校章

東京都立久留米西高等学校

311粒目:遅くなりましたが、50周年行事の報告です その1

2023/11/11

 無事に50周年記念式典が終了しました。当日はくるにしに想いを持ってくださるたくさんの方々に来校していただきました。

 その中には今年になってから何度もくるにしの応援をしてくださっているFMくるめラパーソナリティーの柳瀬ゴローさんもいらっしゃいました。第2部「生徒による発表」も時間の許す限り見てくださいました。翌日には御自身の番組の中で紹介してくださったそうです。頑張っているくるにしメンバーの様子を発信してくださっています。ありがとうございます。

 さて、今回は「校長式辞」を掲載したいと思います。基本的にはこの通り読みましたが、来場した方々の想像をかき立てられればと相変わらずその場で一部調整しました。また時間を気にして少し早口だったかもしれません。では、どうぞ。

 

 東京都立久留米西高等学校  五十周年記念式典 式辞 

 東京都立久留米西高等学校創立五十周年記念式典を挙行するにあたり第17代校長として一言御挨拶を申し上げます。 

 今日のこの日に向けて計画を立て始めた当時、世の中は依然として新型コロナウイルス感染症の影響を受け、学校の教育活動のみならず世の中の様々な活動に制約を加えざるを得ない状況でした。そのような時期を経て今日のこの良き日を迎えるにあたり、御来賓として東京都議会議員渋谷のぶゆき様をはじめとした多くの方々の御臨席を賜り、また歴代の校長先生方や学校関係者の皆様、そして多くの同窓生の皆様に御来場いただき、創立五十周年記念式典を挙行できますことは、校長としてこの上ない喜びです。

 

  他にも今この会場には、現在、本校で同じ時間(とき)を共有している在校生・保護者の皆様・教職員が一堂に会しています。また第8代校長岡野正志(まさし)様からは本校に対する熱い思いをしたためた丁重なお手紙も頂戴しています。今日この日は、このように久留米西高校(くるにし)に想いを持ついわば「家族」が集まり、互いの想いを実感し共有する貴重な時間です。どうぞこのひととき、お一人お一人がくるにしに思いを馳せる時間にしていただければ、幸いです。 

 

 本校は昭和48年11月に初代杉浦武校長のもと東京都立清瀬高校に開設事務所が設置され、翌49年4月に同じく清瀬高校において入学式を挙行し、第一期生370名を迎えました。以来本年3月に卒業した47期生を含めて13,023名の有為の人材を送り出してまいりました。 

 そして、ここにおります48期生から50期生までの653名が諸先輩方の後に続くべく、本校で学びを深めています。 

 本校の周年行事記念誌「波播蘇(ははそは)」を紐解いてみると、諸先輩方が今に続くくるにしを想像して、どのような思いで一つひとつ作り上げてこられたかが伝わってきます。本校の教育目標である「すすんで学び すこやかで 思いやりのある人をつくろう」には、当時の時代や地域といった背景を反映させつつ、まだ見ぬ生徒とその成長した姿を想像した優しい視線を感じることができます。また式典の結びに歌う校歌にも歌詞作成の苦労や歌いやすさに配慮したメロディラインの工夫等、一つひとつの細かくも優しい想いを感じることができます。校歌はコロナ禍でここ数年合唱することが叶いませんでしたが、式典終了後の第二部「生徒による発表」の中でも、50期生全員による合唱を披露させていただくことになっています。その際にも御来場の皆様には思いを一つにしてぜひ御唱和いただきますよう、お願い申し上げます。ここ数年合唱できなかった分もこのホール一杯に高らかに校歌が響き渡る様子を想像してとても楽しみです。 

 

 今時代の変化のスピードが開校当時と比べても劇的に速くなっています。また「当たり前のこと」にもいくらか変化があります。開校当時はインターネットのない時代で、さしずめSociety3の時代だったと思います。現在時代はSociety5の時代と言われ、さらにChatGPTに代表される生成AIの登場とその進化で、さらに時代の変化のスピードに拍車がかかった状況にあります。そのため従来通用していた価値観や職業観が通用しなくなる時代が訪れ始めています。長年に渡って大切にしてきた教育目標にも「なりうる最高の自分を目指して」というキーワードをつけました。これは多様性を鑑み、教育目標をよりイメージしやすくする意図があります。そのような中で本校も学校として多くのしかけを施して生徒の成長を促すべく教育活動を展開しています。 

 現在のくるにしは、生徒有志実行委員会による体育祭や本校の文化祭「楢葉祭」の運営等様々な経験を通じて生徒の主体性を尊重し達成感を実感できる活動を大切にしています。この後引き続いて行われる第二部「生徒による発表」でも48期生が最上級生として周年行事を牽引すべく、実行委員会を起ち上げて50周年記念制作や映像等の企画を考えて準備してくれました。また本校では日ごろからあらゆる場面を通じて「気づき」「想像し」「思考停止しない」で深く学ぶことを強調しており、その一連の流れを本校独自の「地域協働型探究活動」として展開しています。学校所在地である東久留米市に御協力いただき、49期生全員で取り組み、先日行われた中間報告会を経て本日代表の2グループの発表も同じく第二部の中で御覧いただきます。先ほどお話しした50期生の合唱も含めて各学年・授業・部活動で趣向を凝らした第二部「生徒による発表」もぜひ御覧いただきたいと思います。 

 

 最後になりますが、私が本校に着任して以来、卒業式のたびに式辞の中で話している話があります。「くるにしは卒業生の皆さんの灯台になります」という話です。卒業という船出の後、苦しかったり不安だったり迷ったりした時に、灯台の灯りが船の位置を知らせるように、常に同じ場所にあって灯りを灯して励まし続けるのがくるにしという灯台だという意味です。灯った灯(あか)りは道筋を示してくれるだけでなく心の支えになる時があるでしょう。今日ここにお集まりいただいた皆さん一人ひとりが灯りを持った船だと思います。社会という海を不安を抱えながら一人で進んでいても、周りを見渡してみると性別も年齢もバラバラの「くるにしの灯(ひ)」を灯した仲間がいる。そして互いの位置と一人ではないことを知り、励まし、支え合っていく。在校生の皆さんも今は支えてもらう立場でもいずれそれぞれが心に「くるにしの灯」を灯して次の世代を支える立場になっていくことでしょう。

 50年の歴史に培われたそんな暖かくも優しい人のつながりと振り返ると常に暖かい光を放って同じ場所にあるくるにしの関係が幾久しく続いていくことを祈念しながら、校長の式辞といたします。 

     令和5年11月7日 

                             東京都立久留米西高等学校第17代校長  中村 弘志 

 

 今回は校長式辞を掲載しましたので、式典会場の様子は次のブログにしますね。

①今日は土曜日ですが、女子バスケットボール部の保護者会があるため、学校に来ました。この後別の場所で全国高等学校国語教育研究大会全国大会の打ち合わせがあるので、少し仕事をしてから向かおうと思っています。田無タワー方面の空は黒い雲だらけでした。午後からは雨ですかねぇ。

 231111田無タワー