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2025/08/23 日々農産
【ものづくりDX】福島県葛尾村でエビ陸上養殖の見学!
8月22日(金)、グローカルプロジェクトメンバーは
福島県葛尾村にある「HANERU葛尾」を訪問いたしました。
(前日、農業クラブのプロジェクト発表を終えてから合流した強者も1名)
本校は令和7年度DXハイスクールに採択されており、具体の取組として
・デジタルものづくりなど、生徒の興味関心を高めるデジタル課外活動の促進
・デジタルを活用したスマート農業等に対応した高度な専門教科指導の実施、高大接続の強化
に重点を置いており、本研修はこれに基づく教育活動です。
また、GE-NET20(実地・協働型)および海洋教育パイオニアスクールの活動にもつながっております。
葛尾村は福島県浜通りの双葉郡に位置する、自然豊かな山村です。
ただ、2011年の福島第一原発事故により全村避難となりいまだに帰還困難区域があります。
現在約480名の方が村内で暮らしていますが、約700名の方が震災後村外で暮らしている状況です。
村の木はアカマツでマツタケもたくさんとれるそうですが、
マツタケをはじめ山菜も川魚も、震災以後出荷はできなくなっているとのこと。
次の画像をみてどう思いますか。(近隣の自治体のものを含む)
自然が豊かだなあ、ということではない、
東京に暮らしていると気付けない、色々な課題を目の当たりにしました。
まず、株式会社HANERU葛尾の松延紀至社長が概要や今後の展望、課題などを説明してくださいました。
なぜ葛尾なのか、なぜエビなのか。今後の展望と課題、大変わかりやすくお話いただきました。
中でも「ものづくりDXは人件費削減のため」という言葉がすごく響きました。
DXというと、学校でも未だに単なるIT化ととらえられがちな部分があり、要不要論がありますが、
DXは「競争力を高めるための変革」であり、企業の在り方そのものを変える経営戦略である、
ということを認識して、学校の教育活動を進めていくことが大切であると改めて思いました。
また葛尾村の美味しいエビによるエビのテーマパーク構想も面白いものでした。
説明の後は、実際に施設を御案内いただきました。
コロンビア出身のベンジャミンさんの班
(英語もスペイン語も日本語ペラペラです)
奇しくも、1日まえに農業クラブ関東大会のあった浜松出身の大藪さんの班
青森出身の大山さんの班
温かく迎えて頂き、それぞれ話ももりあがります。
屋内施設での完全閉鎖循環型陸上養殖ですので、安心安全や環境汚染の心配は全くありません。
ただ、光熱費は相当かかるようです。
微生物担体を使った、循環系硝化脱窒槽や水再生系硝化脱窒槽の話は専門科目の学びにつながるものがありました。
施設内はもともと水道技術者であられる松延社長の技術が徹底的に反映されています。
また、水質監視盤を用いて24時間体制で、水温や溶存酸素など水質を管理しています。
室内完全分離型養殖にDX化は必要不可欠です。
葛尾村でのエビの養殖を通じて、雇用創出や商品開発による地域の活性化、震災・原発復興、
さらにはエネルギー自給や残渣利用にもつなげていきたい、という思いが伝わってきます。
株式会社HANERU葛尾(@hanerukatsurao) • Instagram写真と動画
今後、11月の全国農業高校HANASAKA収穫祭でのコラボなどをさせていただきます。
生徒たちには、このような連携を通じて我が国の食や農の状況を自分たちなりに理解して、
国内の方にも、海外の方にも、自分の意見をしっかり述べられるようになってほしいと思います。
HANERU葛尾の皆様、貴重な機会を本当にありがとうございました!
本校は東京都東部地区唯一の農業系高校です。
食や農、環境、生きものに興味がある生徒、
身に付けた知識と技術を活かして 商品開発や地域貢献、六次産業化、
国際交流に挑戦したい生徒の入学をお待ちしています。