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2020/04/28

学校長からのメッセージ

この機会に読書をしてみよう

 ~学校休業中の生徒諸君へ~

校長 大 場  充


 テレビのニュース番組や新聞、ネット上の情報などから、みなさんも社会の状況をよく理解していることと思います。東京の街は、少しずつ暖かい日が増えてきました。例年と、そんなに変わりがないかもしれません。ただ、四月も下旬になったのに、今年は人の動きが違います。私もこんなことは今まで経験したことがありません。ですが、皆さんはこの機会を利用して、新たなことに挑戦し、新しい経験を体験してみてください。


 私は読書が大好きです。本校の図書室にもちょくちょく足を運びます。最近では、以前から所蔵されていたらしい梨木香歩さんの『家守綺譚』という本を読んでみました。最近、小説を読むことがめっきり減ったのですが、幻想的な内容と展開、読みやすい文体に興味をひかれ、思わず繰り返して読んでいました。私にとっては珍しいことです。 以前は本屋か図書館に行かなければ、新しい本は手に入りませんでしたが、近頃では「青空文庫」といって無料でインターネット上に掲載されているサイトもあります。小説は著作権があるのですが、既にこの権利が消滅している文学作品を載せています。私も、シャーロックホームズシリーズや泉鏡花など、書籍として所有していても、わざとネットで読むことがあります。ただ、注意して欲しいことは、一部のネット上にあるサイトには、海賊版、すなわち違法で掲載しているものもあることです。教科の「情報」ではきちんと説明してくれるのですが、気をつけてください。


 今度、先生方からぜひ生徒諸君に読んで欲しい本を図書館に置いてもらおうと思っています。授業に役立つものもあれば、より深く学ぶことの手がかかりになるような本を。高校生としてぜひ、この機会に本を読んで欲しいと思います。もちろん、読むことが苦手という人がいるでしょう。写真集でも、画集でも勉強になりますし、感動を覚えます。私は歴史の教員なので、仏像や建築物を見ることもあり、土門拳さんという写真家のファンでした。実物よりも、彼の写真の方が訴えてくる何かを感じたものです。

 最近、探究という学びの考え方が主張されるようになりました。人が感じる不思議や疑問、感動や記憶といったものを起点に、広げていく営みだと思います。その原点に一冊(あくまで書籍として)の本を手に取ってみてください。



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>令和2年4月8日 掲載記事

「学校休業の時期を過ごしている生徒諸君 そして、新たに稔ヶ丘高校に入ってきた生徒諸君に」