養殖池を保有する食品・水産の事業者である。
目の前に広がるのは、静かな水面が幾重にも連なる巨大な養殖池。
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マラッカ海峡の湿った海風がほおをなでる朝、生徒たちはゆっくりと広大なエビ養殖場へ足を踏み入れた。
そのひとつひとつに、命が育まれる音のような微かな波が揺れている。
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生徒たちが息をのむその風景の奥には、“ただ育てるだけじゃない”という、同社の強い哲学が隠れている。スタッフの説明が始まると、生徒たちの目はすぐに、普段の教室にはない実践的な技術へ向けられていく。
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この養殖場では、持続可能な水産養殖を実現するため、水質の安定化に役立つプロバイオティクスの研究を進めているということだ。乳酸菌・酵母・バチルス菌など、「水環境で働ける善玉菌」を池に加え、これにより薬剤使用を抑え、環境負荷を減らしながらエビそのものの健康を守る取り組みが進んでいるという。                                

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「エビを育てる」という一見単純な仕事の裏側に、海を、環境を、そして未来の食を守るための技術がこれほど緻密に積み重ねられていることを知り、生徒たちの表情は驚きから、やがて尊敬へと変わっていくようであった。
 
スタッフのみなさんと地元の食堂で会食。現地の方と英語でコミュニケーションをとることにも少し慣れてきたようだ。
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夏に福島県の陸上養殖施設「HANERU葛尾」様を見学させていただき、国内における屋内施設での完全閉鎖循環型陸上養殖について学び、その意義と魅力を理解することができた。そして今回、現地においても持続可能な産業を目指して、環境へ影響がが懸念される慣行の収奪型の大規模養殖から脱却しようと努力している企業があることを知った。
 
エビを育てる産業が、自然を守ること、地域を守ることにつながる。
それが、今年のエビ養殖についての探究を通じて生徒たちがつかみ取った“核心”であったと言える。            
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ただ育てるのではなく、その先の形、価値、届け方まで考える仕事がある。それを生徒たちは世界規模で理解することができた。このように非常に有意義な学びの場を設けることができたのは、御協力いただいた国内外の企業の皆様のおかげです。心より感謝申し上げます。

 

■ 筑波大学マレーシア校(学際サイエンス・デザイン専門学群)

午後に訪れたキャンパスは、マレーシアのあたたかな風が吹き抜け、キラキラと輝いている。

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「自分の可能性を、境界線の外で確かめたい」、そんな思いを抱えた若者たちが集う、もうひとつの“TSUKUBA”である。海外で学ぶという選択肢が、生徒たちの前に急に現実のものとして目の前に現れた。

理系・文系どちらでもない学際サイエンス・デザイン専門学群。いや、課題解決のためにはどちらの要素も必要とするのがこの学群であり、各分野のエキスパートの先生方がそろっている充実した教育環境である。

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「学問とは課題を解決するためのものであり、この学校では、学問のための学問はしない」、学群長の辻村真貴教授は生徒たちに力強く語ってくださった。もはや正解のある問題を解ければ良いという時代ではない。課題解決のための正解を導き出す学びをする場所。生徒たちの中で大学のイメージが大きく変わったように見えた。

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1年生の講義を見学させていただいた。

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研究室を見学させていただいた山田洋一教授は、本校のホームページを見てくださっており、農産高校史上初の今回のマレーシア海外派遣に参加している今回の7人の挑戦について、新しいことに挑戦しようとしている同校の方針と非常に親和性が高いとほめて頂いた。

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また最新の電子顕微鏡に触れ、そして山田先生のお話を伺う中で、生徒たちは「生きものはどうしてこんなふうに成り立っているのか」「物質はなぜこう見えるのか」という、“世界の不思議”を見つめる視点をそっと手渡されたように思う。
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目の前のミクロの世界が、一気に広がっていくような瞬間——。
その体験を通して、生徒たちはきっと、学問がもつ面白さや、まだ見ぬ可能性に胸を高鳴らせたはずである。       
 
挑戦が日常になる、そんな筑波大学マレーシア校について知ることができた。南国の風が吹くキャンパスで、生徒たちの未来の景色がそっと変わりはじめたように思えた。

■ セントラルマーケットにて

だんだん日が沈み、街の色が夕焼けに溶けていく。
その景色の中でふと、今日出会った人たちの言葉が頭に浮かんでいる。

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「やりたいことは、環境を越えていく」
「挑戦すると、見える景色が変わる」

ここに来るまでは、“海外”はぼんやりとした遠い世界だったと思う。
でも今は、“自分もいつか、こういう場所で”という気持ちが自然と湧いているのではないだろうか。

セントラルマーケットで記念撮影

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生徒たちにとって、この旅の目的はただの“見学”ではなく、“未来の可能性に気づくこと”と実感できた日となったはずだ。

文責・副校長 金子