校章

東京都立久留米西高等学校

87粒目:【祝卒業】想像の旅はまだ続きます

2022/03/06

 昨日は卒業式でした。私にとってくるにしで経験する初めての卒業式でしたが、前日のリハーサルから一段と緊張感が増し、式の最中はグッと締まった感じがしました。さすがに最上級生ですよね。退場の時に、各クラスがそれぞれの形で保護者への感謝の気持ちを表現してから退場するのも良かったです。

 3年生が授業の中で作った「くるにし辞典」見ました。その中で私の項目があるそうで、「正門の番人兼ブロガー」で口癖が「想像してごらん」と書かれているようですね。最高の誉め言葉だと思っています。みんなよく見てますね。

 さて、今回は卒業式の式辞を掲載しておきます。冒頭部分にアドリブを入れましたし、1ヶ所噛んだところがあったので、細かく修正しましたが、あとはほとんど原稿通りです。

 皆さんの心の中に何か想像を喚起するもの(「想像の」)があれば嬉しいです。それではどうぞ。

 式辞

 国立天文台の発表では今日が二十四節気の「啓蟄(けいちつ)」にあたるそうです。春の息吹を感じるこの良き日に、東京都立久留米西高等学校第46回卒業式を挙行するにあたり、新型コロナウイルス感染症拡大防止の観点から式の規模を縮小したことにより、来場人数の制限に御協力いただいた保護者の皆様やこの場に参列いただけない御来賓の方々のお気持ちを胸に留めながら、遠くからではございますが深く感謝申し上げたいと思います。

 ただいま卒業証書を授与しました230名の卒業生の皆さん、改めて卒業おめでとうございます。久留米西高等学校の教職員一同、心から皆さんの卒業をお祝い申し上げます。

 卒業生の皆さん、皆さんの代は入学式こそ通常の形式で挙行することができましたが、3年間を通じて新型コロナウイルスの影響を多く受けることとなりました。特に修学旅行や校外学習、文化祭や体育祭といった皆さんの成長が期待される行事の多くが中止や規模の縮小となったことは残念でなりませんし、校長として申し訳ないという思いも持っています。しかしこの状況は私たちだけのものではなく、この国、さらに言えばこの地球が直面している危機的状況ということができます。そしてそれぞれの立場で立ち向かっていかなければならないことだと思います。そう考えた時に、私の目には、皆さんが今年最上級生として精一杯この学校を引っ張ってくれたと映っています。特筆すべきはやはり再三の延期と修正を繰り返しながら実施にこぎつけた今年度の体育祭と楢葉祭でしょう。昨年度のうちから有志の実行委員会を起ち上げて、この困難な状況の中で、自分たちのやりたいことを実現可能にしていく姿はとても頼もしく映りましたし、素直に応援したい気持ちになりました。これはどの先生方も一緒だったと思います。正直に言うと、実施の判断は非常に難しいものでした。しかし最後に実行委員会から共に尽力してくれた先生方に対する感謝の言葉が出たことで、皆さんの心の中に大切なものを残すことができたと感じることができて、実施できたことを誇りに思っています。

 さて、保護者の皆様。お子様の御卒業まことにおめでとうございます。

 保護者の皆様のお喜びもひとしおのことと拝察いたします。私が校長に着任して以来、事あるごとに「保護者と学校との連携」についてお願いしてまいりました。御協力いただきありがとうございました。感謝申し上げます。3年前平成31年4月9日の入学式の日にお預かりして以来、ともに成長を見守り続けてきたお子様を卒業生として本日保護者の皆様にお返しいたします。予定していた教育活動が十分でない中ではありましたが、それぞれが自分の進路を見つけ、卒業後の未来を切り拓くことができ、現時点で一部未定者がおりますが、進学及び就職の希望者のほとんどが進路を決めることができました。このような不安定な時代にもかかわらず、それぞれの生徒が自分の進路を見極め、進むべき道を切り拓くことができ、これ程嬉しいことはありません。

 最後になりますが、卒業生の皆さん、一学期の始業式で皆さんに初めて会った時に私が何を話したか覚えていますか。「来年の今頃、どこで何をしているか想像してごらん」という話です。どうですか、想像した通りの道を進むことになっていますか。必ずしも想像した通りにはなっていないかも知れません。しかしその時その時で真剣に向き合って切り拓いた結果が今この時のはずです。そして始業式の時にはさらにこう言いました。「5年後、10年後を想像してごらん」。これから皆さんはSociety5.0の社会で生き抜いていくことを求められます。変化の大きいその時代は、自分で調べ、自分で整理し、自分で考え、自分で判断するということがとても重要です。本校で身に付けたスキルを活用し、進学先や就職先で早く新しい環境に慣れ、自分の個性を生かしながら頑張って欲しいと思います。

 これから久留米西高校(くるにし)は皆さんにとっての「灯台」になります。船は灯台があるおかげで自分の位置を確認することができ、迷わずに進むことができます。皆さんもこれからの人生で時として迷うことがあるでしょう。また落ち込んでしまうこともあるでしょう。そんな時はどうぞ本校を訪ねてきてください。その時また一緒に考えましょう。今回の卒業証書の最後の番号は12,798番です。つまり12,798名の同窓生という心強い仲間がいるということです。

 さあ卒業生の皆さん。東京都立久留米西高等学校という港からの船出の時です。卒業生の皆さんの船出が幸多からんことと、本校で学んだことを活かし皆さんが新しい社会で自分の希望を叶えながら活躍することを祈念して式辞の結びといたします。

令和4年3月5日

  東京都立久留米西高等学校長 中村 弘志

①今朝の田無タワー方面は卒業式晴れでした。3年生はもうこの場からこの風景を見ることはないんですね。

②PTAから生徒と教職員にお菓子をいただきました。どうもありがとうございました。

③保健室の入り口に掲示してありました。卒業生の中には保健室にお世話になった人も多いと思います。感謝の気持ちは忘れずにね。

④卒業式の校内の様子です。最後のHR終了後は少々密な気もしますが、最後の名残を惜しんでいるようですね。

※86粒目で紹介した「職員玄関3月作品の仕掛け」については次回お話します。

 220305田無タワー 220305PTAお菓子

 220305保健室 220305梅と校舎jpg

 220305正門 220305生徒玄関

 220305式終了後