校章

東京都立久留米西高等学校

188粒目:なんとなく緊迫感を持ちながらも、昔の人たちに思いをはせながらお正月を過ごしています

2023/01/01

 くるにしメンバー並びにくるにしサポーターの皆さん、新年あけましておめでとうございます。令和4年度もあと3ヶ月、どうぞよろしくお願いいたします。

 皆さんはお正月をどのように過ごしていますか。

 私は息子と二人でテレビで紅白歌合戦を観てからジャニーズカウントダウンを観るという毎年同じパターンで新年を迎えました。そしてこれも毎年恒例ですが、息子と二人で年が変わる瞬間は地球上にいませんでした。23時59分59秒に飛び上がって、2秒後の0時0分1秒に着地するという、よくあるアレです。大晦日で酔っ払った父にそそのかされて当時小学生だった息子と始めた恒例のパターンです。いまだに何となく息子がつき合ってくれています。毎年恒例があるっていいなぁと感じています。息子に感謝です。

 今日の外出は初詣に出かけたくらいで、極力人込みには出ないようにおとなしくしていました。やはり10日からの修学旅行が気になっています。修学旅行期間中に感染者が出た時のことを想像して、修学旅行に向けての体調管理と感染予防にできる限りの努力をしながら日々を過ごそうと考えているからです。もちろん私もずっと部屋に閉じこもってばかりいるわけではありません。2年生のくるにしメンバーはみんなどうしているでしょうか。

 お互いに「できる限りの努力」をしましょうね。

 さて、お正月と言えばお雑煮やおせちを食べるくるにしメンバーが多いと思います。これらの料理にはその土地にまつわる理由があったりして、想像してふるさとや地元を感じるきっかけになることが多いですよね。

 私の田舎は鳥取県鳥取市です。私自身は鳥取に住んだことがありませんが、両親が鳥取市出身で、親戚がたくさんいるし、お墓もあります。東京からは飛行機で約1時間で鳥取コナン空港に到着します。そんな中村家のお雑煮は、餅は丸餅、汁の具材は小豆です。話を聞いてどんなものか想像できますか。そう、皆さんもきっと食べたことのあるアレです。ちなみに今回は切り餅を焼いています。

 中村家の雑煮には野菜や肉は一切入りません。子供の頃からそれをずっと「お雑煮」として食べていたので「お汁粉」や「ぜんざい」といったものを見たり食べたりした時にその違いわからずに混乱していました。

 当時の私には、これが「文化」の違いだということが想像できなかったんです。

 だんだん大人になるにつれて、甘い「お雑煮」を欲しいと思わなくなっていきました。そんな私が初めて「鶏肉・野菜・醤油仕立て」の「お雑煮」を大学の先輩の家でごちそうになった時の私のショックを想像してみてください。忘れもしない大学4年生の正月でした。恥ずかしながら、「自分の家で当たり前なことがすべての家で当たり前というわけではない」ということをこの時に痛感しました。初めて「文化」が個人の家や地域といった個々のレベルにも存在すると感じた瞬間でした。

 しかし、反面自分のルーツに関わる「文化」は大切にしていきたいとも思いました。私が引き継がなければその「文化」は途絶えてしまうかも知れないということを想像したんです。そうして私は受け入れることができるようになりました。

 皆さんの周りにも様々な形でその家や地域独自の「文化」があるかも知れません。場合によってはちょっとしたプライドになる場合もあると思います。知らないで途絶えさせるくらいなら、知ってから途絶えさせるかを判断できるようになるといいですね。もちろん、悪い「文化」や「風習」でないことが大前提ですけどね。

 ちなみに中村家のお雑煮は「小豆雑煮」と言って山陰地方と一部島しょ部に「点在」しているそうです。「点在」ということはところどころに残っている文化ということのようです。また小豆には「邪気を払う」という言い伝えがあるそうです。やっぱり根拠があるんですね。勉強になりました。このお雑煮を食べながら食卓を囲んだであろう、昔の人たちのことを想像しながらいただきたいと思います。

 皆さんが普段食べている「お雑煮」の話もぜひ聞かせてくださいね。