校章

東京都立芦花高等学校

創立20周年記念式典

2022/12/08

令和4年11月4日(金) 創立20周年記念式典

都立芦花高校は今年、創立20周年を迎え、令和4年11月4日に府中の森芸術劇場で記念式典を挙行しました。式典には歴代の校長先生をはじめ、芦花高校同窓会会長、PTA芦花の会代表、母体校である都立千歳高校同窓会会長の皆様に御臨席をいただき、御祝辞を頂戴しました。また、生徒会長が生徒を代表して温かなお祝いの言葉を述べました。式典後は、当日の朝に全校生徒がグラウンドに出て完成させた人文字をドローンで撮影した映像を交えた卒業生制作の記念動画及び2年次生有志生徒制作の記念動画の上映、ダンス部の公演を行い、楽しい雰囲気の中、創立20周年を祝うことができました。

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以下、校長先生の記念式典式辞です。

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東京都立芦花高等学校創立20周年記念式典式辞

 今年は冬の訪れが早く、気持ちが一段と引き締まる時季になりました。このような中、今朝は全校生徒が一体となってグラウンドで人文字を完成させ、卒業生の御協力のもと、ドローン撮影で創立20周年を祝いました。

 本会場には、初代校長、第二代校長、第三代校長、第四代校長の各先生、都立千歳高校同窓会誠之会会長様、本校同窓会会長様、PTA芦花の会代表様の御臨席を賜り、東京都立芦花高等学校創立20周年記念式典を挙行できますことは、教職員、在校生、同窓生、関係する皆様の大きな喜びです。

 本校は都立高校改革推進計画に基づき、都立千歳高校と都立明正高校を発展的に統合し、全日制課程単位制普通科の高校として平成15年に開校しました。本改革推進計画では、芦花高校は「生徒一人一人の個性や特性、進路希望に対応した多様な学習を可能とする教育を行う」学校として位置付けられ、第二外国語をはじめとする多彩な科目を設置し、生徒の興味・関心やニーズに応える教育活動を展開してきました。また、開校6年目には、「文武両道の推進」「進学実現の支援」「魅力ある教育活動の充実」を柱とした芦花ビジョンが策定され、「部活から学習へ意欲を広げ、自らの進路・進学を拓く~芦花から発信する文武両道&進学挑戦の単位制~」というスローガンの制定や、「この子たちの夢を三年後に叶えてあげようプロジェクト」の立ち上げなど、生徒のための改革を温かな心をもって進めてきました。その後は、特色あるキャリア教育の礎(いしずえ)を築くとともに、勉強と部活動の両立を図る「文武両道の実践」がよき校風として育まれ、4,000人を超える優秀な人材を世に輩出してきました。そして、近年は、単位制という仕組みには、科目選択の自由度が高い分、履修方法によっては系統的な学力が身に付かないという課題が一般に指摘されるようになったことから、系統性を持った学習により、進路希望を実現できる力の育成がより一層、重要になってきました。平成31年度より東京都教育委員会から「進学指導研究校」の指定を受け、現在第二期の指定にあることから、進路希望に対応した教育課程の編成及び系統的な履修指導、学力向上を図る授業や朝学習、進路意識啓発に資するキャリア教育を計画的に行っており、進路実績は年々向上してきています。

 令和4年に東京都教育委員会が策定した芦花高校のスクール・ミッションには、開校当初の構想や単位制高校の理念を継承しつつ、主体性をもって学びに向かう力、社会の課題を解決し価値を創造する力、豊かな人間性などのSociety5.0を生きる力を育む学校として飛躍することへの期待が込められています。

 芦花高校は今年、20歳(はたち)になりました。人で言えば成人式で祝福されて世に出る、立派な大人に成長したわけです。開校以来、「自主・創造・誠実」の教育目標のもと、歴代の校長先生をはじめとする教職員の誠実な努力や、東京都教育委員会、保護者、本校並びに千歳高校同窓会、地域の皆様の多大な御支援により、生徒及び組織体制、教育環境を大切に育て上げ、地域に誇れる学校として今に至っています。

 都立千歳高校と都立明正高校が統合され、新生、都立芦花高校が誕生した経緯がありますが、両校の関係者の皆様にとっては母校の歴史が途絶えることになり、寂しい思いをされたことと思います。学校の正門を入ったところに千歳高校のモニュメントが築かれており、そこには卒業生名簿とともに「未来」の文字が刻まれています。芦花高校は千歳高校の敷地に位置し、中庭の大きなけやきや春に美しく花を付ける数多くの桜の木は、千歳高校の活気をそのまま芦花高校に引き継いでいます。また、校舎は千歳高校第16期卒業生が設計され、芦花高生が現在、充実した学校生活を送っています。モニュメントの「未来」という言葉には、母体校のよき伝統を着実に新しい学校に送り届けたいという芦花高生への信頼や期待が込められており、この思いに応え、芦花高校をより一層発展させていかなければならないと思います。

 以前、芦花高校にいらした先生が、「芦花高校に照明はあるが、電灯(伝統)はない」とおっしゃったことがあります。歴史がまだ浅い芦花高校に伝統はないということですが、20周年を機に、芦花高校で先輩から後輩へと脈々と受け継がれる伝統あるいは校風は何かと考えてみました。

 私が着任した3年前の第1学期始業式で生徒全員が校歌を斉唱した際、前に出て指揮をしていた15期の生徒が、「みなさん、もっと元気よく歌ってください。新しくいらした先生方に、芦花はこんなもんだと思われたくないのです」と全校生徒に訴え、元気に歌い直しをしたことがありました。この様子を見て、やるべきことにはしっかり取り組もうという生徒の気概、自主の力を感じました。その後、体育祭やけやき祭を見るごとに、歴代の3年次生がしっかりとした姿を後輩に見せ、あとに続く1・2年次生もそれに応えて行事を成功に導いていますので、この気概、自主の力は生徒の誠実な心とともに代々、継承され、芦花の伝統や校風を形づくっていると思います。 

 第18期生である現3年次生が入学する直前の令和2年3月に始まった、新型コロナウイルス感染症対策による全国一斉臨時休業を皮切りに、18期生の入学式中止、体育祭、けやき祭、合唱祭、修学旅行、部活動の中止、オンライン自宅学習、分散登校の日々が続き、特に生徒が年次を超えて触れ合う機会が大きく減少しました。このような状況を経て今年、開催した体育祭やけやき祭では、再構築、再出発をスローガンに3年次生が実行委員会生徒とともにリーダシップを発揮し、1・2年次生の頑張りもあって、生徒の手で行事を成功させてくれました。その様子はコロナ前と何ら変わらず、生徒の自主の力や誠実な心は、着実に継承されていると思いました。また、生徒会役員の生徒がはじめた朝の挨拶運動は、現在、全ての委員会の生徒によって行われるようになり、よりよい学校生活を自分たちの手でつくっていこうという創造の力や前向きな力強さを感じます。そして、空き時間や放課後にラウンジや廊下の自学自習スペース、自習室で勉強に励む生徒の姿は、芦花の風景として確実に定着しています。

 開設当初に制定された「自主・創造・誠実」の教育目標が、20歳(はたち)を迎えた芦花高校の校風や伝統としてしっかり根付いていることを、歴代の校長先生、御来賓の皆様に自信をもってお伝えしたいと思いますし、この会場にいる18期生、19期生、20期生のみなさんを心から誇りに思います。

 生徒の力で、この芦花高校がよい学校になっていることは間違いありませんし、このよき学校風土や伝統を「未来」に向けて継承し、芦花高校を一層、発展させてほしいと切に願い、東京都立芦花高等学校創立20周年記念式典の式辞といたします。