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2025/04/04 教育活動
福島・被災研修
3月20日に福島・震災研修に行きました。
国立高校では福島への震災研修は3年目となります。今年は、震災から14年が経っています。
被害の実態、復興の進捗、さまざまな視点から被災地福島を見てきました。
JR常磐線で10:30に双葉駅に着きました。
駅から原子力災害伝承館まで、徒歩で街並みを見ながら行きます。
被災したままの家屋の前で、講師の本校元教員から説明を受ける参加者。
被災した時のままの状態の双葉町役場。
途中、線量計なども設置されており、数値を見ながら被災したままの家屋や、双葉町役場などを見たり、去年までは放置されていた田圃に水が入っているのを見たりしながら歩きました。
「車が多いけどガソリンスタンドが見当たらないね」などと生徒同士見たもの、感じたことを情報交換しながら1時間ほど歩いて伝承館へ入りました。
伝承館では、被災時に富岡町在住だった方から当時の様子を伺いました。
・当時小学生で、避難指示が出た時には、大人も子どももすぐに自宅に戻れると思いほとんど荷物を持たずに避難したが、戻れなかったこと。
・地震から始まり、津波・火災・原発事故の複合災害で、世界初の災害だったこと。・被災前の富岡町には16,000名が住んでいたこと。
・2017年に戻れるようになったが、8年たった2025年現在でも住人がやっと2500名を超えた程度であること。
・多くが戻っても仕事がなかったり、買い物をする場所がないなどの問題があり、避難先での生活が続いていること…。
これらのことを話していただきました。
また、災害に関する様々な資料が展示されていて、津波、地震、原発事故の凄まじさを知ることができました。
その後、バスで請戸小学校へ移動し、津波被害にあった校舎を見学しました。
遠くから見ると校舎がそのままの形で残っているように見えましたが、実際に近づき、校舎の中に入ってみると壁や天井が津波で壊されていたり、部屋の中に瓦礫が詰まっているところを目の当たりにし、津波の破壊力を実感しました。
印刷室:津波で押しがなされた瓦礫がぎゅうぎゅうに詰まっていた。
体育館:壇上に卒業証書授与式の掲示がそのまま残されていた。
【参加した生徒の感想】
- 請戸小学校の当時のままの様子を見て、どのくらいの被害を受けたのかを知ることができた。
- 請戸小学校のそのまま残っている残骸が本当に当時の子供達がいた感を醸し出していて身に染みて津波や地震の力を実感した。
- 学校内で得た知識を活かして「考える」ということに重きをおいたものでした。話を聞く受動的なものも勉強になったが、何よりも、福島を歩き、自分で見た景色について考えるというのがとても勉強になった。
- 自分たちは今まで映像で見る機会がほとんどだったが実際の目で見てみないとわからないことが多くて良かった。
- 時が止まっているみたいだった。瓦礫や床が抜けた体育館、砂が積もった卒業証書を見て、改めて災害の怖さや今の生活へのありがたさを感じると同時に、早く住民の方が故郷に戻れるように復興が進んで欲しいと思った。
- インターネットで調べるだけではわからない福島の現状や雰囲気を知ることができ、とても有意義な研修だった。