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東京都立若葉総合高等学校

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2022/08/19 受検生の方

生徒インタビュー

 

生徒インタビューです。

 

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佐々木さん
2018年に若葉総合高校に入学。美術部副部長、生徒会長を務め、卒業後は東京造形大学に進学予定。

 

――まずは自己紹介をお願いします。

 

佐々木:3年の佐々木です。今年(2021年)の3月に卒業する予定です。部活は美術部に所属していて、副部長を務めました。2年生の頃には生徒会長もやらせていただきました。

 

◆ 若総への志望理由と入学後の印象

 

――若葉総合高校に入学した理由を教えてください。

 

佐々木:油絵というか美術をやりたかったというのがあります。最初は別の高校も考えていたのですが、美術科とか美術コ―スを専門で設置してある学校に行ってしまうと、その道のレ―ルに乗っかっちゃうイメ―ジがすごく強くあって…あと、文化祭と体育祭をやりたかったっていうのもありました。もう1つは、いろんなことを試したうえで、自分の適していることとかやりたいことを見つけたいと思っていたので、自分なりの選択科目が組める若葉総合はとても理想的でした。

 

――若葉総合には見学に来ましたか?

 

佐々木:若葉総合にはちょこちょこ足を運んでいました。体育祭では美術部と有志が作るでっかいパネルがあるんですけど、それが凄い迫力があって、やってみたいと思いましたね。文化祭では美術の展示や、1年生の劇、体育館での有志のダンスを見て、すごい和気あいあいとして楽しそうだったのが印象的でした。そのときに、この学校は自分に合っているな~と思ったのを覚えています。

 

――入学した後の印象を教えてください。

 

佐々木:入学した当初は環境に慣れてないのもあり、ドギマギした場面もあったんでが、同じようなことを目指している友達がいたので、その子たちに「どの授業を選ぶ?」とか聞いてもらえて、とても過ごしやすかったです。美術をやりたいって目標もあったので、同じ系統の子が集まっていて、相談をしやすい環境でした。

 

――やっぱり美術系の生徒は多いですか?

 

佐々木:そうですね。なんか年々増えているようで、美術の授業を行う教室が足りないって話題になっていました。授業の作品も校内に展示しているので、それを見て入学したいと思ってくれる中学生がいるみたいです。

 

――高校3年間で美術作品はどのくらい作りましたか?

 

佐々木:部活だとF12っていう自分の胴体ぐらいのサイズの絵を描くんですけど、それは20枚ぐらい描きました。2週間で1枚くらいのペ―スなので、けっこうハ―ドです。夏休みには大会に向けて、自分の首ぐらいまでの大きさの絵を2枚ほど描くので、合計22枚ぐらいになります。美術の授業では、1ヶ月で1枚ぐらい描いていると思います。最初はちっちゃいのから描くんですが、どんどんサイズが大きくなって、時間もかかるようになります。美術系の選択科目をすべて取ると、3年間で100点以上を作っていると思います。絵を描きたいと思っていても、自分から動くことはあまりなかったので、強制的に描く時間を作れたのは良かったです。

 

◆ 若総の行事と部活

 

――美術部以外の部活ってどんな感じですか?

 

佐々木:美術室が体育館やグラウンドに近いので、バスケ部とか陸上部の声がよく聞こえてくるんですけど、すごく楽しそうです。土日も練習していて、部活動はとても活発だと思います。運動部に限らず、パソコン同好会もeスポ―ツのイベントを始めたり、和(なごみ)同好会(茶道を中心とした日本文化について活動)でも文化祭で和菓子を販売するなど、面白い部活や同好会がたくさんあります。行事でも部活ごとの役割があったりして、皆さん輝いています。

 

>>>>若葉総の部活はこちら

 

――若葉総合の行事の雰囲気について教えてください。

 

佐々木:1年生の最初に新入生キャンプという行事があるんですが、それが楽しいです。そのキャンプでは、自分や他人の得意不得意が知れて、お互いがどういう感じなのかを理解することができます。そうやって人間関係を築いたあと、体育祭や文化祭とかがやってくるので、すごく良かったってみんな言っています。行事は好き嫌いがあると思うんですけど、はじまれば全員盛り上がっているので、息苦しいとかはありません。みんながそれぞれ活躍する場があります。

 

――さきほども話に出ましたが、体育祭のパネルってすごいんですか?

 

佐々木:トリックア―ト展みたいなそんな感じの絵が多いです。等身大より大きいので迫力満点です。ひと目で「この学校やばい」ってわかっちゃいます。入学してから自分も制作しましたが、楽しかったです。体育着を着てベタベタになりながら、みんなで「わ――い」って感じでした(笑)。

 

【体育祭パネル】

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◆ 選択科目…選択するのも一大イベント

 

――専門的な授業が多いんですか?

 

佐々木:1年生の頃の美術科目は、芸術選択(音楽Ⅰ・美術Ⅰ・書道Ⅰ)だけですが、2年、3年になると、大学で使うようなモチーフのデッサンをしたり、美術系の進学に向けた感じの授業もあります。美術以外の授業でも、英語の長文読解とか、国語の一般入試対策の授業もあるので、どの教科も特色があると思います。

 

――選択科目ってどんな感じの授業なんですか?

 

佐々木:たとえば、看護系の選択科目だと、外部から看護の専門の先生が来ています。保育系の授業でも、実際に保育園に行って自分で作った絵本の読み聞かせをしたりしています。外部とのつながりが多い学校なんだと感じています。文化祭に、大学の先生がいらっしゃることもあるらしいです。

 

――選択科目を選ぶのは大変でしたか?

 

佐々木:かなり大変ですが、選択科目を選ぶ前に、「これはどういう授業なんですか?」って、各授業担当の先生に聞いて回る形式の説明会があるので、いろいろ教えてもらえます。そこから自分に必要不必要を選んでいくって感じですね。

 

――若葉総合には、どんな子が似合っていますか?

 

佐々木:単刀直入に言うと、やりたい事が決まっていた方が過ごしやすいです。選択科目が多いので、自分が何をやりたいのかわからない人だと、「あれ?自分何もやりたくないんだけど、何すればいいの?」となってしまいます。幅広い科目を自分で選べるからこそ自分の意思が反映されやすいので、ふわふわと過ごしている人は大変そうです。

 

◆ 産社とマイプロ

 

――そうは言っても目標や夢が決まってない子って結構な数いると思うんですが…

 

佐々木:1年生の頃に「産業社会と人間」という自分と向き合う授業があるので、自分の得意なことでもいいし、逆に、自分がやりたくないことを逆算して考えたりして、先生と相談しながら自分の方向性を決めることができます。

 

――産社(産業社会と人間)の授業を受けてみてどうでしたか?

 

佐々木:普通、自分のことを考えるのって、明日とか昨日のことぐらいしか考えられないと思いますが、産社の授業では、何歳に結婚するとか、そういうことも遊び感覚で考えられたので、自分の将来を深く考えるきっかけになりました。新入生キャンプも産社の授業の一環で行っているもので、生徒同士でコミュニケ―ションをとったりする場面も多く、私はすごく楽しかったです。

 

――2、3年次にはマイプロジェクトという探究活動を行う科目がありますが、どうでしたか?

 

佐々木:正直、けっこう大変でした。論文の文字数とか…A4の紙に16枚~20枚くらい…文字数にして1万字ぐらいですかね。自分の好きなことを研究していいよって言われるんですけど、自分の好きなことの幅が広かったりすると、テ―マが絞り切れないところもあって、勉強とか部活とかもしながら論文を書かなきゃいけないので、大変でした。けど、そのおかげで、文章を書くのが苦じゃなくなったのは確かです。

 

――達成感はありましたか?

 

佐々木:出来上がったら達成感はありますね。大学の推薦入試でマイプロジェクトの論文を作っていますって話もできましたし、高校生で論文も書けるんだぞ!みたいな自己PRとして強みになりました。私は「高校生のモテとは何か?」について論文を書きました。結論としては、高校生のモテとは完全にルックスでした (笑)。

 

――友達の研究テ―マで面白いものはありましたか?

 

佐々木:たとえば「サザエさんがずっと人気な理由は何か」とか、「読みやすい少女漫画の表紙は何か」とか、「何で青は食欲をなくすのか」とか、「ふりやすいテニスラケットはどうやったら作れるか」とか、「野球のバットの振りやすい方法」とか、みんな身近なところからテ―マを決めていました。

 

――テ―マはどうやって決めたら良いですか?

 

佐々木:一万字のレベルの論文に仕上げるのはやっぱり大変で、後先のことを考えて決めないと途中で書けなくなったりします。なので、自分がめちゃくちゃ好きだからずっと研究できるみたいなものじゃないとテ―マを変更することになっちゃいます。2年生の頃からやるので、テーマについてはじっくりと考えてほしいです。

 

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◆ 個性のある生徒と、専門性の高い先生たち

 

――生徒の雰囲気はどうですか?

 

佐々木: 40人のクラスで男子10人ぐらいですから、女子が多い学校なのですが、お互いに男女比を気にしていない感じです。授業ではちょっとしたおしゃべりぐらいは聞こえることもありますけど、きちんと受けている人が多いです。性格としては、おとなしい子の方が多いのかなってイメ―ジがありますが、ワイワイやっている子たちもいます。ワイワイやりたい子が入っても大丈夫ですし、静かに暮らしたいんですって子がいても嫌な感じではないはずです。

 

選択授業が多い学校なのでホームルーム教室にいることが少ないです。クラスのメンバーと顔を合わせないこともあります。私の場合、どっちかっていうと選択科目の友達が多いですね。1年生の頃はクラス単位で活動しますが、2年次で別れて、3年次では個人で動いていくイメ―ジです。

 

――若葉総合にはどんな先生がいますか?

 

佐々木:専門に特化した先生が多いイメ―ジがあります。若い先生もたくさんいますし、バラエティに富んだ先生たちなので、自分から話していけば、必ず一人は自分に合う先生が見つかると思います。

 

――若葉総合の進路指導はどうですか?

 

佐々木:進路指導室というのがあって、過去の先輩の受験データとか、最新の受験資料とか、全部ファイリングしてあります。進路担当の先生も複数いらっしゃるので、アポをとればしっかりと相談に乗ってもらえます。進路指導はしっかりしている方だと思います。

 

推薦の面接指導などもあります。私は全然動かなかったので、先生の方から声をかけていただき、面接指導をしてもらいました(笑)。面接練習をやりたい人は、プリントに書いて担当の先生に渡すと、どんどん練習を組んでくれます。先生の方が積極的に動いてくれたので、勉強も頑張りながらすごくやりやすかったです。

 

――これから入学してくる未来の若葉総合生に言いたいことはありますか?

 

佐々木:個性のある子が集まる学校なので、個性のある学校のままあり続けてほしいです。これからの生徒の皆さんには、いろんなことを試して欲しいと思います。先生たちも、協調を求めるだけじゃなくて、生徒のやりたいことに対して背中を押してあげてください。

 

◆ 作品紹介

 

――せっかくなので、自分の作った美術作品を紹介してください。

 

佐々木:夏休みに美術の予備校に行ったときに描いた木炭の絵です。紙風船と木槌を渡されて自由に描いていいよって言われたので、自分の頭と紙風船を逆にして描きました。普通のことをぶっ壊して描くようになったきっかけの絵です。それまで平凡な誰でも描ける構図を考えていたので、新しい自分に気づけた作品でもあります。

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佐々木:これは大学入試の時に持って行った作品です。自分の好きなものが人の手と花だったので、なんか表現できないかとずっと考えていて、花束にしちゃえばいいじゃん!って作品になりました。新宿美術学院のパンフレットにも掲載されています。

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佐々木:これは色彩が気にいっている作品です。クラゲの色を赤黄青しか使わないようにしていて、逆に、人体は白黒のみで構成しています。自分の描きたいものって言われて描いたので、「自分の好きなのはこれです」って説明以外はできません(笑)。自分の脳内にあったものを3年間の技術で描きました。

 

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※ 佐々木さんのポ―トフォリオは、以下のPDFで公開しています。

 

>>>>>>佐々木さんのポートフォリオ(PDF)はコチラ

 

――文化祭の準備や大学の課題でお忙しい中、ありがとうございました。

 

佐々木:こちらこそ、ありがとうございました。