校章

東京都立久留米西高等学校

20粒目:「くるにし男子硬式テニス部 5年連続ベスト4おめでとう!」

2021/07/21

 夏季休業期間初日の今日は猛暑と言っていいほどの暑さと強い日差しの一日でしたね。

 この暑い中、本校のテニスコートを会場にして、「第65回都立対抗テニス選手権大会 男子団体」が行われました。

 本校男子硬式テニス部は戦績が充実していて、この大会においては昨年度まで4年連続でベスト4入りをし、準優勝も2度あるとのことです。また3年生にとってはこれが最後の公式戦で、トーナメントに負けるとその時点で引退となるということで、一段と高い緊張感で臨む大会とのことです。

 コロナ禍ということもあり、保護者の方の応援はできません。当然声援を送ることもできないので、静かにコート脇で見守りました。部員も拍手で応援していました。

 ダブルス2試合・シングルス3試合の合計5試合で3勝したほうが団体戦勝利というルールです。

 くるにし男子硬式テニス部はベスト8、準々決勝どちらの試合もダブルスで2勝した後、残るシングルス3戦のうち1勝すれば団体戦勝利という状況には持ち込みますが、相手校も当然必死なので、そう簡単に勝つことはできない緊迫した展開でした。特に準々決勝は対戦成績2対1で迎えたシングルス2戦目と3戦目が、時差をつけはしたものの隣同士のコートで並行して試合をする状況になり、どちらも目が離せない状況になりました。

 手前のコートのシングルス2戦目でくるにしが苦戦している中、奥のコートの3戦目が圧勝したことで、団体戦が決着するという幕切れで、なかなか見ごたえがありました。

 勝利を喜ぶくるにし男子硬式テニス部の部員たちを見て、先日の野球部同様素直に肩入れして応援できる環境に幸せを感じながら自分の「引退」の時のことを思い出していました。

 

 私は高校時代野球部でしたが、最後の夏の大会で負けて、高校野球の現役が終わった瞬間のことは今でも覚えています。

 当時は今と違い「練習中に水を飲んではいけない」という考え方の時代でしたので、その猛烈に苦しい練習から、練習中は「早く現役を引退したい」とばかり考えていました。でもいざ大会日程が決まり、調整の段階に入って練習内容が変わった時から、「まだ何かできることはないか」ばかりを考えるようになっていました。小学生のころからずっとやってきた学生野球がふと「終わる」ことが怖くなったんです。挙句の果てにランニングと称して夜中に近所の大きなお寺に行って毎日手を合わせたりもしていました。

 そんな中で迎えた「引退」の時。挨拶が終わってベンチに戻って「終わったんだ」という思いが頭をよぎった瞬間に膝からグラウンドに崩れ落ちました。本当に動けなくなったんです。次におなかの奥のほうから何かがこみあげてくる感覚になり、その後「嗚咽」が出て、ダムが決壊したかのように涙が出てきました。まるでジブリ映画「千と千尋の神隠し」の中に出てくる「カオナシ」が吐くシーンのようでした。

 私自身は年齢相応にその後様々な悲しみを経験してきましたが、悲しみと涙は直結しない場合があります。逆に泣けないんです。今まで最も涙が出たのは高3のあの瞬間です。でもそれは決して悲しみだけの涙ではなかったような気がします。今振り返ってみても一言で表すことのできる言葉は見つかりません。強いてあげれば、次のステップに進むための「やり切ったからこそ出た涙」だったのかなぁと思います。でも今でも強烈に覚えている貴重な経験です。経験できてよかったとすら思っています。頑張ったんだというプライドも生まれました。

 

 さあ、明日は準決勝・決勝ですね。泣いても笑っても3年生は明日が現役で最後の公式戦になるんだと思います。本校が会場校なら応援できるのかも知れませんが、明日は別の高校が会場となるので、保護者の方同様、応援は自粛します。

 選手の皆さんは今日の試合で気づいたことはしっかり修正して、明日に備えて疲労回復を最優先してください。応援で同行する部員の皆さんはしっかり応援とサポートをしてあげてください。

 そして、どこで見ても目立つその黄色のユニフォームでくるにし男子硬式テニス部の存在とプライドをしっかり示してきてください。

「今できること」「明日できること」をしっかり想像して

 

がんばれ! くるにし男子硬式テニス部!!

 

 

①今日は夏の空がうまく撮れました。

②準々決勝終了後に挨拶しているところです。本当にユニフォームの黄色が印象的ですね。素直にいい色だと思いました。

 210721田無タワー  210721テニス部