校章

東京都立久留米西高等学校

42粒目:「寄り添うって難しい」

2021/10/19

 先日とある新聞の東京オリンピック柔道女子70キロ級金メダリスト新井千鶴さんの引退会見の記事を見ました。(令和3年9月29日・東京新聞夕刊)

 その中で新井さんの担当コーチだった上野順恵さんの話が出ていました。

 上野順恵さん自身もロンドンオリンピック63キロ級銅メダリストです。

 

 新井さんは会見の中で上野コーチについての質問に、「私の生意気な一面も全部受け止めて、目標を達成するため一緒に歩んでくれた。感謝しかない。」と答えたそうです。

 上野コーチは別の取材の中で指導法について「新井の話をずっと聞く。とにかく聞く。」と答えたと紹介されています。

 本人が「口に出す」「人に伝える」。そうすることで「悩みが整理される」「話しながら考えをまとめる」そして「自分で答えを導き出す」ように仕向けるそうです。

 新井さんが話している間、上野コーチはじっと耳を傾けて、一切口を挟まなかったそうです。そしてひとこと、「じゃあ、そうやっていこう」と言うのだそうです。

 記事の結びには、「コーチとは教えることではない。ましてや、指示することでもない。選手が望む場所へ『送り届ける』ことなんだ。」と記者のコメントが載っています。

 

 こういう関係はすてきだなぁと思いました。目標に向かってひたむきに努力する人を応援する人間でありたい。素直にそう思います。

 

 学校はどうでしょうか。想像してみましたが、なかなかそのような関係にはなることは難しいと思いました。なぜなら新井さんは大人であり、自分の出した結果について責任をもって自分で引き受ける立場の人だからです。高校生年齢の皆さんとは背負っているものも責任も違うと思います。

 もちろん、自分のあるべき姿をしっかり想像して、責任を持つことに変わりはありません。でもみなさんはその道を見極める途上にいるからこそ、精神面だけではない具体的な「支え」が必要だと思います。それがくるにしの先生方が目指している「丁寧な指導」です。もちろんくるにしメンバーからすれば「口うるさい」かも知れません。最終的には「やらなければならないことをしっかりやり、やってはいけないことは確実にやらない」人になってもらいたいと考えています。そこには「想像」が不可欠です。

 ただ、指導する側にも「耳を傾ける姿勢」は必要だとも思います。果たして私自身がそれをできているか、今一度自分自身に向かって想像してみたいと思います。

 

 今日から中間考査が始まりましたね。「今やるべきこと」を想像して、それにしっかり向き合って、頑張ってくださいね。

 

①今朝は清瀬駅から歩いている途中に雨が降り始めました。雨の日はポンチョ等で視界は狭くなるし、路面が滑りやすくなります。とにかく自転車の運転には気をつけてくださいね。

②おはようカウンター、昨日は233回、今日は217回でした。

 昨日は散歩途中にいつも声をかけてくれる男性と出身地の話や仕事の話までいろいろと話しました。偶然ですが、私の父と同じ仕事をされていた方でした。別れ際に「校長先生、今度ウチに来てよ。一緒に飲もう」と言っていただきました。実現するかどうかは別として、誘ってもらえることはうれしいもんです。

 211019田無タワー 211018おはようカウンター

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