校章

東京都立久留米西高等学校

18粒目:「避難訓練をこっそり見ていました」

2021/07/19

 17粒目のユリは「コオニユリ」という種類だそうです。このブログを読んでくれている本校の先生が教えてくれました。結構いろんなところで見るユリで、狭山湖近辺を車で走っているとよく見かけるので名前を知りたいと思っていました。またひとつ勉強になりました。ありがとうございます。

 

 今日は朝から忙しい日でした。隣に今年新しく開校した東久留米特別支援学校で朝から会議の予定が入っていました。先週の水曜日を最後に正門前に行けていなかったので、正門に立った後にその足で東久留米特別支援学校に向かうことにしました。

 

 残念ながらいつもより正門に立つのが少し遅かったせいで、16粒目で話した親子には会えませんでした。しかし、今日はまた別の親子自転車の後部座席の子供から「おはようございます」と声をかけてもらいました。

「継続は力なり」ですね。

その後16粒目のお母さんが戻ってくるのには遭遇できたので、「おはようございます」と声をかけることもできました。

実はもう1組、あいさつしてくれるようになったお父さん自転車もあります。正門前の「おはようございます」がどんどん増えている気がします。

 

 さて、正門を後にして東久留米特別支援学校に向かいます。黒目川沿いの遊歩道をくるにし側ではないほうを歩きました。ちょうど避難訓練でグランドに避難するくるにしの生徒たちの様子が見たかったからです。

 

 今日は火災の想定でしたね。避難開始の指示が出てからグランドに整列して、消防署の防災担当の方の講話が始まるまで、時間を計りました。私のスマホのストップウォッチで6分48秒でした。この時間が長いか短いか、今は論じませんが、ちょっと緊張感が足りない気がしました。なぜなら講話前のざわつきが講話になるとすっとなくなったからです。黒目川をはさんだ対岸からは音がなくなるように感じました。

 

 私は今まで勤務したどの学校でも避難訓練では「緊張感」を大切にしてきました。

 副校長として避難訓練の講話をした時に、初めて「想像してごらん」と言ったことを覚えています。

 

 その頃は韓国で大型客船の転覆事故が起き、島根県沖でも漁船が転覆し、いずれも多くの犠牲者が出たというニュースが世の中を駆け巡っていた時期でした。韓国の大型客船の事故では修学旅行の高校生も亡くなり、閉じ込められた乗客が船の横の窓を船内から叩いている映像もニュースで流れました。

 

 その映像を見ていて、一刻も早い救助を待ち望みながらも亡くなってしまった方のことを想像して、胸が苦しくなったことを覚えています。私は講話の中でその話を取り上げて「想像してごらん」と生徒に話しかけました。

 災害時に一刻も早く次の行動に移るためには、まずは速やかに集合して人員確認をする必要があります。もしかしたら自分たちの仲間の中にもけが人や行方不明者が出るかもしれません。まずは自分たちの安全確保とその確認が最優先です。「自助」ですね。

 高校生ですから、その後に怪我人の救助や近隣の支援等、求められる活動はたくさん想像できます。「共助」ですね。その一つ一つが遅れることは生命に関わる危機に直結します。だからこそ、日頃の訓練には緊張感をもって臨まなければならないんです。

 初めて「想像してごらん」と話した当時高校1年生だった生徒が、2年後の自身の卒業式の時に、卒業生代表として答辞の中でそのエピソードを交えて、「常に自分が何をするべきか想像するようになった」と話してくれました。

 くるにしの生徒の皆さんも、しっかり想像して、緊張感をもって真剣に避難訓練に取り組んでくださいね。

 ただし、以前にもお話ししましたが、つらい思いを経験した人は無理に想像する必要はありませんよ。すでに経験としてしっかり学んでいますからね。

 

 明日はいよいよ1学期の終業式ですね。校長講話の中で、何を想像してもらおうか、これから考えます。

 

①今日の田無タワーは背景の空がいよいよ夏らしくなってきた気がします。

②黒目川にはカラフルな色の鯉もいるんですね。ちょっと不思議な気がします。

 21079田無タワー  210719黒目川の鯉