校章

東京都立久留米西高等学校

117粒目:違和感を大切にしよう

2022/06/08

 今日は5限に1年生全クラスの「総合的な探究の時間」を参観しました。

 1年生は新学習指導要領に基づく新しい教育課程の初年度になります。その中で「総合的な探究の時間」について、現在の2・3年生は1年で1単位、3年で2単位の合計3単位ですが、1年生は各学年1単位の合計3単位に移行します。これに伴い3年間の学習内容についても大幅に変更することになり、昨年度「探究PT(プロジェクトチーム)」を発足させて、周到に計画を練ってきました。

 特に3年間を通して使用する教材の一つとして、株式会社エナジードの探究プログラムを導入して、より効率的に学習していけるように工夫を施しています。

 今日はそのプログラムに基づいた授業でした。

 今日は「新しい時代を作っていくには、いつの世でも違和感を持つことが大切である」という内容でした。

 「もっと〇〇したい」や「違和感」から未来につながる新しい発想が生まれることはよくあると思います。普段私がこのブログでも強調している「想像する」ことの大切さと直結していると思います。今回の授業では動画を見てイメージを持った後に、「日常の中で感じる違和感」を各自で想像してみるという活動をしました。またそれをグループ内で発表しあって、それぞれが感じていることを相手に伝え、共有し、共感するという活動につなげていきました。多くの生徒が真剣に取り組んでいました。

 なかなか想像できずに、テキストへの書き込みが進んでいない生徒も一部いました。本来なら私は授業者ではなかったのですが、せっかくの時間がもったいないと思い、ちょっとだけ想像する手助けとして、具体例として「さんぽセル」の話をしました。

 みなさんは「さんぽセル」という商品の名前を聞いたことがありますか?最近メディアでもよく取り上げられている商品です。具体的には小学生が背負うランドセルに取り付けて、キャリーバッグのように転がして運べるようにする便利グッズです。インターネットで検索するといろいろなページがヒットしてきます。その使用に関しては賛否両論に分かれていますが、それにはここでは触れません。私が注目していることは、この商品の発案者が小学生だということです。

 小学生にとってランドセルを背負うという行為は日常です。そしてそのランドセルがとても重たいことも昨今問題視されています。そこで普段から重たいと「違和感」を感じていたことから「もっと簡単に運びたい」と考えて、「もっと簡単に運べるようにするにはどうしたらいいか」を想像して、「さんぽセル」に行きついたことが想像できますよね。今回の授業で1年生に学んでほしかったことはまさにここにあります。

 この具体例を話したところ、少しイメージができたようで、自分たちの日常の中の「違和感探し」を始めてくれました。

 この授業は今後、この「違和感探し」をウォーミングアップとして、自分たちの周りの様々な「日常」の中で何か「違和感」や「気づき」を持ち、それを解決したり、改善するにはどうしたらいいかを考えていくという3年間の展開を計画しています。その途中にはSDG'sにも触れます。また日常の身の回りということで「地域」に視点を置こうという計画になっています。

 そのために専門性の高いスタッフが揃っている嘉悦大学と高大連携協定を結んでアドバイスを受けることになっていますし、地域の方々と連携していく予定です。また、昨日、さらに大きなサポートを得ることができることになりました。この件については、また後日このブログでもお知らせします。

 今後の展開と1年生がどう変わっていくのかを想像して、ワクワクしています。

①今朝の田無タワー方面は曇り空でした。すこし肌寒い感じですね。おはようカウンターはここのところ数が増えていて、今日は318回でした。

 20608田無タワー 20608おはようカウンター

②探究の授業風景です。生徒一人ひとりが「日常の違和感」について真剣に考えているところです。

 20608探究② 20608探究③