校章

東京都立久留米西高等学校

364粒目:生徒の登校しない雨の日に正門に立つ理由

2024/03/26

 今日は一日中雨模様でしたね。昨日が修了式でしたので、学校的にはいわゆる「春季休業中」です。それでも、出勤した後まずは正門に向かいます。どうしてだか想像してみてください。私としてはべつに無理して立っているわけではありません。そこある「日常」の中に溶け込んで、すれ違う人たちからパワーをいただいているだけです。そこには普段ならくるにしメンバーもいて、たくさんの「おはよう」とパワーをもらっているのですが、それがない分、より一層、力強い日常が感じられる気がします。たとえば、野火止用水の方角から傘と杖を手放すことなく一生懸命歩いてこられる方や合羽を被って自転車で通り過ぎる方がいらっしゃいます。普段にもまして完全な防水体制で前と後ろに子供を載せた自転車のお母さんもいます。そのどれもが、必要だからこその強い意志のある動きです。「今日は雨だから、出るのやめよう」という動きとは違います。もちろん散歩の方は雨の中無理して散歩する必要はないでしょう。本当は嫌かも知れませんが、「やらないという選択肢を持たない」強い日常を感じたいと思うのです。でもそうやって過ごせる時間も残すところあと数日となりました。

 ここ数日、通勤経路沿いの顔見知りの方々に異動のあいさつをしています。会うと必ず「おはようございます」と挨拶してくれる自転車の母子3人とも会話ができました。また通り沿いにお住まいで、いい香りで咲いている蝋梅の枝をくださった年配の女性には握手を求められました。他にもふれあいど~り商店街のいくつかのお店の方々。3年間でたくさんの出会いがありました。私にとってはどれも大切な出会いです。ありがたいことです。

 まだまだきちんとお別れをしたい地域の方がたくさんいらっしゃいます。あと数日となりましたが、その方たちと会えることを想像して、基本的には毎日正門に立とうと思っています。あるいは「さくらを観る会」で会えるといいなと想像しています。

 さて、毎回恒例のことですが、昨日の修了式の式辞の原稿を掲載したいと思います。今回は前半部分でヘルメットに関わる話として、かなりプライベートな話をしました。この後私が見届けることができないからこそ、新年度のヘルメット着用が少しでも進むようにできるだけのことをしたい、その一心からでした。少し生々しい話でもありましたので、嫌な思いをしたくるにしメンバーがいたら、申し訳ありませんでした。その前半部分を省略した後半部分と、離任式での話を掲載します。 それでは、どうぞ。

【式辞】 

 みなさん、おはようございます。校長の中村です。

  今日は2つ話をします。

前半はヘルメットについての話です。もし皆さんの中に、自身や大切な人が交通事故に遭ってつらい思いをしたことがある人は耳をふさいでいてもいいですよ。

 【中略】 240325ヘルメット

 さて、今日は修了式です。修了式は終業式とは違います。どこがどう違うか想像できますか。

 文字の違いからも想像できますが、終業式は各学期の終わりのけじめの式です。そういう意味では今日この日も確かに3学期の終わりの日です。しかし、今日はそれ以上に令和5年度という年度の終わりの日です。つまり一年間の終わりのけじめの日です。

 今年は前年度までとは違いコロナ禍での制約がほとんどなくなりました。ここにいるくるにしメンバー一人ひとりが今年一年を振り返った時に「コロナ」を言い訳にすることなく「なりうる最高の自分」になるための努力をできたでしょうか。自分自身でしっかり想像してみてください。進路を見据えた日頃の学習や部活動、体育祭や文化祭に代表される行事、「どう取り組んだか」「どう取り組むべきだったか」「来年度はどう取り組むか」しっかり想像して、さらに充実した学校活動にしていってください。

 毎年のことではありますが、お世話になった先生方のうちの何人かとは今年度の終わりをもってお別れをすることになります。既に教員の異動が新聞発表になっていますので、この後離任式をすることができます。お世話になった先生に対しては感謝の気持ちを持ちつつ、しっかりお別れをしてほしいと思います。

 お別れは寂しいことですが、約2週間後には新たな出会いもあります。4月8日の始業式では新しく着任する先生方との新しい出会いを楽しみにしていてください。

 48期生の3年生は既に卒業したためにこの場所にはいません。この場にいる49期生と50期生の皆さんは約2週間後の始業式を同じ位置で迎えることになりますが、それぞれ2年生と3年生です。そしてその翌日には新たに51期生の1年生が入学してきます。1つずつ進級して迎える新年度に向けて春休みはしっかりその準備に充てるようにしてください。

 以上で私の話を終わります。

 

【離任式】

 私がくるにしで行った3回の卒業式で卒業生に向かってこんな話をしました。

 「これからくるにしはみなさんの灯台になります」

 卒業という船出をして外の海に出ていく船を想像してください。自分の位置や進路、方向を確認する灯台が時として必要になります。みなさんにとっての灯台の一つにくるにしはなりますよ、困った時や苦しい時はここを訪ねて来て、ここで頑張った3年間のことを思いしてもいいんですよ、ということです。そう考えると皆さんは今くるにしという「湾」の中で自身の成長を促す3年間の真っただ中にいるということがわかると思います。

 

 去年は「想像してごらん」、今年は「看板を背負っている自覚を持って」「思考停止しない」「気づき」「覚悟」と皆さんにかけるキーワードをヴァージョンアップさせてきました。少しでも皆さんの心に残ってくれればうれしいです。

 それでは、私もくるにしという港から旅立とうと思います。ちょうど3年間、くるにしで育てていただきました。時折くるにしという灯台で自分の位置を確かめながら、次の学校でも頑張っていこうと思います。

 くるにしメンバーの皆さん、ありがとうございました。それでは、さようなら。

 240325離任式

①今朝は雨のため田無タワーが見えませんでした。修了式の昨日はくるにしメンバーと接した最後の正門でしたね。おはようカウンターは264回でした。今日は102回です。

 240325田無タワー 240325おはようカウンター

 240326おはようカウンター

②金曜日は新入生招集日でしたね。51期生となる「入学予定者」の皆さん、ようこそくるにしへ。

 240322新入生招集日