校章

東京都立久留米西高等学校

176粒目:【くるにしのしかけ】やっぱりくるにしの探究は地域連携でいきます!

2022/12/05

 先週の金曜日と今日連続して探究関係の出張に出かけました。

 先週の金曜日は国立オリンピック記念青少年総合センターで行われた「令和4年度探究フォーラム」でした。都立高校の中で探究活動に力を入れている32校が一堂に会して、現在の様子についてポスターセッションの形で発表しあう情報交換会でした。多くの学校発表を見ることができてとても参考になりました。大学の研究室と連携して個人の研究をサポートしている学校や企業との連携をしている学校、地域性を最大限に活かした商品開発をする学校、STEAM教育と関連付けてキャリア教育をしている学校等、各学校の特長を活かした様々な探究活動のやり方がありました。それぞれの学校が真剣に想像していることが伝わってきます。

 ここで特に参考になったことは、多くの学校で「探究アドバイザー」等の名称で何らかの形の外部支援を受けていることでした。くるにしの来年度以降を想像してみると、複数の学年で探究活動を行っていくことになりますので、外部人材の活用は有効であると再認識しました。

 続いて今日は、東京都立羽村高等学校の成果報告会に参加しました。同校は昨年度の西部学校経営支援センター特別指定校です。つまり本校と同じ指定を受けている先輩です。どのように成果発表会をするのか参考にしたいと思っていました。同校はインターンシップを軸としたキャリア教育という形の探究活動というテーマを掲げています。インターンシップということは地域に多大な協力を求めることになるという意味では、本校の地域協働と比較的似ているかも知れません。

 しかし、本校は学力と切り離してそれぞれが確実にすることのできる「想像」を軸に課題解決能力をつけていくことに特化して、地域資源を活用し、その経験と身につけた自信で自らの将来を切り拓いていくキャリア教育を目指しているので、方法論が違います。そのあたりの違いをしっかり認識しながら、報告に耳を傾けました。

 ちょっと難しい話になりましたが、両日ともとても参考になりました。

 221202オリセン 221205羽村高校

 今日はもう一つ話があります。これは今朝あった実話です。

 2学期期末考査初日の今日、いつものように朝の正門に立っていたところ、自転車に乗った2人の女子生徒がまっすぐ私の所に来て話しかけてきます。2人の話を聞いてみると、本村小学校前の交差点でおばあちゃんが具合悪そうにうずくまっているとのことです。話を聞いてすぐさま現地に駆けつけると、交差点の反対側から年配の女性2人と東久留米総合高校の女子生徒に抱えられるようにしておばあちゃんがこちらに向かって横断歩道を渡って来ました。おばあちゃんは確かに肩で息をしていてとても具合が悪そうです。東久留米総合高校の女子生徒は正門前で挨拶を交わす顔見知りの生徒でした。学校に遅刻しないように彼女には学校に登校してもらい、ひとまずおばあちゃんには安全な場所に腰かけてもらって、女性2人と私で状況確認します。女性2人は散歩途中でたまたま通りがかったそうです。手や背中をさすったり、体が冷えないように気を配ってくれます。具合の悪い当該女性は年齢90歳以上、この団地に一人でお住まいだということがわかりました。どうやら買い物に出かけて急に息苦しくなったようで、回復するまでうずくまっていようとしていたとのことです。息苦しそうではありますが、幸い会話はできます。そこにたまたま団地住民と思われる女性が通りかかったので声をかけました。残念ながらおばあちゃんを見ても面識がないとのことでしたが、おばあちゃんが話した部屋番号と名前を確認に行ってくれました。また団地の自治会長を呼びに行ってくれました。

 会話が成立していることと、一見しての様子から救急車を要請するほどの状態ではないかも知れないと思いました。しかしその場に居合わせた誰もがその判断が正しいかに自信が持てない状態です。そこで、私は目の前にある本村小学校に電話をして応援要請をすることにしました。本村小学校の赤羽根校長先生はくるにしの学校運営連絡協議会の委員をお願いしているので、面識があります。電話で事情を説明したところ、すぐに毛布や様々な道具を持って保健室の先生を連れて来てくれました。

 それから先は保健室の先生が、さすがにプロという手際でおばあちゃんと会話しながらてきぱきと状況判断をしてくれました。その頃には団地の自治会長さんも駆けつけてくれて、最終的には自治会長さんと保健室の先生の2人で両脇を抱えて部屋まで連れて行ってくれました。女性2人にお願いすることで申し訳ない気もしましたが、女性の介抱でしたので正直助かりました。

 学校に戻ってしばらくした頃に、本村小学校赤羽根校長先生と保健室の先生からそれぞれ別々に電話でその後の報告をいただきました。近くに住む親族に連絡が取れ、担当の民生委員も訪問してくれることになったとのことでした。

 体調が悪く寒空の下で道端にうずくまっていた90代の一人暮らしの女性のために様々な立場の人たちが関わりました。くるにしが3人、東久留米総合高校が1人、散歩中の女性が2人、本村小学校が2人、自治会長を含めて団地住民が2人。その後の親族と民生委員を含めれば、12人以上の様々な立場の人間です。今回の対応として絶対的な正解ではなかったかも知れませんが、それぞれの立場の人間ができることをやって連携しました。

 最初に正門で私に教えてくれた2人のくるにしメンバーがいなければ、きっと別の展開になっていたでしょう。また、たまたま私が正門に立っていなければどうなってでしょうか。想像するとキリがありませんが、連絡してくれてありがとうね。おばあちゃんは無事でしたよ。

 そうだ、おばあちゃんを介抱してくれた東久留米総合高校の女子生徒にも、次に正門で会ったら、ちゃんと報告してあげたいですね。

 今回はこの地域が抱える高齢者対応の課題も少し見ることができました。また、地域が連携すること、そのハードルを低く保つことの大切さを知ることになりました。

 やっぱりくるにしは「地域と連携して地域の課題に向き合う探究活動」を進めていこうと思いました。

①今日は寒かったですね。田無タワー方面はどんよりとした曇り空でした。途中から正門を離れましたが、おはようカウンターはそれでも251回でした。

 221205田無タワー 221205おはようカウンター