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2026/01/04 日々農産
マレーシア海外派遣研修(2日目) -旅が心をそっと揺らした一日—
朝、ホテルの窓から見えた熱帯の空。
どこか柔らかくて、“ここは本当に日本じゃないんだ”と、ようやく実感が胸に落ちてくる。
そんなクアラルンプール市内の朝は、祈りと熱気が入り混じる独特の空気に包まれている。
マングローブ林を見学するため、ここからバスでクアラセランゴール自然公園へ向かう。
■ クアラセランゴール自然公園
マングローブの森に足を踏み入れた瞬間、湿った土の匂い、鳥の声、風に揺れる葉のざわめきがまるで身体の奥にまでしみこんでいくようだった。

日本で見る景色とはまったく違う。地面からにょきにょき伸びる根っこを見て、“植物って、環境によってこんなに姿を変えるんだ” と素直に驚く生徒たち。
カニクイザル、トカゲ、ムツゴロウ、カニなどさまざまな生きものが暮らす汽水域にあるマングローブの森。
一方で、様々な団体がマングローブ林を守るための植林をしている様子もうかがえる。
この森で、ただ動物に会えて良かった、緑が美しい、というだけではない、様々な現実の様子に気付くことが大切である。

教科書では学べない探究の材料があの森にはあった。

昼食はセランゴール川の畔のレストランで地元の食を楽しんだ。
■ テムアン文化情報センター
次に出会ったのは、マレーシア先住民族「テムアン」の人たち。彼らの暮らし、文化、言葉。装飾品や道具の由来を聞きながら、ふと気づいた。

“文化は残してきたものだけじゃなくて、生きている一人ひとりの中にある” 。

自分たちの文化に誇りをもち、それを守り訪れる人に知ったもらうための努力を続けている人たちである。

日本ではあまり馴染みがないフルーツ「ランブータン」
菜園では、照りつける太陽の下、さまざまな作物が堂々と育っていた。

日本で馴染みのない農作物や育て方に、“農業って世界に色々な形があるんだ” と生徒たちは実感していた。
テムアンの方々との交流。短い時間であったが、この温かい時間は生徒たちの心に確かに刻まれたことであろう。

ホテルに帰る車窓から見た風景。郊外に次々と造成されている新興住宅地にマレーシアの発展の勢いを感じる一方、森林が開発された上で町が広がっている様子を目の当たりにした。

■ 市内で夕食
夕暮れのクアラルンプールは、青とオレンジが溶けあう空だった。
アロー通りでの夕食。生徒たちの顔は、少しだけ成長したように見えた気がする。
1日でこんなに多くの文化や自然に触れたのは、きっと初めてだろう。そして、どれもが「自分の好き」を大切にしていいんだよ、と生徒たちの背中を押してくれているようだった。
パビリオン内でのショッピング。
マレーシアの風景の中で自分が何を感じ、何を選ぶのか。この旅の続きが、ますます楽しみである。
文責 副校長・金子