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    • 卒業生による講演会 第4回

      スパイスと健康

      14FA 武政 三男
      (H22.3.24)

      1.スパイスの魅力について

       世界的に高齢者社会を迎えて、食生活による健康管理が注目されています。そんな中でスパイスの活用化も注目されています。
       スパイスは食品で、クスリでもサプリメントでもありません。当然、薬理効果を訴求できるものではありませんが、何故、スパイスが健康によい食品で、注目されるのかを説明します。
       日本ではスパイスのことを「香辛料」と表現しますが、残念ながら「辛料」のイメージが強くあります。世界のスパイスは、辛いものが少なく、ほとんどが香りに特徴があります。まさに「香辛料」なのです。
      欧米では、減塩、減糖を目的としてスパイスを積極的に活用しています。食養の目的とする、塩分、糖分などの摂取量を少なくし、不味い料理をスパイスの香り付け、臭み消し、辛味付け、色付けなどの作用で美味しく食べさせる様に工夫しています。
       健康といえば多くの人は、ハーブをイメージします。ハーブは、ヨーロッパの伝承医療上の言葉です。ハーブは、良い香りがする、食べられるというのは、正しくありません。極一部のハーブが、香りが良かったり、食べられたりするのに過ぎません。
      ハーブは「薬草」と訳され、世界に80万種類以上あります。薬草とは、クスリとして活用するものであって食品ではありません。トリカブト、スイセンなどもハーブで、有毒ですが、またクスリとして利用されています。漢方でもクスリとして配合されます。ハーブは100%食べられるとは限りませんが、スパイスは食品なので、100%食べられます。
       厚生労働省は、2001年に医薬品と食品の中間として保健機能食品のカテゴリーを認可しました。しかし保健機能食品といえども注意喚起表示を義務付けています。これに対して食品は、食べる人に摂取量はまかせて、何ら表示の義務がありません。例えば食塩の袋詰めを購入したとします。その袋に「食塩を1日30g以上食べないでください」などの注意喚起表示をしなくていいのです。同様にスパイスも食品ですから、「唐辛子を1日、どんぶり一杯以上食べないでください」などの表示をしなくてよいのです。
      このように医薬品やサプリメントなどは、副作用や過剰摂取面での問題があります。しかし、スパイスは食品であるため、医薬品やサプリメントなどのように、副作用の心配をしなくてもよいのです。そして、スパイスは少量で健康効果を発揮しますので、私はスパイスをサプリメントに近い効果を発揮する「セカンドサプリメント」と名付けています。もちろん単なる造語ですが、気楽に健康面で活用できる食材として期待しています。

      2.スパイスのセカンドサプリメント効果

       ニンニクはユリ科のスパイスで、この仲間がネギ、タマネギ、ニラ、ラッキョウなどです。これらのルーツは山野草でした。その後野菜として栽培され、今日の形状となったのです。そのため野菜のルーツはスパイスで、スパイスのルーツは山野草ともいえます。
       エジプトのピラミッドは、古王国時代の王の墳墓として有名ですが、このピラミッドを建造した労働者達の食事として、ニンニクやタマネギを常食したといわれています。このニンニクのパワーにどんな成分が含まれているかを調べた結果、アリーンという無臭の成分が含まれていて、切り刻んだりして組織を破壊すると、酵素が働いて独特の臭い成分であるアリシンが生成されます。アリシンはビタミンB1と結合して活性ビタミンB1ができます。現在では、この活性ビタミンB1が、活力を発揮するクスリとして活用されています。
       家庭料理でも疲れた時に、ニンニクやニラなどを使用した料理を食べるとよいといわれますが、まさにニンニクパワーなのです。
       スパイスは少量で効果を発揮しますので、薬ではなく食材として、食育、高齢者の食生活、生活習慣病予防面などの健康面での活用化が期待されているのです。誌面の都合で、項目だけとなりますが、スパイス成分が健康に役立つといわれている効果をまとめてみますと、(1)スパイスの血流量向上効果(2)スパイスのダイエット効果(脂肪燃焼効果)(3)スパイスのアドレナリン分泌向上効果(4)スパイスの記憶力向上効果(5)スパイスの誤嚥予防効果(6)スパイス減塩・減糖効果(7)スパイスの免疫力向上効果(8)スパイスの動脈硬化症予防効果(血栓生成予防効果)などが知られています。

      スパイスについて関心のある方はホームページをご覧ください。
      http://www.spice-ca.org

       




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